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採用事情
近年、多くの企業が「人手不足」という深刻な経営課題に直面しています。
少子高齢化による労働人口の減少に加え、働き方の多様化など人材採用の難易度がますます高くなる中、人事・採用担当者の皆様は優秀な人材の確保に日々奔走されていることと思います。
しかし、懸命な採用活動の一方で「既存社員の離職が止まらない」という悩みを抱えていませんか?
既存社員の離職が後を絶たず、残されたメンバーに過度な負担がかかる──こうした状況が更なる離職を招く負のスパイラルを生み出し、企業経営を揺るがし兼ねない事態にまで至っています。この深刻な人手不足と離職の悪循環を断ち切り、持続可能な強い組織を築くためには、「採用」と「定着」の両輪から戦略的にアプローチすることが不可欠です。
本記事では、人手不足を加速させる離職の悪循環のメカニズムについて解説し、その連鎖を断ち切るための具体的な採用戦略・定着戦略について詳しく解説します。
採用と定着の両軸を支援します
採用が難しい時代、離職による人手不足の悪循環は深刻な課題です。攻めの「採用」だけでなく、離職を防ぐ「定着=守りの採用」も強化し、両軸で対策することが不可欠です。内藤一水社では、貴社の課題に合わせた採用戦略の見直しから効果的な定着施策の導入まで、一貫してサポートいたします。
まずはこちらから無料相談目次
近年、日本企業を取り巻く人手不足の状況は一段と深刻化しています。帝国データバンクが2025年1月に実施した「人手不足に対する企業の動向調査」によると、正社員が「不足」と感じている企業の割合は53.4%となり、これは前年同月から0.8ポイントの増加となり、コロナ禍(2020年4月)以降で最も高い数値となりました。特に「情報サービス」が72.5%で最も高く、「建設」が70.4%、「メンテナンス・警備・検査」が66.5%で続いています。
一方、非正社員については企業の30.6%が人手不足を感じており、前年同月から0.7ポイント増加しました。業種別では、人材派遣・紹介が65.3%と高く、次いで「飲食店」が60.7%、「各種商品小売」が56.8%となっています。「人材派遣・紹介」が業種別トップとなるのは2021年6月以来で、派遣人材によって労働力を補う動きが活発化したことが背景にあるようです。
出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)」
全体として、正社員・非正社員ともに人手不足感は依然として高く、特にIT関連や建設、運輸、そして対面型サービス業で深刻な状況が続いています。この背景には少子高齢化による労働人口減少だけでなく、業界構造の変化や働き方多様化の影響も見逃せません。人手不足は賃金上昇圧力を高める一方、既存社員への業務負担増加を招き、ひいては離職率の上昇や受注機会の損失、さらなる事業拡大の停滞を引き起こすリスクも孕んでいます。今後、採用と定着の両面で抜本的な対策を講じることが、企業存続のカギを握ると言えるでしょう。
人手不足が深刻な状況下で起こる離職は、単に人員が減る以上の深刻な影響を組織にもたらします。それは、残された従業員の負担増、エンゲージメントの低下、そして更なる離職を招くという、まさに『離職の悪循環』です。
この悪循環を断ち切るために、その主要なメカニズムを4つの視点から整理します。
人手不足が慢性化すると、必然的に従業員一人当たりの業務量が増加します。十分な人員がいないため、残された社員は本来担当していなかった業務までカバーせざるを得なくなり、結果として長時間労働が常態化しやすくなります。
厚生労働省の定義では、時間外・休日労働が「月100時間を超える場合」または「2~6ヶ月平均で月80時間を超える場合」は過重労働と認定され、このような状況は従業員のストレスを増大させる大きな要因となります。残業時間の増加に加え、有給休暇を取得しにくい雰囲気や業務過多による心身の疲弊は、従業員のエンゲージメントを低下させ、「このままでは働き続けられない」と離職を考える直接的なきっかけとなり得ます。
労働環境の悪化は、従業員のエンゲージメントを著しく低下させます。日々の業務に追われ、疲弊感を感じる中で、チーム全体の士気も低下しやすくなります。また、同僚の離職が続くと、残された従業員は「次は自分かもしれない」「この会社に将来性はあるのだろうか」といった不安を感じ、エンゲージメントの低下に拍車がかかります。
加えて、以下のような要因もエンゲージメントやモチベーションの低下につながります。
エンゲージメントとモチベーションが低下した状態は、生産性の低下にも直結します。結果として、限られた人員でさらに多くの業務をこなさなければならなくなり、労働環境が一層悪化するという、まさに悪循環に陥ってしまうのです。
人手不足により、企業は日々の業務をこなすことに手一杯になりがちです。その結果、従業員のスキル開発やキャリア形成のための研修、OJT、自己啓発支援といった、中長期的な人材育成への投資が後回しにされがちです。
従業員からすれば、「この会社にいても成長できない」「将来のキャリアアップが見込めない」と感じる状況は、働く意欲を削ぎます。特に成長意欲の高い従業員ほど、スキルアップやキャリアアップの機会を求めて、より良い環境への離職(転職)を検討しやすくなります。これは個人の問題だけでなく、組織全体のスキルレベルの停滞や、将来の幹部候補育成の遅れにもつながり、企業の競争力低下を招くリスクもはらんでいます。
上記のような要因が複合的に作用し、最終的に離職率の増加を招きます。
従業員が一人離職することによる損失は、単に人員が減るだけにとどまりません。
このように、離職は新たな採用コストを発生させると同時に、さらなる人手不足と労働環境の悪化を招き、それがまた次の離職を引き起こす…という、終わりの見えない悪循環を形成してしまうのです。
この離職の悪循環を断ち切らない限り、どれだけ採用活動に力を入れても、人手不足は根本的に解決しません。それはまるで、穴の開いたバケツに必死で水を注ぎ続けているようなものです。
人手不足という深刻な課題に立ち向かうためには、新たな人材を確保する「採用」と、今いる人材が安心して長く働ける環境を作る「定着」の両面に戦略的に取り組むことが不可欠なのです。
人手不足を解消し、組織の成長を支えるためには、今まで通り単に求人を出すだけでなく、採用戦略そのものを見直し、より効果的なアプローチへと進化させる必要があります。
そのための具体的な4つのポイントを解説します。
採用活動を始める前に、まず自社が本当に必要としているスキルや経験、マインドセットを洗い出しましょう。単に「若手が欲しい」「リーダー候補が欲しい」といった大まかなイメージではなく、業務ごとの必須要件や、チームにもたらしてほしい価値を細かく言語化することで、選考や面接の精度が高まります。
多様な層へのターゲティング
労働人口の減少が続く中、ターゲットを若手だけに絞るのは得策ではありません。
これらの層に合わせた求人票の文言や採用チャネルを用意することで、応募者数を底上げし、人手不足の深刻化の抑制につながります。
また、長年採用してきた基準に固執すると、応募者の幅が狭くなりがちです。例えば、学歴や年齢、正社員経験だけにこだわらず、パートタイムからキャリアチェンジを目指す人、業界未経験者にも視野を広げてみましょう。
企業理念やビジョン、働く上で大切にしている価値観を自社らしい言葉で伝えましょう。
例えば、「チームで挑戦を楽しむ文化」や「社員一人ひとりの成長を支える仕組み」といった具体的なキーワードを使い企業の「らしさ」をはっきりと打ち出すことで、求職者は入社後のイメージをつかみやすくなります。
情報発信は企業の良い面だけでなく、課題やネガティブな面も含めてリアルな情報を求職者に開示するRJP(Realistic Job Preview)を意識することで、ミスマッチの防止につながり、定着率アップにも効果的です。
多岐にわたるチャネルを組み合わせることで、より多くの潜在候補者にリーチし、応募の母数を増やせます。以下のポイントを意識して、各チャネルを最適化しましょう。
これらのチャネルを組み合わせ、定期的に効果測定と改善を行うことで、より多くの採用接点を確保し、人手不足解消に大きく近づけます。
【資料DL】中途採用ハンドブック
本資料では
・現在の採用マーケットの市況や採用コストの現状
・中途採用手法の種類とそれぞれのメリット・デメリット
・自社に合った採用手法の選び方や比較
など、採用担当者様の役に立つ情報をご紹介しております。
採用後の早期離職を防ぎ、人手不足の悪循環を断ち切るには、入社前から入社後にかけた丁寧なすり合わせとフォローが不可欠です。以下のポイントを押さえてミスマッチを最小化しましょう。
これらのステップを踏むことで、入社前後の期待と実際のギャップをできる限り取り除き、早期離職を抑制することが大切です。
どれだけ効果的な採用戦略で人材を獲得しても、その人材が定着しなければ人手不足は解消されません。『離職の悪循環』を根本から断ち切るためには、採用活動と並行して、今いる従業員が「この会社で長く働き続けたい」と思えるような定着戦略の強化が不可欠です。
ここでは、従業員の定着率を高めるための5つの重要な戦略をご紹介します。
従業員が心身ともに健康で、意欲的に働ける環境を整備することは、定着率向上に不可欠です。
従業員のモチベーションを維持し、定着を促すためには、公正で納得感のある評価・報酬制度が不可欠です。
従業員が自身の成長を感じられる機会を提供することは、エンゲージメントを高め、長期的な離職防止につながります。
職場の人間関係は、従業員の満足度や定着意欲に大きな影響を与えます。
残念ながら離職者が出てしまった場合でも、その経験を次に活かすことが重要です。
これらの定着戦略に継続的に取り組むことで、従業員の満足度とエンゲージメントを高め、人手不足の解消と『離職の悪循環』からの脱却を目指しましょう。
本記事では、多くの企業が直面する深刻な人手不足と、それをさらに加速させる「離職の悪循環」について、そのメカニズムと具体的な対策を解説してきました。
人手不足は、単なる人員の不足というだけでなく、組織全体の活力を低下させる深刻な問題です。そして、離職はその人手不足をさらに加速させるという悪循環を生み出します。この悪循環を断ち切り、持続可能な組織を構築するためには、採用と定着という二つの側面から戦略的に取り組むことが不可欠です。
今後、労働人口の減少は避けられない現実です。だからこそ「採用したら終わり」ではなく、従業員一人ひとりが安心して長く活躍できる組織づくりに、今すぐ真剣に取り組むことが、企業の未来を左右すると言っても過言ではありません。
「何から手をつければ良いか分からない」という方は、まず、本記事でご紹介した定着戦略の中から、「これなら自社でもできそうだ」と感じるものを一つ選んで実践してみてください。それでも効果が実感できない、あるいはもう少し本腰を入れて離職防止に取り組みたいという方は、内藤一水社までお気軽にご相談ください。
採用と定着の両軸を支援します
採用が難しい時代、離職による人手不足の悪循環は深刻な課題です。攻めの「採用」だけでなく、離職を防ぐ「定着=守りの採用」も強化し、両軸で対策することが不可欠です。内藤一水社では、貴社の課題に合わせた採用戦略の見直しから効果的な定着施策の導入まで、一貫してサポートいたします。
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