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2025.03.12最終更新日2025.03.12

危険信号を見逃すな!従業員の退職サインに早期に気づき、離職を防ぐ対策とは?

危険信号を見逃すな!従業員の退職サインに早期に気づき、離職を防ぐ対策とは?

優秀な人材の流出に頭を悩ませている企業は多いのではないでしょうか。
近年、日本では深刻な人手不足が続いており、さらなる労働力不足に陥らないためにも、企業では退職・離職防止に向けて具体的な対策を講じる必要があります。

そこで注目したいのが、退職を考えている社員が見せる行動や態度の変化“退職サイン”です。離職を未然に防ぐためには、退職サインを見逃さず、適切に対応することが重要です。

本記事では、退職サインの基本知識や早期発見の方法、従業員の退職サインを早期に察知し、離職を防ぐための具体的な対策を解説します。

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従業員が発する「退職サイン」とは?<4つの退職サインと具体例>

まずは退職を考えている社員の日常の行動変化や心理状態から読み取る退職サインについて4点をご紹介します。

  • パフォーマンスや仕事への意欲の変化
  • コミュニケーションの変化
  • 職場内での非言語的なサイン
  • 心理的サイン

サイン発見時の注意点は、退職をすぐに決めつけるのではなく、個人的な背景も考慮しつつ、会社として従業員に配慮をすることです。それでは、退職サインの具体例を以下で詳しく解説します。

パフォーマンスや仕事への意欲の変化

退職を検討している社員は、かつて情熱をもって取り組んでいた業務に対して、徐々に興味を失い始める傾向があります。その結果、日常の業務に対する意欲が低下し、新しいスキルの習得や業務改善に対しても「努力しても意味がない」と感じるようになり、消極的な態度が顕著になります。

<具体例>

  • 短期間でパフォーマンスが急激に低下する
  • これまではあまり見られなかったエラーや細かいミスが増加する
  • 新しい業務やプロジェクトに対して前向きな取り組みが見られなくなる
  • 自主的な行動や改善提案が減少する
  • 全体的なモチベーションの低下が明らかになる

このような変化は、社員が今後のキャリアや職場環境に疑問を抱いているサインです。状況に応じた早期の対策やフォローアップを実施することで、離職を未然に防ぐことができるかもしれません。

コミュニケーションの変化

退職を検討している社員は、現在の職場での人間関係に対する関心が薄れていく傾向があります。すでに退職を意識しているため、上司や同僚とのコミュニケーションに対するモチベーションが低下し、必要以上の交流を避けるようになることが多いです。

さらに、もし現状の人間関係自体が離職を考える原因である場合は、心理的に周囲との距離を取り、自分自身を守るためにコミュニケーションを最小限に抑える傾向が強まります。

<具体例>

  • 会議や打ち合わせでの発言回数が減り、意見を述べる場面が極端に少なくなる
  • チーム内での情報共有や連絡の頻度が低下し、必要最低限のコミュニケーションに留まる
  • 雑談やカジュアルな会話を避け、業務連絡のみで済ませようとする傾向が見られる
  • メールやチャットの返信が遅くなり、返答内容が簡潔または無機質になる
  • 普段の表情や態度が硬くなり、笑顔やリラックスした様子が見られなくなる
  • ランチ会や飲み会、社内イベントへの参加を控え、積極的に集まりから離れる

このようなコミュニケーションの変化は、社員が職場への帰属意識を失いつつあるサインとも捉えることができます。早期に状況を把握し、適切なフォローアップが必要です。

職場内での非言語的なサイン

転職活動を並行して行う社員は、言葉ではなく行動で退職意欲を示す非言語的なサインが見受けられることがあります。

例えば、有給休暇を積極的に利用して職場から距離を置くなど、日常の勤務態度に変化が現れる場合があります。これらの行動は、現状の業務に対する関心の低下や、職場環境から自らを守ろうとする心理の現れともいえます。

<具体例>

  • 遅刻・早退、欠勤の増加
  • 急な休暇取得の頻発
  • デスク離れの頻度の増加
  • 会議や社内集会への出席率の低下
  • 勤務中の私的な行動の増加

このような非言語的なサインは、社員が既に転職活動を進めている可能性や今後のキャリアに対する不安を抱いている兆候として、早期のフォローアップや環境改善の必要性を示しています。

心理的サイン

退職を検討している社員は、会社の将来性や自らのキャリアに対する不安から心の安定が揺らいでくることが多いです。こうした心理的サインは、業務に対する情熱の低下や自己評価の低下など、内面で抱える疑念やストレスとして表れます。社員自身が自分の能力や今後の展望に疑問を持つことで、日常の態度や言動に顕著な変化が生じ、これが退職の前兆となる場合があります。

<具体例>

  • 無気力・無関心な態度:かつては意欲的に取り組んでいた業務に対して、突然興味を失い、どこか遠くを見つめるような無気力な様子が見受けられる。
  • ストレスや不安の表出:業務中の会話や行動に、内面的なストレスや不安がはっきりと現れ、緊張感や不安定な雰囲気を醸し出す。
  • 自己評価の低下:自分の成果や能力に対する自信が薄れ、成功体験を軽視する傾向が強まる。
  • 将来に対する不安表現:将来のキャリアや職場の安定性について、否定的な意見や懸念を口にすることが増える。
  • 情緒の不安定さ:感情の浮き沈みが激しくなり、些細な出来事にも過剰に反応するなど、心のバランスが崩れている様子が見られる。

このような心理的サインは、社員が自らの将来に対して不安を抱いている明確なサインと言えるため、早期の対応や環境改善が求められます。

「退職サイン」に早期に気づくための3つの方法

具体的な退職サインを押さえたところで、退職サインを早期発見するための方法を確認しましょう。具体的には、以下の3つの方法になります。

  • 日常的なコミュニケーションの質と量を高める
  • 変化に気づける仕組みを導入する
  • 管理職の「観察力」と「傾聴力」の強化

それぞれについて、詳しく解説します。

日常的なコミュニケーションの質と量を高める

社員の退職意思の有無にかかわらず、日常的に社内でコミュニケーションを活発に行うことは、組織全体の活力を維持する上で非常に重要です。コミュニケーションの質と量を高めることにより、社員同士が互いに信頼を築き、オープンな対話が促進されます。例えば、普段からカジュアルな会話を交わすことで、業務の悩みや将来の不安といった本音が自然に引き出され、退職サインの早期発見につながります。

このような対話の基盤を支えるのが「心理的安全性」です。心理的安全性とは、誰に何を言っても、どのような指摘をしても、拒絶されることがなく、罰せられる心配もない状態を意味します。この状態が確保されると、社員は自分の内面を正直に共有しやすくなり、普段は表に出さない不安や不満もオープンに話すようになります。その結果、マネジメント層は些細な変化にも気づきやすくなり、適切なサポートやフィードバックを行うことが可能となります。

具体的な取り組みとしては、ランチミーティングや1on1ミーティングの実施が挙げられます。これらの対面の機会を通じて、上司や同僚が社員一人ひとりに向き合い、日常の業務だけでなく、心の状態やモチベーションの変動を把握することができます。さらに、定期的なフォローアップやフィードバックの機会を設けることで、問題の兆候が早期にキャッチされ対策が講じやすくなります。

このように、コミュニケーションの質と量の向上は、社員の退職サインを早期に察知するための重要な基盤となり、組織全体のエンゲージメントとパフォーマンス向上にも直結します。

変化に気づける仕組みを導入する

従業員の勤務態度だけでなく、従業員の現況を数値化・可視化することで、退職サインを読み取る方法もあります。具体的には、以下の4つの方法が考えられます。

勤怠データ・業務評価の分析
残業時間や有給休暇の取得状況、業務評価といった基本的なデータを定期的にモニタリングし、従業員のパフォーマンスや働き方の急激な変化を捉えます。例えば、これまでの傾向と比べて残業時間が急減または急増している場合、業務に対する意欲の低下や逆に負荷過多の兆候が見られるかもしれません。
従業員エンゲージメントの測定
アンケート調査やエンゲージメント測定ツールなどを通じて、従業員と会社とのつながりの強さや、仕事に対する満足度を数値化します。定期的な調査により、エンゲージメントスコアの変動を追い、職場環境やマネジメントに改善が必要なポイントを早期に特定することが可能です。
パルスサーベイの活用
パルスサーベイとは、従業員の満足度やエンゲージメントを短期間に繰り返し調査する意識調査です。パルスサーベイを活用することで、従業員の気持ちや心の健康状態をリアルタイムに把握します。パルスサーベイは実施頻度が高いため、細かい感情の変化や不満の蓄積に素早く気づく手段として有効です。
離職防止ツールの活用
専用のツールを導入し、定期的に従業員にフリーコメント形式で質問を投げかけることで、個々の不安や不満、離職の兆候を詳細に収集・分析します。こうしたフィードバックを活用することで、個別のケースに対するきめ細やかな対応策を講じることができます。

これらの仕組みを用いて、数値データの推移や変化を定期的(例:月1回、半年ごと)にチェックすることで、従業員の心理状態や働き方の変動を迅速にキャッチでき、退職サインに対する早期対応が可能になります。結果として、組織全体のエンゲージメント向上と離職防止につながるのです。

管理職の「観察力」と「傾聴力」の強化

管理職の「観察力」と「傾聴力」を強化することは、部下が抱える悩みや微妙な退職サインに早期に気づくために非常に重要です。管理職自身が常に部下に寄り添い、日々の業務やコミュニケーションの中で細かな変化を見逃さないためには、専門的な知識やスキルの習得が求められます。

例えば、部下がどんな小さな不安やストレスを感じているのかを敏感に察知するためには、普段からの観察力が不可欠です。同時に、部下の本音を引き出すためには、ただ聞くだけでなく、共感し、安心して話せる環境を作り出す「傾聴力」が必要です。これらのスキルは、管理職自身が研鑽を積むことで向上させることができ、その結果、部下との信頼関係がより深まり、退職サインをいち早くキャッチできるようになります。

そのための具体的な取り組みとして、以下の研修の実施をおすすめします。

  • 離職サインを早期発見するための研修・ウェビナー
    この研修では、退職サインの種類や早期発見のポイント、部下との効果的なコミュニケーション方法、そして初期対応策について学びます。理論と実践を組み合わせた内容で、現場で直面する課題に対する具体的な解決策を身につけることができます。
  • 傾聴スキル・コーチングスキル向上研修
    このプログラムでは、部下の話を注意深く聞き、相手の本音や真意を引き出すための傾聴スキルを徹底的に磨きます。さらに、効果的なコーチング手法を習得することで部下が自身の課題や不安を安心して共有できる環境作りに貢献します。

こうした管理職研修を通じて、観察力と傾聴力を体系的に向上させることで、早期に退職サインを捉え、部下への適切なサポートや対応策を講じることが可能となります。

「退職サイン」に気づいたら行うべき3つの初期対策

退職の意思を固めた社員を引き止めるのは難しいですが、離職のサイン・前兆に気づき、上手に対応すれば、離職防止できる可能性が高まります。初期対応としては以下の3つが挙げられます。

  • 事実確認と状況把握
  • 原因の特定と課題の明確化
  • 対策の実行とフォローアップ

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

ステップ1:事実確認と状況把握

退職サインに気づいた時点で、まずは迅速に本人と対話を行い、現状の正確な把握を目指すことが重要です。面談では、単に引き止めることを目的とせず、社員が退職を考える背景や理由を率直に話してもらう環境作りに注力しましょう。具体的には、以下のポイントを押さえると良いでしょう。

傾聴の姿勢を徹底する
相手の意見や感情を否定せず、しっかりと耳を傾けることで、社員が抱える不満や不安を安心して語れる雰囲気を作ります。
リラックスできる面談環境の整備
場所や時間帯を工夫し、社員が心を開きやすい状況を整えることが大切です。
周囲からの客観的情報収集
もし本人が本音を話しにくい場合は、同僚やチームメンバーへの聞き取りも並行して行い、全体の状況を客観的に把握するアプローチを取り入れましょう。
確認とフィードバック
集めた情報をもとに、再度本人に確認を行い、誤解や認識のズレがないかをチェックすることが、今後の対応策の基盤となります。

ステップ2:原因の特定と課題の明確化

状況把握が完了したら、次に退職の要因を多角的に分析し、具体的な課題を明確にするフェーズに進みます。ここでは以下の流れでアクションプランの策定を行います。

1、原因の特定
  • 多角的な視点での分析
    給与・待遇、人間関係、仕事内容、キャリアパス、ワークライフバランスなど、さまざまな要素に着目して原因を探ります。
  • 個別と組織全体の両面から検討
    個人の問題だけでなく、組織体制や企業文化が影響している可能性も考慮し、問題の根源に迫ります。
2、アクションプランを検討
  • 改善策の多様性
    部署異動、業務内容の見直し、労働条件の改善、さらにはキャリアアップやスキル研修の機会提供など、課題に合わせた対策案を検討します。
  • 社員の意向の反映
    可能な限り、社員自身の希望や要望を取り入れたプランニングを行い、納得感のある解決策を模索します。
3、アクションプランの決定
  • 具体性と実行可能性
    複数の案から実行可能なものを選定し、明確なタイムラインや担当者を設定して、プランの実効性を高めます。
  • 透明なコミュニケーション
    決定した対策内容を社員にしっかり伝えることで、信頼関係の構築と今後の協力体制を整えます。

ステップ3:対策の実行とフォローアップ

決定したアクションプランは、迅速かつ効果的に実行に移すことが求められます。その際、関係部署との連携を密にし、計画がスムーズに進行するよう努めましょう。また、対策実施後も継続的なフォローアップが不可欠です。

迅速な実行
社員の意向を尊重しつつ、決定したプランを迅速に実行するために、関連部署や担当者との連携を強化します。
定期的なフォローアップ面談
アクションプラン実施後は、定期的な面談を通じて社員の状況変化を確認し、効果検証や追加支援の必要性を早期に見極めます。
効果検証と柔軟な対応
面談内容や業務状況の変化をもとに、プランの効果を評価し、必要に応じてプランの修正や新たな施策の導入を検討します。
組織全体への視点
個別の対策だけでなく、根本的な問題が組織全体に起因する場合は、人事制度や組織体制の見直しも視野に入れ、必要に応じて外部の専門家やコンサルティングの支援を活用することも検討しましょう。

これらの初期対策を体系的に実施することで、退職サインに迅速に対応し、社員の不安を解消すると同時に、組織全体のエンゲージメント向上と離職防止に大きく貢献できるでしょう。

まとめ

この記事では従業員が退職を検討する前兆として現れるサイン、それに気づくための方法、そして早期対応策について詳しく解説しました。

従業員の退職は、突然の出来事ではなく、事前に何かしらのサインを発している場合がほとんどです。そのため、小さな兆候を見逃さずに気づくことが大切です。日頃から心理的な距離を縮め、働きやすい環境を整えることを意識しましょう。

社員から「退職したい」と言われる前に手を打つことが、優秀な人材の定着と企業の成長につながります。

退職サインにどうすれば気付ける?

退職サインに気付くための仕組みづくりや気付いた後の対応にお悩みの方。内藤一水社では90年以上にわたる人材採用支援に加え、離職防止に関するサポートも承っています。

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