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2024.10.21最終更新日2024.10.21

採用活動におけるKPI設定について|手順やポイントを徹底解説

採用活動におけるKPI設定について|手順やポイントを徹底解説

採用活動の効果を最大化するために、KPIの設定は欠かせません。
KPIとは、「Key Performance Indicator=重要業績評価指標」の略で、最終目標(ゴール)までのプロセス・達成度合いを測るために設定する数値のことを指します。営業やマーケティングの分野で多く取り入れられていますが、人材獲得競争が激しくなっている近年では、採用活動においてもKPIを設定・活用する企業が増えてきています

そこで今回は、人材採用におけるKPIの設定の手順やポイント、注意点を解説していきたいと思います。効果的なKPIの設定方法とポイントを理解することで、採用活動の効率化と精度の向上につながります。

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採用活動におけるKPIとは?

先述したとおりKPIとは、最終目標までのプロセス・達成度合いを評価・測定するための重要な指標です。そして、採用活動におけるKPIは、企業が設定する目標に対してその進捗状況を可視化し、効果を評価するツールとなります。

それを踏まえ、まず以下について解説してまいります。

  • KPIとKGIの違い
  • 採用プロセスにおけるKPIの役割
  • 採用KPIとして設定する項目

それでは、詳しく見ていきましょう。

KPIとKGIの違い

まず、KPIと間違えられやすい指標としてKGI(Key Goal Indicator=重要目標達成指標)というものがあります。
言葉としても意味としても混同しやすいので、ここで一度整理しておきます。

KGI

最終目標(ゴール)を指します。
設定した目標が最終的に達成されたかどうかを示す指標です。
例えば、「いつまでに何人を採用する」という目標が達成されたかどうかを示すのがKGIということになります。

KPI

KGI(最終目標・ゴール)を達成するための過程を評価する指標を指します。
採用活動の各過程・プロセスにおける成果やパフォーマンスを数値化し、それ(=KPI)を見ながら戦略の改善や修正を行い、最終目標(=KGI)に向かっていくイメージです。
採用活動を例にすると、「応募数に対して書類選考通過数が少ないので、もう少しターゲットを明確にした募集を出してみよう」といった具合です。

採用プロセスにおけるKPIの役割

採用プロセスにおけるKPIは、進捗と成果を測定し、採用活動を効率化するために重要です。例えば、応募者数や面接通過率などのKPIを追踪することで、どの段階で問題が生じているかを特定しやすくなります。

適切なKPI設定は、採用プロセスの透明性と改善点の明確化に役立ちます。KPIを用いて進捗管理を行うことで、採用活動の現状をリアルタイムで把握し、必要な修正や改善を迅速に行うことが可能になり、最終的な目標達成に大きく貢献してくれます。

採用KPIとして設定する項目

採用KPIとして設定する項目は、目標達成に向けた進捗を測定するために欠かせません。

各企業の状況や採用課題にもよりますが、採用KPIとして設定する項目としては、以下のようなものが一般的です。

  • 応募者数
  • 書類選考通過数/率
  • 面接通過数/率
  • 内定数/率
  • 内定承諾数/率(内定辞退数/率)
  • 採用手法・採用メディアごとの費用対効果
  • 採用単価・コスト
  • 入社後の評価
  • 採用後の定着率(離職率)

これらの数値を設定し、定期的にモニタリングすることで、採用活動の現状を正確に把握することができます。また、内定がゴールではなく、入社した人材が定着・活躍してこそ採用成功という観点で、入社後の評価や定着率も設定することがポイントです。

適切なKPI項目を選定し進捗を可視化することで、目標達成までの道筋が明確になり、戦略的・効率的な採用活動が行えるでしょう。

採用KPIを設定する3つのメリット

採用活動においてKPIの設定は、効果的な人材採用を実現するために欠かせない手法です。採用KPIを設定することは、以下のようなメリットを生みます。

  • 進捗状況を可視化し共有できる
  • 客観的な判断で活動精度が向上する
  • 各担当者の役割と行動を明確化できる

それでは、一つずつ詳しく解説しますので、参考にしてみてください。

進捗状況を可視化し共有できる

KPIを設定することで、目標に対する現状が数値として明確になります。
これによりどの段階でどのような成果が上がっているか、あるいは課題が発生しているかが一目でわかるようになります。
状況を可視化することによって、チーム全体で情報を共有しやすくなり、担当者同士の連携が強化され、迅速な意思決定が可能になります。また、各メンバーが自身の役割やタスクを明確に把握できるため、全員が同じ目標に向かって効率的に動けるようになり、採用活動全体の質が向上します。

客観的な判断で活動精度が向上する

KPIの設定は、客観的な分析・判断を可能にし、採用活動の精度が向上します。
数値を見ることで、どこが課題なのか、どのプロセスが効果的だったのかなど、経験や直感に頼らずに客観的なデータに基づいた判断がが可能となります。
効果的なプロセスを参考にしながら、課題はこまめに素早く改善することで、活動精度も向上していくはずです。

各担当者の役割と行動を明確化できる

採用活動は、社内はもちろん、社外の協力業者・関係者も関わり、それぞれがそれぞれの役割を果たします。
ただし、プロセスとその担当者が増えれば、その分、状況の把握や管理も煩雑になってきます。
KPIの設定は、各担当者の役割・責任を明確化し、KPI達成に向けて各々がどう行動すればいいか、自主的な判断の助けにもなります。
さらには、各プロセスの数値化は、各担当者を正当に評価する材料にもなり得るでしょう。

【4ステップ】採用KPI設定の手順

採用活動におけるKPIを設定する際は、以下の4ステップで行うといいでしょう。

  1. KGIの設定
  2. 採用・選考フローの明確化
  3. 歩留まり率の設定
  4. KPIの設定

各ステップを順に実行し、採用活動の精度と効率を向上させましょう。

STEP1/KGIの設定

まずは、採用活動の最終目標・ゴールであるKGIを設定します。
明確な目標がなければ、その達成に向けた具体的な計画や戦略を立てることが難しくなります。各企業の状況により多少異なる部分はありますが、主な例として以下の点を決めておくといいでしょう。

  • 期間/いつまでに
  • 人数/何人採用するのか
  • 人材の質/どんな人(経験・スキル・人柄など)を採用するのか
  • 予算/上記の達成にいくらまでかけられるのか

KGIを明確に設定することで、採用活動全体の指針が定まります。次のステップ以降で具体的な施策を検討するにあたって絶対に欠かせない重要なステップとなります。

STEP2/採用・選考フローの明確化

次に、上記KGIを採用手法・チャネルごとに分けて設定し、採用・選考フローも明確にしていきます。
主な例としては以下のとおり。

採用手法・チャネル 期間 人数 予算 採用フロー
求人広告サイト 3ヶ月以内 5名 200万円 ▼応募
▼書類選考
▼面接(2回)
▼内定
人材紹介 5か月以内 2名 150万円 ▼紹介
▼書類選考
▼面接(2回)
▼内定
合同説明会 2ヶ月以内 3名 50万円 ▼説明会
▼書類選考
兼一次面接
▼二次面接
▼内定
自社HP 1年以内 1名 0円 ▼応募
▼書類選考
▼面接(2回)
▼内定

STEP3/歩留まり率の設定

採用選考の歩留まり率とは、採用プロセスの各段階において、次のステップに進んだ候補者の割合を示す指標です。たとえば、書類選考から面接に進んだ応募者や、最終面接から内定に至った人数の割合を計測します。
選考通過数÷選考対象者×100で算出できます。

(歩留まり率の例)
▼応募20人
 |― 書類選考通過率50%
▼面接10人
 |― 面接通過率30%
▼内定3名
 |― 内定承諾率67%
▼内定承諾2名

こちらも各採用手法・チャネルごとに、歩留まり率の目標を設定します。
採用条件等は企業ごとに違ってくるものですので、基本的には前年の実績を参考に設定するといいかと思いますが、実績がない場合はコンサルティング会社や人材サービス会社に相談してもいいでしょう。

(歩留まり率目標の設定例)
求人広告サイト
▼書類選考通過率:50%
▼一次面接通過率:50%
▼内定率:60%
▼内定承諾率:50%

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STEP4/KPIの設定

最後に、KPIの設定です。
STEP2の採用フローと採用目標人数に、STEP3で設定した歩留まり率目標を当てはめながら、各選考フローの目標人数をKPIとして設定していきます。

(求人広告サイトから5名採用する場合のKPI設定例)
内定承諾数(採用数):5名
 |― 内定承諾率/目標50%
内定者数:10名
 |― 内定率/目標60%
一次面接通過者(二次面接受験者):17名
 |― 一次面接通過率/目標50%
書類選考通過者(一次面接受験者):34名
 |― 書類選考通過率/目標50%
応募者数:68名

各採用手法・チャネルでも同様に、上記のように、KPIを設定していきます。
その数字と照らし合わせながら、日々採用活動を進めていくことで、進捗や現状、課題なども把握しやすくなるはずです。

採用KPI運用時のポイントと注意点

KPIは設定したら終わりではなく、効果的に運用できてこそ意味を成します。

その際のポイント・注意点は以下のとおり。

  • 無理のない数値を設定する
  • 最新の数値を認識しながら運用する
  • 課題は素早く解決する

それでは詳しく解説していきます。

無理のない数値を設定する

目標の設定は期限・数値が肝になりますが、それがあまりにも現実離れしていて、絶対に達成が不可能なものでは意味がありません。
採用担当メンバーのモチベーションにも関わってきますので、KGI・KPIはともに、根拠に基づいて、無理のない範囲で設定しましょう。

最新の数値を認識しながら運用する

状況が変化すれば、数値も変化します。
特に採用活動においては、スピードが重要な場面も多々あります。

例えば、求人サイトの閲覧数や応募数といった採用活動のデータは日々変動します。このデータをリアルタイムでモニターし、応募数が減少している場合には、すぐに求人広告の内容を修正したり、別の媒体に広告を出稿するなどの対策を講じることができます。最新のデータをもとにした運用が、最適な成果を生み出す鍵となるのです。

常に最新の実績とその数値を認識し、KPIと照らし合わせながら運用していきましょう。
そうすることで、KPIと現状の数値に大きな開きがあるなど、課題がある場合も素早く、的確に対処できるはずです。

課題は素早く解決する

上記でも触れているように、設定したKPIと現状の数値に大きな開きがある場合、何か課題・問題があることが考えられます。

そんな時には、原因を特定し、素早く対処しましょう。

具体的には

  • 面接通過率が悪い ⇒ 選考基準が厳しくないか?面接官ごとの基準は統一されているか?
  • 内定承諾率が悪い ⇒ 自社の魅力は伝わっているか?内定通知後のフォローは充分か?

など、各プロセスにおいて原因を推測し、すぐに改善策を考え、実行していきましょう。
トライアンドエラーでもかまわないので、PDCAを回しながら、より良い採用活動を目指すことが大切です。

【まとめ】採用KPIを活用し採用活動の成果を最大化

採用活動におけるKPI設定の手順、そしてその重要性はご理解いただけましたか?
採用KPIは、採用活動の進捗状況を可視化し、各担当者の役割を明確にするために役立ちます。また、進捗状況を基にした客観的な判断により、採用活動の精度を向上させることができます。

属人的で肌感覚のみに頼った採用活動は、客観性に乏しく、様々な偏り・歪みが生じてしまいます。数値で状況を正確に把握し、課題発生時に的確に対処するためにも、ぜひ採用KPIを設定してみてはいかがでしょうか。KPIの導入と運用を通じて得られるデータを活用し、長期的な採用戦略を構築していくことを目指しましょう。

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