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2025.03.24最終更新日2025.03.24

ビルメン業界未経験を採用する?しない?|裾野を広げる採用戦略と育成・定着のポイント

ビルメン業界未経験を採用する?しない?|裾野を広げる採用戦略と育成・定着のポイント

近年、都市部の再開発や建物のインテリジェント化が進む一方で、ビルメン(施工管理)業界は深刻な人材不足と高齢化という人的課題に直面しています。熟練技術者の退職が進む中、若手人材の確保は急務であり、業界全体として採用戦略の見直しが求められています。特に、経験者採用市場の競争激化と採用コストの高騰から、未経験者採用への関心が高まっています。

しかし、「未経験者を採用しても本当に戦力になるの?」「育成に時間やコストがかかるのでは?」といった不安の声も少なくありません。

本記事では、このような背景の中で、ビルメン業界における未経験者採用の可能性と、採用戦略の裾野を広げるための実践的なヒントについて解説します。未経験者採用のメリット・デメリットを徹底比較し、育成プログラムの構築、定着のためのフォローアップ施策まで、人事・採用担当者の皆様がすぐに実践できる内容となっています。未経験者採用を成功させ、人材不足解消と組織の活性化を実現するためのヒントを本記事から掴んでください。

未経験採用から定着まで幅広く支援

内藤一水社は長年にわたりビルメン業界の採用活動を支援してきました。未経験者採用の戦略から採用後の定着支援まで幅広くサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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目次

なぜ今、ビルメン業界で未経験者採用が重要なのか?

ビルメン(施工管理)業界は、人々の安心・安全な生活や社会インフラを支える重要な役割を担っていますが、近年、深刻な人材不足に直面しています。少子高齢化による労働人口の減少に加え、業界特有の課題も複合的に絡み合い、人材確保は喫緊の課題となっています。

ここでは未経験者採用が重要となる背景を以下の3つの側面から解説します。

  • 深刻化するビルメン業界の人手不足
  • 経験者採用の限界とコスト増
  • 未経験者採用の必要性

それぞれ詳しく見ていきましょう。

深刻化するビルメン業界の人手不足

昨今、ビルメン(施工管理)業界は、データからも明らかな通り深刻な人手不足に直面しています。

帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)」によると、「メンテナンス・警備・検査」の正社員の人手不足割合は66.5%でした。前年(2025年1月)の68.4%と比較すると若干改善傾向にあるものの、依然として高水準で推移しているのが分かります。

人材不足の理由の一つに、高齢化による退職者の増加が挙げられます。長年業界を支えてきた熟練技術者が定年退職を迎えるのに対して、その技術やノウハウを継承する若手人材が不足しているのが実情です。若手人材の不足は、ビルメンの仕事内容に対する認知度の低さや体力的な負担があるイメージ、キャリアパスの不明確さなど原因になっていると考えられます。

人手不足は、現場に様々な影響を及ぼします。一人当たりの業務負担が増加し、長時間労働や休暇取得の困難化に繋がる可能性があります。その結果、サービスの質の低下を招き、顧客満足度の低下、ひいては企業の信頼失墜にもつながりかねません。また、これらの悪循環が更なる人材不足を招く原因になることも懸念されます。

経験者採用の限界とコスト増

人材不足を解消するために、多くのビルメン企業が経験者採用に力を入れています。しかし、経験者採用市場は競争が激化しており、採用難易度は年々上昇しています。特に、即戦力となる優秀な人材は引く手あまたで、知名度や採用力の劣る中小企業にとっては採用が非常に困難な状況となっています。

また、経験者採用は採用コストの増加にもつながります。求人広告の掲載費用に加え、人材紹介会社を利用する場合は高額な紹介手数料が発生します。経験豊富な人材には、高い給与水準を提示する必要もあり、人件費も高騰する傾向にあります。

このように経験者採用には限界があり、コストも嵩むため、経験者採用のみに頼っていては、人材確保の安定化は難しいと言わざるを得ない状況です。

未経験者採用の必要性

深刻な人材不足と経験者採用の限界を踏まえると、未経験者採用は人材不足解消の有効な手段としてその重要性を増しています。
未経験者採用は、若年層や異業種からの人材を受け入れることで、既存の枠にとらわれない人材の獲得が期待できます。特に異業種からの転職者は、これまでの経験で培ったスキルや知識をビルメン業界に持ち込み、組織の活性化に貢献してくれる可能性を秘めています。

未経験者の育成には時間とコストがかかりますが、長期的な視点で見れば、企業文化や技術を継承していく上で不可欠な投資と言えるでしょう。経験豊富なベテラン社員が持つ知識や技術を、未経験の若手社員に丁寧に教え込むことで、組織全体の技術力向上につながり、持続的な成長を支えることができます。

また、経験やスキル偏重の採用手法から脱却し、意欲や人柄、潜在能力に注目したポテンシャル採用へとシフトすることで、企業は変化する市場環境に柔軟に対応し、持続可能な成長を実現するための基盤を整えることができるのです。
未経験者採用は、決して消極的な選択肢ではなく、人材不足を克服し、組織を活性化させるための戦略的な一手と言えるでしょう。

未経験者採用のメリットとデメリットを徹底比較

未経験者採用をより具体的に検討するために、そのメリットとデメリットを理解しておく必要があります。未経験者採用は、企業にとってどのような利点をもたらし、どのような点に注意すべきなのか具体的に見ていきましょう。

未経験者採用がもたらす5つのメリット

未経験者採用には、人材不足の解消だけでなく、組織の活性化や企業文化の醸成など、多岐にわたるメリットが期待できます。ここでは、特に重要な5つのメリットについて解説します。

若手人材の確保と組織の年齢構成の適正化

ビルメン業界は高齢化が深刻な課題であり、若手人材の確保は急務です。未経験者採用は、組織の若返りを実現する有効な手段となります。若年層を採用することで、年齢構成のバランスが改善され、長期的な人材育成が可能になります。

若手人材は、新しい技術や知識の吸収が早く、将来の幹部候補として育成することも期待できます。また、ベテラン社員にとっては、若手の育成を通じて自身のスキルや経験を再確認し、組織への貢献意欲を高める機会になるでしょう。

新しい視点と柔軟な発想の導入

経験豊富な人材は、即戦力として期待できますが、既存の枠組みにとらわれ、新しい発想が生まれにくいという側面も持ち合わせています。一方、未経験者は、業界の慣習や固定観念に縛られていないため、既存社員にはない斬新な視点や柔軟な発想をもたらしてくれる可能性があります。

異業種で培った経験や知識は、ビルメン業界に新たな風を吹き込み、業務改善や効率化につながるアイデアを生み出すかもしれません。特に流れが速い今の時代、変化への対応力や柔軟性は組織にとって不可欠な要素と言えるでしょう。

企業文化への順応性の高さ

経験者採用の場合、前職の企業文化が染み付いているため、新しい企業文化への順応に時間がかかることがあります。しかし、未経験者は、まっさらな状態で入社するため、自社の企業文化をスムーズに浸透させることができます。

素直で吸収力が高く、育成しやすいという点も未経験者の大きなメリットです。企業の理念や価値観、行動規範などを、初期段階からしっかりと教育することで、企業文化を深く理解し、体現する人材を育成することができます。

採用コストの抑制

経験者採用は、求人広告費や人材紹介手数料、高額な人件費など、採用コストが嵩む傾向にあります。一方、未経験者採用は、経験者採用に比べて採用コストを抑えられる傾向にあります。

未経験者採用は、対象となるターゲットが広いため、経験者が応募してくるまで何度も求人広告の掲載を繰り返すようなケースは少ないため広告費用を抑えたり、人材紹介会社への依存度を下げたりすることができます。また、未経験者の給与水準は、経験者に比べて低めに設定されることが一般的です。

ただし、未経験者育成には、教育・研修コストがかかる点は理解しておきましょう。しかし、長期的な視点で見ると、育成コストを含めても、経験者採用よりもトータルコストが抑えられる場合もあります。特に自社で育成ノウハウを蓄積し、効率的な育成プログラムを構築できれば、未経験者採用のコストメリットはさらに大きくなるでしょう。

多様性の促進と組織の活性化

未経験者採用は、異業種や多様なバックグラウンドを持つ人材を受け入れる絶好の機会です。年齢、性別、価値観など、多様な人材が集まることで組織全体の多様性が向上し、イノベーションが生まれやすい環境が醸成されます。

多様な視点や発想が融合することで、問題解決能力や創造性が高まり、組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。また、多様な人材が活躍できる組織は、社会的な魅力も高まり、企業イメージ向上にも貢献するでしょう。

未経験者採用で考慮すべき3つのデメリット

未経験者採用には多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットも存在します。ここでは、特に注意すべき3つのデメリットとその対策について解説します。

教育・研修コストと時間の投資

未経験者を採用する場合、ビルメンの専門知識やスキルをゼロから教える必要があります。そのため、教育・研修コストは、経験者採用に比べて高くなる傾向があります。研修プログラムの開発、外部研修の費用、OJTトレーナーの人件費など、様々なコストが発生します。

また、未経験者が一人前に成長するまでには時間もかかります。座学研修だけでなく、OJTによる実践的な指導も必要となり、育成期間は長期にわたることを覚悟しなければなりません。しかし、教育・研修は、将来への投資であると捉え、長期的な視点で人材育成に取り組むことが重要です。

対策
体系的な研修プログラムの構築、eラーニングなどの導入による効率化、OJTトレーナーの育成、資格取得支援制度の活用など、様々な工夫で教育・研修コストを最適化することが可能です。

一人前になるまでの育成期間

未経験者は、入社後すぐに即戦力として活躍することは期待できません。一人前になるまでには一定の育成期間が必要です。育成期間中は、先輩社員による指導やフォローが必要となり、周囲の業務負荷が増加する可能性もあります。

また、育成期間中に、未経験者が業務内容や職場環境にミスマッチを感じ、早期離職してしまうリスクも考慮しなければなりません。育成期間中は、未経験者の成長を丁寧にサポートし、不安や疑問を解消できるようなきめ細やかなフォローが求められます。

対策
入社前の職場見学や体験入社、配属前の丁寧なオリエンテーション、メンター制度の導入、定期的な面談の実施など、未経験者が安心して業務に取り組めるような環境を整備することが重要です。

早期離職のリスクや定着支援の必要性

未経験者は、ビルメン業界の仕事内容や職場環境について、入社前に実情を理解していない場合があります。そのため、入社後に「こんなはずではなかった」と感じ、早期離職につながるリスクも否定できません。特にビルメン業界特有の体力的な負担や夜間勤務、緊急対応などは、未経験者にとってギャップを感じやすいポイントと言えるでしょう。

早期離職は、採用コストや育成コストの無駄になるだけでなく、組織全体の士気低下にも繋がりかねません。未経験者の定着率向上のためには、入社後の丁寧なフォローアップとキャリア支援が不可欠です。

対策
入社前の情報開示の徹底、 RJB(realistic job preview)の実施、入社後のキャリアパスの提示、定期的なキャリア面談、エンゲージメントを高める施策の実施など、未経験者が長く安心して働けるような定着支援策を講じることが重要です。

未経験者採用のための採用戦略

ここでは、実際に未経験者採用を成功させるための具体的な採用戦略を3つのステップに分けて解説します。

  • 明確な採用ターゲットの設定
  • 効果的な募集方法の選定
  • 適切な選考方法の実施

明確な採用ターゲットの設定

未経験者採用を成功させるためには、まず「どのような未経験者を採用したいのか」というターゲット像を明確にすることが重要です。ターゲットが不明確なまま採用活動を行っても、効果的な応募は期待できません。

求める人物像の具体化(スキル、ポテンシャル、価値観)

採用ターゲットを設定する上で、まず「求める人物像」を具体的にする必要があります。経験やスキルは不問とする未経験者採用においては、ポテンシャルや人柄、価値観がより重要になります。

スキル
入社時点で専門知識や経験は求めませんが、ビルメン業務に必要な基本的な適性は考慮する必要があります。例えば、体力、几帳面さ、責任感、安全意識などは、ビルメン業務を行う上で重要な要素です。
ポテンシャル
学習意欲、成長意欲、コミュニケーション能力などを重視しましょう。未経験からでも積極的に知識やスキルを習得しようとする意欲、困難な課題にも粘り強く挑戦する姿勢、周囲と円滑に連携できるコミュニケーション能力は、未経験者が早期に戦力化するために不可欠な要素です。
価値観
企業の理念やビジョンへの共感、チームワークを重視する姿勢、社会貢献意欲などを確認しましょう。企業文化に合致する価値観を持つ人材は、組織に馴染みやすく、長期的に活躍してくれる可能性が高いです。

求める人物像を具体化する際には、現場の意見も参考にすると良いでしょう。現場で活躍している社員の共通点や、未経験者に求める要素などをヒアリングすることで、より現実的で効果的なターゲット設定が可能になります。

未経験者が活躍できる業務範囲の明確化

未経験者採用を成功させるためには、「未経験者が入社後、どのような業務からスタートするのか」「どのようなキャリアパスを描けるのか」を具体的に示すことも重要です。未経験者は、ビルメン業界の仕事内容やキャリアパスについて、具体的なイメージを持っていないことが多いため、安心して応募できるような情報提供が必要となります。

例えば、入社後の初期段階では、先輩社員の指導のもとで、簡単な点検業務や清掃業務、設備監視業務などからスタートし、徐々にスキルアップしていく、といった具体的なステップを示すことが有効です。また将来的には、資格取得支援制度を活用してより専門的な業務に挑戦できる、管理職やマネジメント職へのキャリアアップも可能である、といったキャリアパスを提示することで、未経験者の入社意欲を高めることができます。

効果的な募集方法の選定

明確な採用ターゲットを設定したら、次に「どのようにターゲット層にアプローチするのか」という募集方法を選定します。未経験者採用においては、経験者採用とは異なる募集方法が有効となる場合があります。

求人媒体の活用

未経験者、第二新卒向け求人媒体
未経験者や第二新卒採用に特化した求人媒体を活用することは、効率的にターゲット層にアプローチする上で有効な手段です。これらの求人サイトには、未経験から新しいキャリアに挑戦したいと考えている求職者が多く登録しています。
ビルメン業界に特化した求人媒体
業界特化型の求人サイトは、経験者採用向きでは?と思われがちですが、実務経験は乏しいがビルメン資格を活かして新たな環境を模索する求職者が一定数登録しています。

求人媒体を選定する際には、各媒体の特徴や強み、掲載費用などを比較検討し、自社の採用ターゲットに最も適した媒体を選ぶようにしましょう。

インターネット広告、SNSを活用した情報発信

求人媒体だけでなく、インターネット広告やSNSも、未経験者採用において有効な募集チャネルとなります。

例えば、若年層をターゲットとする場合は、InstagramやTwitterなどのSNSで、職場の雰囲気や社員インタビュー、イベント告知などを発信することで、企業イメージ向上を図り、応募を促進することができます。また、YouTubeなどの動画プラットフォームを活用して、仕事内容紹介や社員の1日の流れなどを動画で配信することも、未経験者の理解促進に繋がり、応募意欲を高める効果が期待できます。

SNSのアカウント開設直後や流入が伸びない場合は、積極的にインターネット広告やSNS広告を活用しましょう。これらの広告は、年齢、性別、興味関心など、ターゲット層を絞り込んだ効果的な広告展開が可能です。

採用ブランディング(未経験者向けコンテンツの充実)

未経験者採用を成功させるためには、採用ブランディングも重要な要素となります。未経験者は、企業や業界に関する知識が少ないため、「未経験者でも安心して挑戦できる企業である」というイメージを構築することが重要です。

特に、採用サイトは、企業の顔となる重要なツールです。未経験者が見ても分かりやすいように、仕事内容や職場環境、教育体制などを丁寧に解説し、未経験者でも活躍できることをアピールしましょう。また、社員のリアルな声を伝える社員インタビュー記事や、職場の雰囲気を伝える写真や動画などを掲載することも、未経験者の応募意欲を高める上で効果的です。

適切な選考方法の実施

未経験者採用においては、経験やスキルよりも、ポテンシャルや人柄を重視した選考を行う必要があります。従来の経験・スキル偏重の選考方法から脱却し、未経験者採用に特化した選考方法を取り入れることが重要です。

書類選考:経験不問、ポテンシャル重視の評価

書類選考では、職務経歴よりも自己PRや志望動機を重視しましょう。未経験者には業界での職務経歴がないため、自己PRや志望動機から人柄や意欲、ポテンシャルを見極めることが重要になります。

自己PR
これまでの経験の中で、どのように課題を乗り越えてきたのか、どのような成果を上げてきたのかなど、具体的なエピソードを交えて記述してもらう。
志望動機
なぜビルメン業界に興味を持ったのか、なぜ当社を選んだのか、入社後どのようなことに挑戦したいのかなど、具体的な内容を確認。

書類選考では、経験の有無で判断するのではなく、ポテンシャルや意欲、人柄を総合的に評価し、面接に進む候補者を選定するように心がけましょう。

面接:意欲、適性、コミュニケーション能力を見極める

面接では、経験やスキルに関する質問は最小限に留め、人となり、成長意欲、コミュニケーション能力などを中心に評価しましょう。

成長意欲を確認するためには、以下のような質問をするといいでしょう。

  • これまでに自分が成長するために取り組んできた具体的な行動や学びについて教えてください。
  • ビルメンテナンス業界は未経験だと思いますが、どのようなスキルや知識を身につけたいと考えていますか?
  • 過去に困難な状況に直面した際、どのようにして自分の能力を向上させようと努力した経験がありますか?
  • 短期的な目標と長期的なキャリアプランについてお聞かせください。どのように達成していく計画ですか?
  • 新しい知識や技術を学ぶために、普段どのような情報収集や自己啓発活動を行っていますか?

コミュニケーション能力を確認するためには、以下のような質問が有効です。

  • これまでにチームでのプロジェクトやグループ活動で、どのように他者と協力し成果を出した経験がありますか?
  • 意見が対立した際、どのようにして相手とコミュニケーションを取りながら解決策を見出しましたか?
  • 業務で分からないことが生じた場合、どのように上司や同僚に質問や相談を行っていますか?
  • 自分の意見やアイディアを相手に伝えるために工夫していることがあれば教えてください。
  • グループ内でリーダーやファシリテーターとして役割を担った経験があれば、具体的にどのような方法でコミュニケーションを円滑にしたか教えてください。

また、ビルメン業界への興味関心やキャリアビジョンを確認することも重要です。
「なぜビルメン業界に興味を持ったのか」「ビルメン業界でどのようなキャリアを築きたいのか」といった質問を通じて、応募者の本音や熱意を探りましょう。

適性検査、性格検査の導入

客観的な評価ツールとして、適性検査や性格検査を導入することも有効です。適性検査では、基礎学力や論理的思考力、空間認識能力などを測定し、性格検査では、性格特性やストレス耐性、コミュニケーションスタイルなどを把握することができます。

適性検査や性格検査の結果は、書類選考や面接の結果と合わせて、総合的に評価することで、より多角的な人物評価が可能になります。ただし、検査結果のみで判断するのではなく、あくまで参考情報として活用することが重要です。

体験入社、職場見学の実施

選考プロセスの最終段階として、体験入社や職場見学を実施することも有効です。体験入社では、実際に数日間、現場で業務を体験してもらうことで、仕事内容や職場の雰囲気を現実的に感じてもらうことができます。職場見学では、職場の環境や社員の様子を見学してもらうことで、入社後のイメージを具体化することができます。

体験入社や職場見学は、入社後のミスマッチを防ぐ上で非常に有効な手段です。応募者にとっても企業にとっても、相互理解を深める良い機会となるでしょう。

育成と研修プログラムの構築:未経験者の戦力化

採用した未経験者を早期に戦力化し、長期的に活躍してもらうためには、育成と研修プログラムの構築が不可欠です。ここでは、未経験者をプロのビルメンとして育成するための、効果的な研修プログラムの設計と運用について解説します。

入社時研修の実施:ビルメンの基礎知識とスキル習得

入社時研修は、未経験者がビルメン業界で働くための最初のステップです。この研修で、ビルメン業界の基礎知識、業務内容、安全衛生、ビジネスマナー、社内ルールなど、業務に必要な基本的な知識とスキルを習得させることが目的です。

業界基礎知識
ビルメン業界全体の概要、業界の動向、社会における役割などを理解させます。次に、自社の事業内容、具体的な業務内容、組織体制などを説明し、業務に対する全体的なイメージ を持たせます。
労働災害の防止、安全作業の基本、緊急時の対応など、安全衛生に関する教育も非常に重要です。
設備の種類、点検方法など
ビルメン業務で扱う主要な設備の種類、構造、機能、役割など、基本的な知識を習得させます。点検方法については、日常点検、定期点検、精密点検など、点検の種類と目的、具体的な点検項目、点検記録の作成方法などを教習します。
ビジネスマナー、社内ルール
社会人としてのビジネスマナー、コミュニケーション技能、報連相の徹底なども、入社時研修で教習すべき重要な項目です。また、社内ルールについては、就業規則、服務規律、情報セキュリティポリシーなど、組織の一員として守るべきルールを説明し、遵守を徹底させます。

入社時研修は、座学だけでなく、実技研修やグループワーク、ロールプレイングなどを組み合わせることで、より効果的な研修にすることができます。また、研修期間中に、振り返りの機会を設け、研修内容の理解度を確認したり、疑問点を解消したりすることも重要です。

OJT、OFF-JTを組み合わせた実践的な研修

入社時研修で基本的な知識と技能を習得した後は、OJT(On-the-Job Training:職場内訓練)と OFF-JT(Off-the-Job Training:職場外訓練)を組み合わせた実践的な研修を実施します。

配属部署でのOJTによる実践指導
配属部署で先輩がトレーナーとして実業務を指導し、現場での体験を通じて座学では得られないスキルやノウハウを習得します。未経験者のレベルに合わせ、簡単な作業から始め、徐々に難易度を上げることで無理なく成長を促します。また、職場環境への適応やメンタルサポートも行い、進捗を定期的に確認しながら研修計画を見直します。
集合研修(OFF-JT)による専門知識とスキルの習得
OFF-JTは、職場外の集合研修や外部講習で、OJTでは学びにくい専門知識や体系的なスキルを習得するための研修です。設備ごとの専門研修、資格講習、問題解決やコミュニケーション研修など、多様なテーマで実施され、OJTと並行または定期的に行うことで、研修効果を高めます。

メンター制度の導入:個別指導とキャリアサポート

メンター制度は、先輩社員(メンター)が後輩(メンティ)の個別指導とキャリアサポートを行う仕組みです。未経験者にとって、メンター制度は不安の解消、職場への適応促進、成長支援など、多くのメリットがあります。

未経験者の不安解消と成長促進
メンターは、業務上の相談だけでなく、キャリアや職場環境に関する幅広い悩みに対応します。未経験者は経験不足から不安を感じやすいですが、メンターが親身に相談に乗ることで安心して業務に取り組めます。また、目標設定の支援、課題解決のアドバイス、キャリアパスの提示などを通じ、定期的な面談で成長を促進し、早期戦力化とキャリアアップを支援します。
キャリア相談やメンタルサポート
メンターは、業務の指導だけでなく、キャリア相談やメンタルサポートも提供します。これにより、専門的な成長だけでなく、人間的な成長も支援し、組織への帰属意識やエンゲージメント向上にも寄与します。

制度を成功させるためには、メンターとメンティの適切なマッチング、メンター研修、支援体制、そして制度の見直しと改善が重要です。効果的な運用により、未経験者の定着促進と長期的な活躍支援が実現できます。

資格取得支援制度:スキルアップとモチベーション向上

資格取得支援制度は、未経験者のスキルアップやキャリアアップを促進し、モチベーション向上にもつながる重要な制度です。資格取得により、自分の能力を客観的に証明できるため、自信の向上にもつながります。

【支援内容】

  • 受験費用補助:受験料の一部または全額を企業が負担
  • 学習教材・書籍の提供と講座受講支援:資格取得に必要なリソースを提供
  • 学習時間の確保:業務中の学習時間や研修休暇の付与
  • 合格祝い金の支給:合格時に祝い金を支給

この制度により、従業員の自主的な学習意欲が高まり、スキルアップとキャリアアップが支援され、組織全体の競争力向上につながります。また、資格取得を通じて成長を実感することで、会社への満足度やエンゲージメントも向上します。効果的な運用のためには、必要な資格を明確にし、資格取得の目標を設定し、制度を広く周知するとともに、運用状況を定期的に見直して改善を続けることが重要です。

定着率向上のためのフォローアップ施策

未経験者採用を成功させるためには、育成だけでなく、採用した人材の定着も非常に重要です。せっかく育成した人材が早期に離職してしまうことは、企業にとって大きな損失となります。
未経験者の定着率を向上させるための、効果的なフォローアップ施策について解説します。

定期的なスキル評価とフィードバック

定着率向上には、社員一人ひとりの成長を支援し、モチベーションを維持する仕組みが重要です。定期的なスキル評価を実施し、成長の可視化を図ることで従業員が自身の成長を実感しやすくなります。また、上司やメンターから具体的なアドバイスを受けることで、業務上の課題や伸ばすべきポイントを早期に把握し、改善策を講じることができます。これにより、社員は自らの成長を実感し、仕事への意欲が高まります。

キャリアアップ支援制度:長期的なキャリアパスの提示

長期的に働き続けるためには、明確なキャリアパスの提示が不可欠です。資格取得支援や充実した研修制度を通じ、未経験者でも専門性を磨ける環境を整えます。さらに、管理職や専門職など多様なキャリアパスを提示し、定期的なキャリア面談で個々の目標や現状を確認することで将来の展望を明確にし、長期的な定着につなげます。

風通しの良い職場環境とコミュニケーションの促進

職場の人間関係は、定着率に大きな影響を与えます。上司や同僚との活発なコミュニケーションを促すフラットな組織文化は、意見や提案がしやすい環境を生み出します。また、チームワークを重視する取り組みにより、未経験者も安心して業務に取り組みやすくなり、早期に職場に馴染むことができます。

働きがいのある労働条件と福利厚生の整備

適切な給与水準、昇給制度、賞与の充実は、従業員のモチベーションを維持するうえで欠かせません。また、社会保険の完備、休暇制度、住宅手当などの福利厚生を整備し、従業員が安心して働ける環境を提供します。加えて、残業時間の管理やワークライフバランスへの配慮を行い、従業員が心身ともに健康な状態で働けるようにサポートします。

エンゲージメントを高める施策(社内イベント、表彰制度など)

社内交流イベントや懇親会、表彰制度などを通じて、社員同士の親睦を深めるとともに、成果や貢献を適切に評価する仕組みを構築することが必要です。社員の声に耳を傾け、改善に繋げる仕組みを整えることで、組織全体の一体感が生まれ、未経験者も企業に対する帰属意識が強まります。

まとめ|未経験者採用でビルメン業界の未来を切り拓く

深刻な人材不足に直面するビルメン業界において、未経験者採用は人材不足解消の鍵となります。しかし、未経験者採用を成功させるためには戦略的な取り組みが不可欠です。

採用段階においては、明確なターゲット設定に基づいた効果的な募集とポテンシャルを重視した適切な選考を行い、多様な人材を積極的に受け入れることが大切です。さらに採用後の育成と定着支援こそが、未経験者採用の成否を分けると言えるでしょう。未経験を受け入れ、育成と定着に力を入れることが、人材不足解消と組織の活性化につながるはずです。

未経験採用から定着まで幅広く支援

内藤一水社は長年にわたりビルメン業界の採用活動を支援してきました。未経験者採用の戦略から採用後の定着支援まで幅広くサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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