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公開日2025.05.21更新日2025.05.21

HR & 採用業界ニュース解説|進化するAIのHR活用、「雰囲気採用」の実態、大学部活への企業スポンサーシップ

HR & 採用業界ニュース解説|進化するAIのHR活用、「雰囲気採用」の実態、大学部活への企業スポンサーシップ

まもなく5月も終わりに近づき、初夏の爽やかな風が心地よい季節となりました。
人事・採用担当者の皆様におかれましては、採用活動全般にわたり引き続きご尽力されていることと存じます。
採用ナレッジでは、そんな皆さまに役立つ情報をピックアップし、深掘りする「HR & 採用業界ニュース解説」を定期的にお届けしております。

内藤さん
田中さん
小林さん

今回は第6回目、前回に引き続き採用支援のベテラン内藤さんと、新人の田中さん、そして進行の小林の3人で、しっかり解説していきたいと思いますので、最後までお付き合いください。

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進化するAIのHR活用、その光と影

さて、最初のニュースはこちら。

最近本当にAIのHR分野への進出が目覚ましいですよね。採用だけでなく、人材育成、評価、労務管理と、その応用範囲は広がる一方のようですね。

AIがHRでどこまでできるのか、正直まだ想像しきれていない部分もあります。具体的にどんな業務でAIが活躍しているんですか?

AIはすでに多くの企業で実用化されています。例えば、採用の初期段階では、大量の応募書類をAIが瞬時に解析し、企業の求めるスキルや経験を持つ人材を効率的に絞り込むことができます。これにより、人事担当者は書類選考にかかる時間を大幅に削減し、より戦略的な業務に注力できるようになります。また、AIチャットボットが候補者からの質問に24時間体制で自動応答することで、候補者の疑問を即座に解消し、採用体験の向上にも貢献しています。

書類選考は数が多いと大変そうですね。AI面接は少し聞いたことがありますが、その辺りはいかがですか?

そうですね。面接においてもAIの活用が進んでいます。AIが候補者の回答内容だけでなく、表情や声のトーンまで分析することで、潜在的な適性や性格特性を評価するといった試みも始まっています。
パフォーマンス管理の分野では、AIが従業員の過去のデータや行動パターンを分析し、将来の離職リスクを予測したり、個々の従業員に合わせた育成プランを提案したりすることも可能です。

なるほど、AIって本当に多才ですね!でも、なんだかちょっと複雑で、使いこなせるか不安に感じる人もいるかもしれませんね。「AIよ、私の代わりに優秀な人材を見つけてきて!」って、魔法のランプみたいにはいかないんでしょう?(笑)

確かに、AIに頼りすぎると、かえって手間が増えたり、思わぬ落とし穴にはまったりすることもあるかもしれませんね。何か、AIを活用する上での注意点や課題はありますか?

もちろん課題もあります。最も重要なのは、AIの判断におけるバイアス(偏り)の問題です。AIは過去のデータに基づいて学習するため、もしそのデータに性別や年齢、人種などに関する偏りが含まれていると、AIも同様の偏った判断をしてしまう可能性があります。例えば、過去に男性ばかり採用していた企業のデータでAIを学習させると、能力が同等であっても女性の応募者を不利に評価してしまう、といったケースが考えられます。

また、AIの判断プロセスがブラックボックス化してしまうことも懸念されます。AIがなぜその候補者を選んだのか、あるいは不採用にしたのか、その理由が明確に説明できない場合、候補者や従業員の不信感を招きかねません。透明性の確保は、AIを倫理的に活用する上で非常に重要なポイントです。

さらに、個人情報の保護も重要な課題です。AIは大量の個人データを扱うため、その管理体制をしっかりと構築し、情報漏洩のリスクを最小限に抑える必要がありますね。

結局、AIは万能ではないということですね。人間の目によるチェックや、倫理的な配慮が不可欠だと。

その通りです。まず、AIの導入目的を明確にし、期待する効果を具体的に設定することが重要です。そして、AIの選考基準や判断プロセスを透明化し、従業員や候補者に丁寧に説明することが信頼感につながります。
また、AIの導入後も、その効果や影響を定期的に評価し、必要に応じて改善を重ねていく姿勢が求められます。AIはあくまでツールであり、最終的な判断は人間の手で行うという原則を忘れてはなりません。

「雰囲気採用」の実態と、多様性への影響

続いてのニュースは、「雰囲気採用(VibeHiring)」という言葉です。

これは、候補者のスキルや経験だけでなく、企業文化との相性や面接官が感じる「フィーリング」を重視する採用手法のことなのですが、皆さんはどう思われますか?

雰囲気採用ですか…なんだか、ちょっと主観的な判断に偏りそうなイメージがありますね。スキルや実績が十分な人でも、「なんか違うな」という印象だけで不採用になってしまうこともあるんでしょうか?

実際、そういう懸念も指摘されています。米国のTextioという企業が行った調査によると、内定を得た候補者は、不採用になった候補者と比べて「性格が良い(greatpersonality)」と評価される可能性が12倍も高いことが明らかになったそうです。これは、スキルや経験といった客観的な要素よりも、面接官の主観的な印象が採用決定に大きく影響している可能性を示唆していますね。

12倍もですか!それはすごいですね。まるで第一印象だけで判断するようなものじゃないですか。ちょっと怖い気もしますね。

そうですね。特に問題視されているのが、この雰囲気採用が、採用における無意識のバイアスを助長する可能性があるという点です。面接官は、自分と似たようなバックグラウンドを持つ人や、話し方や態度が自分と似ている人に、無意識のうちに好感を抱きやすい傾向があります。このような「親近感バイアス」が働くと、多様な人材を見逃してしまうことになりかねません。
また、Textioの調査では、面接評価において、男性候補者は「冷静」「自信がある」と評価されることが多い一方、女性候補者は「陽気」「感じが良い」と評価される傾向があることも分かっています。これは、性別によるステレオタイプな見方が、採用判断に影響を与えている可能性を示唆しています。

それは由々しき事態ですね。多様な人材こそが企業の成長のエンジンになるはずなのに、雰囲気だけで判断してしまうのは、大きな損失になりそうです。

まさにその通りです。では、このような雰囲気採用によるバイアスの影響を減らし、より公平な採用を実現するためには、どのような対策を講じるべきだと思いますか?

まずは採用基準を明確にすることが大切ですよね。職務に必要なスキルや経験を具体的に定義し、すべての候補者を同じ基準で評価するように徹底する必要があると思います。

はい、その通りです。その他にも、いくつかの有効な対策があります。例えば、面接官を多様なメンバーで構成することで、多角的な視点を取り入れることができます。また、履歴書から氏名や性別などの個人情報を伏せてスクリーニングを行う「ブラインド採用」も、無意識のバイアスを減らす効果が期待できます。
さらに、構造化面接を導入し、すべての候補者に同じ質問をすることで、評価の公平性を高めることができます。面接官は、事前に設定された評価基準に基づいて、候補者の回答を客観的に評価するようにトレーニングを受けることも重要ですね。

大学部活への企業スポンサーシップ、採用への効果と倫理

最後に企業が大学の部活動やサークル活動をスポンサーする動きが広がっているというニュースです。

これも、新たな採用戦略の一つとして注目されているようですが、皆さんはどのように見ていますか?

大学の部活を企業がスポンサーする、というのは面白い試みですね。企業にとっては、若い世代への認知度向上や将来の採用につながる可能性があるということでしょうか?

その通りです。特にスポーツ系の部活動や、特定の専門分野に関連するサークルなどを企業が支援することで、企業は学生と早期に関わりを持ち、優秀な人材を確保するチャンスを広げることができます

体育会系出身の学生を積極的に採用している企業もありますしね。

そうですね。企業にとってのメリットは、学生が持つリーダーシップ、コミュニケーション能力、チームワークといった、企業が求める資質を間近で見極められる点です。また、企業のブランドイメージ向上にもつながりますし、学生に対して魅力的な企業としてアピールすることで、将来的な応募意欲を高める効果も期待できます。

大学時代に企業ロゴが入ったユニフォームを着てプレーできたら、学生のモチベーションも上がりそうですね!企業側も、将来有望な人材を囲い込める、と。まさにWin-Winの関係ですね!

確かにメリットは大きいと思いますが、一方で倫理的な観点から気になる点もあります。例えば、スポンサーになった企業に有利なように採用が行われたり、学生に過度なプレッシャーがかかったりするようなことはないのでしょうか?

鋭い指摘ですね。企業が大学の部活動をスポンサーする際には、倫理的な配慮が重要になるでしょうね。スポンサーシップは、学生の健全な育成を支援するものでなければならず、採用活動に直接的な見返りを求めるような形であってはなりません。
例えば、スポンサー企業が特定の学生に対して特別な待遇を与えたり、他の学生に対して不公平な扱いをしたりすることは避けるべきです。また、学生の意向を無視して、企業の広報活動への参加を強要するようなこともあってはなりません。

そうですよね。勉強や部活動の妨げになることは避けなければいけませんよね。

大学側もスポンサーシップに関する倫理規定を明確に定め、企業との間で適切な契約を結ぶことが重要ですね。スポンサー企業の活動が、大学の教育理念や学生の利益に反するものでないか、しっかりと監視する必要があります。

企業と大学が、お互いの立場を尊重し、健全なパートナーシップを築くことが大切ですね。

その通りです。倫理的なスポンサーシップを実現するためには、まずスポンサーシップの目的を明確にし、学生や大学に対して透明性を持って説明することが重要です。また、学生の自主的な活動を尊重し、彼らの学業やクラブ活動に支障がない範囲での協力関係を築くことが求められます。
長期的な視点に立ち、学生の成長を支援するような、社会貢献活動としての側面も意識することが大切でしょうね。

最後に

さて、今回も三つの興味深い人事・採用関連ニュースについて、それぞれの視点から深く掘り下げていただきました。最後に、今日の議論を振り返り、それぞれのニュースから得られた重要なポイントを改めて確認しておきましょう。

AIのHR活用は、効率化や新たな洞察をもたらす一方で、バイアスや倫理的な課題への慎重な対応が不可欠です。雰囲気採用は、多様性を阻害する可能性があり、客観的な評価基準に基づく採用プロセスを確立することが重要です。大学クラブへの企業スポンサーシップは、学生との早期接点を持つ有効な手段となり得ますが、倫理的な配慮を忘れず、学生と大学双方にとって有益な関係を築くことが求められます。

今回の議論を通して、最新のHRテクノロジーの可能性とリスク、そして採用における多様性の重要性を改めて認識しました。明日からの業務に活かしていきたいと思います!

今回は、AI、採用、そして大学との連携という、人事・採用担当者にとって重要なテーマについて、多角的に議論することができました。変化の激しい時代ですが、常に新しい情報にアンテナを張り、倫理的な視点を持ちながら、より良い採用活動を共に目指していきましょう。

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