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2026年7月の最新の公的統計(マクロデータ)と求人広告の掲載件数(ミクロデータ)をもとに、現在の採用市場で何が起きているのかを多角的に読み解きます。
厚生労働省が発表した有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍で前月と同水準、正社員有効求人倍率も1.00倍で横ばいとなりました。一方、新規求人倍率は2.10倍と前月から低下しており、企業の新たな求人にはやや慎重な動きも見られます。
その一方で、民間の求人広告掲載件数は前年同月比15.8%増と大きく増加しています。ただし、職種別に見ると「専門(IT技術者)」が前年の約3.1倍まで増加する一方、事務や保育・教育関連職では大幅な減少が見られます。
全体の数字だけでは見えにくい、職種・雇用形態による採用ニーズの違いが鮮明になった1カ月と言えそうです。
求人倍率と平均時給から見る最新の採用マーケット動向
各都道府県・職種別の有効求人倍率レポート
目次
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2026年7月の採用市場において、戦略立案の鍵となる動向は以下の3点に集約されます。
2026年7月の主要な労働市場指標は以下の通りです。
| 項目 | 2026年7月 | 2026年6月 | 2025年7月 |
|---|---|---|---|
| 有効求人倍率 | 1.18倍 | 1.18倍 | 1.22倍 |
| 正社員有効求人倍率 | 1.00倍 | 1.00倍 | 1.02倍 |
| 新規求人倍率 | 2.10倍 | 2.16倍 | 2.18倍 |
| 完全失業率 | 2.4% | 2.5% | 2.4% |
※いずれも季節調整値

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」、総務省「労働力調査(基本集計)2026年7月分」
有効求人倍率は1.18倍と前月から変わりませんでした。ただし、その内訳を見ると、有効求人数は前月比0.1%減、有効求職者数は0.6%増となっています。また、新規求人倍率も前月から0.06ポイント低下しました。
求人が求職者を上回る状況そのものは続いているものの、企業の求人意欲が一段と強まっている状況ではなく、需給バランスは緩やかに変化している可能性があります。
完全失業率は2.4%となり、前月から0.1ポイント低下しました。完全失業者数は169万人で、前年同月と同数です。
一方、就業者数は6,850万人と前年同月から増減がありませんでしたが、雇用者数は6,233万人と36万人増加しています。正規の職員・従業員は16万人増の3,736万人、非正規の職員・従業員も15万人増の2,143万人でした。正規雇用は33カ月連続、非正規雇用は4カ月連続の増加となっています。
就業者全体が横ばいとなった背景には、自営業主・家族従業者が前年から27万人減少したこともあります。したがって、「就業者数が増えていない」という一点だけで企業の雇用吸収力が低下したと判断するのではなく、就業構造そのものの変化も含めて見る必要がありそうです。
ハローワークにおける新規求人数は、全体では前年同月比0.8%減となりました。
| 主要産業 | 前年同月比 |
|---|---|
| 製造業 | +6.8% |
| サービス業(他に分類されないもの) | +5.6% |
| 医療・福祉 | +1.3% |
| 建設業 | +0.8% |
| 情報通信業 | ▲4.7% |
| 卸売業・小売業 | ▲7.3% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | ▲10.7% |
製造業や医療・福祉では前年を上回る一方、卸売・小売、宿泊・飲食サービス業などでは減少しています。採用市場全体というよりも、産業ごとに採用意欲の差が広がっている状況と捉えた方が実態に近いでしょう。
マクロな労働市場を確認したところで、次に企業が実際に掲載している求人広告のデータから、採用活動の動きを見ていきます。
2026年7月の職種別求人広告掲載件数は2,609,906件となり、前月比2.9%増、前年同月比では15.8%増となりました。

出典:公益社団法人全国求人情報協会「求人広告掲載件数等集計結果(2026年7月分)」
雇用形態別の集計では、正社員求人が大きく増加する一方、アルバイト・パートは減少しています。
| 雇用形態 | 2026年7月 | 前月比 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 正社員 | 1,709,218件 | +6.5% | +36.8% |
| アルバイト・パート | 576,693件 | ▲4.3% | ▲17.0% |
| 契約社員他 | 123,674件 | +0.2% | ▲2.3% |
一見すると、企業が正社員採用を大幅に拡大しているようにも見えます。しかし、職種別に分解すると、この増加には特定職種の影響が非常に大きいことが分かります。
職種別の求人広告掲載件数では、特に「専門(IT技術者)」の増加が際立っています。
| 職種 | 前年同月比 |
|---|---|
| 専門(IT技術者) | +206.6% |
| 建設・採掘 | +25.1% |
| 専門(金融・法務専門職) | +19.4% |
| 専門(技術者・研究者) | ▲20.6% |
| 事務 | ▲25.2% |
| 専門(保育士・教員・講師・インストラクター) | ▲37.0% |
さらに職種と雇用形態を掛け合わせると、正社員の「専門(IT技術者)」は前年同月比219.9%増の678,043件。一方、正社員の事務職は30.1%減、専門(技術者・研究者)は21.9%減となっています。
添付データから試算すると、職種別求人広告全体では前年同月比15.8%増ですが、IT技術者を除いた職種では約5.2%減となります。
つまり、7月の求人広告件数の増加をそのまま「採用市場全体の回復」と捉えるのは適切ではありません。むしろ、企業が必要とする人材・職種によって採用投資の強弱がこれまで以上に明確になっていると見ることができそうです。
地域別では、北海道・東北から九州・沖縄まで、すべての地域ブロックで前年同月を上回りました。
特に中四国は32.6%増、九州・沖縄は20.0%増と高い伸びを記録しています。また、都道府県別では徳島県や鳥取県、山形県、島根県などで大幅な増加が見られました。
ただし、こうした地域差には特定職種や企業の募集状況が大きく影響する可能性があります。求人広告掲載件数だけから地域経済全体の好不調を判断するのではなく、自社が採用したい職種・雇用形態・勤務地ごとに競合状況を確認することが重要です
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