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お役立ち情報
若葉が目にまぶしく、街にはフレッシュな顔があふれる季節となりました。
人事・採用担当者の皆様におかれましては、新入社員の受け入れや年度初めの業務で何かとご多忙のことと存じます。
採用ナレッジでは、そんな皆さまに役立つ情報をピックアップし、深掘りする「HR & 採用業界ニュース解説」を定期的にお届けしております。
今回は第3回目、前回に引き続き採用支援のベテラン内藤さんと、新人の田中さん、そして進行の小林の3人で、しっかり解説していきたいと思いますので、最後までお付き合いください。
採用に関するお悩み、ご相談ください!
採用におけるミスマッチ、採用費の高騰、採用した従業員の早期離職など、人材採用に関するお悩み・ご相談のある方はお気軽に内藤一水社までご連絡ください。採用業界のプロである私たちが丁寧にサポートします。
まずはこちらから無料相談新年度早々、少し重い話かもしれませんが、採用を取り巻く経済状況を理解する上で非常に重要なニュースです。東京商工リサーチの発表によると、2024年度の企業倒産件数が、11年ぶりに1万件を超え、1万144件に達したとのことです。これは前の年度と比較して、12%もの増加率なんです。
11年ぶり1万件超え…すごい数ですね。原因は何なのでしょうか?
主な要因として挙げられているのが、「人手不足」です。求人難や人件費の高騰など、人手不足が原因の倒産は、前年度の1.6倍となる309件にまで急増しています。中小・零細企業を中心に、人手不足が経営を圧迫している状況が浮き彫りになっていますね。
なるほど。人手不足が企業の存続を左右するほど深刻になっているのですね。他にも何か要因はありますか?
はい。人手不足以外にも、原材料価格の高騰といった物価高も影響しているようです。また、コロナ禍で導入された実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が始まったことも、一部の企業にとっては負担になっていると考えられます。ただ、ゼロゼロ融資を利用した企業の倒産件数自体は減少しているというデータもあります。これは、コロナ禍の支援策が終わり、物価高と人手不足という新たな課題が企業経営を苦しめている状況を示唆していると考えるべきでしょう。
複数の要因が重なっているんですね。人手不足がそんなに大きな影響を与えているとは、改めて驚きです。
単に人が足りないというだけでなく、採用難による人件費の高騰も中小企業にとっては大きな負担になっていると考えられます。限られた人材を巡って競争が激化し、結果として採用費用を含む人件費が上昇し、経営を圧迫するという悪循環に陥っている企業もあるのではないでしょうか。
建設業や製造業での倒産が増加しているというデータもありますね。これは何か特別な理由があるのでしょうか?
これらの業界は、もともと人手不足が深刻な傾向にありましたが、それに加えて、例えば建設業や運輸業では、時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」も影響している可能性があります。労働時間管理が厳格化される中で、必要な人員を確保できず、結果として事業継続が困難になるケースも考えられます。サービス業での倒産も多いようですが、こちらは人手不足に加え、物価高による消費者の節約志向なども影響しているかもしれません。
なるほど、業界によって状況が違うのですね。このニュースから、人事・採用担当者の皆さんが学ぶべきポイントは何でしょうか?
まず、この厳しい経済状況をしっかりと認識しておくことが重要です。採用活動においては、求職者側の企業選びもより慎重になる可能性があります。安定した経営基盤を持つ企業への志向が高まるかもしれません。また、既存社員の定着率向上は、ますます重要な課題となります。人手不足は今後も続くと予想されますので、採用だけでなく、いかに社員に長く活躍してもらうかを真剣に考える必要があるでしょう。
ええ、非常に興味深いですね。田中さんも、これは明日からの面接で役立つかもしれませんよ。記事によると、採用面接で絶対に落とすべき人、ワースト1は「『ありがとう』が言えない人」だそうです。
ええ!?そんな些細なことですか?スキルや経験よりも重要なんでしょうか?
記事に登場する中村洸登氏によると、5000人以上の学生と向き合い、多くの採用面接を行ってきた経験から、感謝の心を持てない人は入社後の成長もチームへの貢献も難しいと述べています。感謝とは、表面的な言葉だけでなく、本心から「ありがとう」と思えること、今の自分があることを当たり前だと思っていない人が重要だと。与えられた環境を「当たり前」ではなく「ありがたい」と感じる人は、「恩返ししよう」という気持ちが芽生え、それが大きな力を発揮し、入社後の定着率も高く、バイタリティがあり、周囲の仲間のためにも全力で仕事に向き合うことができると説明しています。
なるほど。感謝の気持ちは、単なる礼儀作法以上の意味を持つということですね。具体的には、面接のどのような点を見るべきなのでしょうか?
例えば、面接の冒頭で「今日は私のために時間を作ってくださってありがとうございます」と自然に言えるかどうか。これは、小さなことかもしれませんが、「小さいことでも感謝を忘れない人」だと判断する一つの基準になるようです。私も常々、面接に来てくれた方への感謝の気持ちを忘れずにいたいと思っています。たとえ不採用になったとしても、その人のために時間を使ったという意識を持ち、今後の就職活動に役立つようなフィードバックを心がけています。
確かに、言われてみれば、面接官の方に感謝の気持ちを伝えるのは当然のことかもしれません。でも、それがワースト1とは少し意外でした。
そうですよね。スキルや経験を重視するあまり、このような基本的な人間性を見落としてしまうこともあるかもしれません。ただ、別の記事では、「失敗を人のせいにする人」が絶対に採用してはいけないワースト1とされています。どちらも、組織で働く上で重要な要素を示唆していますね。感謝の気持ちを持てない人は、周りの協力や努力を当然と考え、成長の機会を逃してしまう可能性があります。また、責任転嫁をする人は、問題解決能力が低く、チームの足を引っ張る可能性もあります。
どちらの意見も、採用において非常に重要な視点を与えてくれますね。感謝の気持ちを持てない人を見抜くためには、他にどのような点に注意すれば良いでしょうか?
面接中の受け答えだけでなく、例えば、面接後のフォローメールの有無や内容なども参考になるかもしれません。感謝の気持ちがある人は、些細なことでも丁寧に感謝を伝えるはずです。逆に、終始一方的な要求ばかりをしたり、質問ばかりで感謝の言葉が全くなかったりするような場合は、注意が必要かもしれません。
ありがとうございます、内藤さん。面接をする機会があれば、スキルや経験だけでなく、感謝の気持ちを持っているかどうかも意識して見ていきたいと思います。
最後のニュースはこちら。
新入社員の早期離職という、人事担当者の皆さんにとって非常に頭の痛い問題を取り上げたニュースですね。
本当に、他人事ではありませんね。記事によると、新年度が始まったばかりの4月にもかかわらず、退職代行サービスに新入社員からの依頼が殺到しているとのことです。ある業者では、4月1日から7日までの1週間で、昨年の同時期のおよそ2倍となる113件の依頼があったそうです。
ええ!まだ入社して1週間ですよね?一体何があったのでしょうか?
依頼内容としては、「入社式で圧を感じた」「研修で圧を感じた」といった精神的な負担に関するものや、「入社前に聞いていた契約内容と違った」といった条件面のミスマッチが多いようです。いわゆる「配属ガチャ」と呼ばれる、希望しない部署への配属による不満も背景にあるようです。
入社前の期待と現実のギャップが、早期離職の大きな原因になっているのですね。
その通りです。企業側の採用活動において、良い面ばかりを強調しすぎると、入社後にギャップを感じやすくなってしまいます。また、最近の若い世代は、仕事に対する価値観も変化してきています。「仕事が全て」という価値観ではなく、「仕事は人生の一部」と捉える傾向が強く、ワークライフバランスや自己成長を重視する傾向があります。そのため、入社してすぐに理想と違うと感じると、早期に離職を検討するケースが増えているのかもしれません。
確かに、私の周りでも、仕事だけでなくプライベートも充実させたいという人が多いように感じます。
加えて、今の新卒は、売り手市場で就職活動を経験しているため、企業に対するエンゲージメントが低いという指摘もあります。もし入社した会社が合わないと感じれば、すぐに次の機会を探すという考えを持つ人も少なくないのかもしれません。とは言え、直接退職を申し出ることに抵抗があるため、退職代行サービスを利用するケースが増えているのでしょうね。
このような早期離職を防ぐために、企業はどのような対策を講じるべきでしょうか?
まずは、採用の段階で、仕事内容や企業文化について、良い面も悪い面も包み隠さず伝える「リアリスティックジョブプレビュー(RJP)」を徹底することが重要です。入社後のギャップを減らすことで、早期離職のリスクを低減できます。また、入社後のオンボーディングプログラムを充実させ、新入社員がスムーズに職場に馴染めるようにサポートすることも不可欠です。メンター制度を導入し、新入社員が気軽に相談できる環境を作ることも有効でしょう。
入社後のフォローアップ体制が重要なんですね。
その通りです。定期的な面談を通じて、新入社員の不安や不満を早期に把握し、適切な対応を行うことが大切です。また、キャリアパスを明確に示し、成長の機会を提供することで、モチベーションを維持することも重要です。
早期離職は、企業にとっても大きな損失ですから、これらの対策をしっかりと講じていく必要がありますね。
ええ。新入社員の早期離職の増加は、企業にとって、採用コストの増大だけでなく、組織全体の士気低下にも繋がりかねません。今回のニュースを真摯に受け止め、より良い採用と育成のあり方を模索していく必要があるでしょう。
3つのニュースを振り返って、人事・採用担当者の皆様に向けて、お二方からメッセージをお願いできますでしょうか。まずは内藤さん、お願いいたします。
今回は企業倒産の増加、面接におけるNG人材、そして新入社員の早期離職という、いずれも人事・採用担当者にとって非常に重要なテーマについて議論しました。企業倒産の増加は、厳しい経済状況を示唆しており、採用活動においても、より慎重な視点が求められます。面接においては、スキルや経験だけでなく、感謝の気持ちといった基本的な人間性を見抜くことの重要性を再認識しました。そして、新入社員の早期離職の増加は、働き方や価値観の変化に対応した、より丁寧な採用と育成の必要性を物語っています。これらの変化に対応していくことは決して容易ではありませんが、人事・採用担当者は、企業の成長を支える重要な役割を担っています。今回の議論が、皆様の今後の業務の一助となれば幸いです。
ベテランの内藤さんの話を聞くことで、新人である私にとって、非常に学びの多い時間となりました。特に、面接で感謝の気持ちを見ることの重要性や、新入社員の早期離職を防ぐための具体的な対策など、明日からの業務に活かせるヒントをたくさんいただきました。
今回の3つのニュースは、いずれも現代の採用・人事における重要な課題を示唆していました。企業を取り巻く経済状況、候補者の内面的な資質の見極め、そして変化する若者の価値観への対応。これらの課題に真摯に向き合い、柔軟に対応していくことが、これからの人事・採用担当者には求められるのではないでしょうか。
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採用におけるミスマッチ、採用費の高騰、採用した従業員の早期離職など、人材採用に関するお悩み・ご相談のある方はお気軽に内藤一水社までご連絡ください。採用業界のプロである私たちが丁寧にサポートします。
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