採用事情

Information

採用事情

2024.12.25最終更新日2024.12.25

【2026卒】新卒採用スケジュールまとめ|企業側が押さえるべきポイントを解説

【2026卒】新卒採用スケジュールまとめ|企業側が押さえるべきポイントを解説

新卒採用を不定期に行っている企業の場合、どのようなスケジュールで採用活動を進めるべきか、詳細まで把握できていない担当者の方も多いのではないでしょうか。
採用市場は年々早期化しているため、新卒採用を行う際は前年から念入りに準備を進める必要があります。

本記事では新卒採用のスケジュールについて、前年の準備から入社までを細かく網羅しつつ解説します。新卒採用を検討している企業の採用担当者の方は、本記事を参考に今すぐ準備を始めてみてください。

新卒採用のお悩み、ご相談ください

当社では、就職サイトへの掲載・管理、就職イベントやダイレクトリクルーティングを活用した母集団形成、エントリー者への連絡や書類審査などの一次スクリーニングまで、貴社の新卒採用活動を幅広くサポートします。

まずはこちらから無料相談

【規模別】企業側の新規採用の全体スケジュール

まず、以下の3つの企業規模別に、一般的な採用スケジュールを紹介します。

  1. 大企業の場合
  2. 中小企業の場合
  3. 外資系・スタートアップ企業の場合

 ここでは本採用を行う年を「当年」、その前の採用準備や長期インターンを行う年を「前年」として記載します。自身の勤める企業の大まかなスケジュールを確認しておきましょう。

大企業の場合

大企業の新卒採用は、最も一般的なスケジュールに沿って綿密に計画されます。

  • インターンシップ企画・実施:前年6月~当年2月
  • 会社説明会・広報開始:当年3月~5月
  • 書類選考・面接:当年6月~9月 ※実質的なピークは当年3月
  • 内定通知・入社前オンボーディング期間:当年10月~

企業によっては、大量離職の対策や企業成長を見越して、数百人単位での大量採用を行う場合もあるので、選考を複数回に分けることも珍しくはないでしょう。

夏季・秋冬季のインターンシップを通した、優秀な学生との接点づくりも積極的に行われるため、採用活動はかなり大規模かつ長期にわたります。

中小企業の場合

中小企業の新卒採用は、採用競争を回避し、より多様な人材を確保する目的で、大企業とは異なるスケジュールで採用活動を行うケースが多く見受けられます。 代表的なものは、通年採用秋採用による新卒者の獲得。それぞれ、次のようなスケジュールで実施されます。

通年採用のスケジュール例

  • 会社説明会・広報活動:随時
  • 書類選考・面接:随時
  • 内定通知:随時

秋採用のスケジュール例

  • 会社説明会・広報活動:当年6月~8月
  • 書類選考・面接:当年8月~10月
  • 内定通知:当年10月~

中小企業の新卒採用戦略は、大企業の画一的な採用スケジュールから脱却し、より柔軟で効果的な人材確保を目指す必要があります。通年採用と秋採用は、中小企業の採用アプローチの代表的な方法であり、大企業との人材獲得競争を回避しつつ、学生の就職活動の多様化に対応する選択肢となっています。

外資系企業・スタートアップ企業の場合

外資系やスタートアップ企業には、とにかくスピード重視の採用活動を行う企業が多いのが大きな特徴です。採用活動が通年化している企業も多くあります。

採用スケジュールもかなり早く、本選考が年明け後すぐに行われ、採用活動ピークの5〜6月ごろには辞退者の穴埋めとして二次選考を始めていた、というパターンも珍しくありません。

採用基準はスキルやポテンシャル重視で、能力主義的な側面が色濃く出ます。外資系やスタートアップの「とにかく優秀な人材を早期に獲得する」という姿勢は、時勢に合ったものといえます。

企業側の新規採用の年間スケジュールを確認

ここからは経団連の就活ルールに沿った年間スケジュールを、以下の7つの区分で解説します。

  • 前年5月ごろ:前回の採用活動振り返りとインターン準備
  • 前年6月~9月:夏季インターンシップの開催と企業説明会の設定
  • 前年10月~12月:秋冬インターンシップの開催と広報準備
  • 当年1月~2月:インターン参加者のフォローと最終調整
  • 当年3月~5月:採用広報解禁
  • 当年6月~9月:最終選考と内定者フォロー
  • 当年10月~翌年2月:内定式と内定者研修

 こちらも、本採用を行う年を「当年」、その前の採用の準備や長期インターンを行う年を「前年」として記載しています。

前年5月ごろ:前回の採用活動振り返りとインターン準備

夏季インターンシップの申し込みは早いケースでは前年4月ごろから始まり、開催は6月以降です。そのため、本採用の前年5月までには、すでに前回の採用活動の振り返りとインターン準備を進める必要があります。

前回の採用を振り返り、良かった点や改善点を洗い出し、次年度の採用目標や採用担当者を決定しましょう。採用目標を決めるうえで、定めておきたい事項は次の4つです。

  • 目標とする採用人数
  • 求める人物像(スキルや資格など)
  • 選考基準
  • 採用担当者

採用目標は、人事部や採用担当のみで決めるのは困難です。経営層や部署へのヒアリングを通し、期間に余裕を持ちましょう。

また、インターンシップの企画・準備についても注意点があります。2022年から、学生の自律的なキャリア形成を目的に、インターンシップが以下の4つの分類で再定義されました。

  • タイプ1:オープン・カンパニー
  • タイプ2:キャリア教育
  • タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ
  • タイプ4:高度専門型インターンシップ

不定期に新卒採用を行っている場合、これらの定義の再確認が必要な場合があります。詳しくは以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

前年6月~9月:夏季インターンシップの開催と企業説明会の設定

6月から、大学3年生を対象とした夏季インターンシップが開催されます。ここでは、多くの学生と接点を持つことが重要です。

インターンシップ期間での学生への企業周知は、非常に重要です。マイナビの2024年の調査によると、学生が入社予定企業の採用情報に初めて触れた時期が、インターンシップを始めとしたプレ期間に集中しています。

出典:マイナビ「2024年卒内定者意識調査

タイプ3やタイプ4で得た学生の連絡先などの情報は、条件付きで採用活動に利用できる点も重要です。採用活動開始後に競合他社と差を付けるためにも、インターンシップは綿密に計画・開催すべきです。
また、この時期から秋冬インターンシップの準備も並行して進めておきましょう。

前年10月~12月:秋冬インターンシップの開催と広報準備

前年10月から12月にかけては、秋冬インターンシップの開催と広報準備を行います。

学生は夏季休暇が終わり、学校の授業に戻る時期です。そのため、秋冬インターンシップは期間が短いタイプ1とタイプ2が中心になります。

開催にかかる時間の目安

  • タイプ1(オープンカンパニー):1日
  • タイプ2(キャリア教育形式):1~3日

並行して、来年に向けた広報準備も行いましょう。広報解禁は来年3月からですが、広報物は制作に時間がかかるため、この時期から着手する必要があります。

制作にかかる時間の目安

  • パンフレット:2ヶ月
  • 採用ページ:2~3ヶ月
  • 動画:2か月

各インターンの開催や学生のフォロー、広報準備など、この頃から採用担当者の業務が本格的に動き始めます。

当年1月~2月:インターン参加者のフォローと最終調整

年明け後に後期試験がある大学が多いため、学生は多忙な期間です。この時期にインターンを開催しても応募が集まりにくいので、インターン参加者へのフォローをメインに行いましょう。

学生をフォローせずに放置してしまうと熱が下がり、心が企業から離れてしまいます。ただし学生側も多忙なので、スキマ時間を活用して行えるフォローをするのが良いでしょう。

インターン参加者へのフォロー例

  • インターン生限定選考の案内
  • ESや適性検査の免除措置
  • WEB面談の実施

そして、採用広報の解禁や選考開始を見据えて最終調整に入ります。この時期から、面接官の選定やトレーニングを行えればベストです。

新卒向けの就職ポータルサイトでは、3月にエントリー予約や説明会予約が始まる点にも注意してください。もし企業単体で準備を行うのに不安があれば、採用代行(RPO)を使うことも考えましょう。

当社では、貴社の新卒採用を成功に導くため、説明会への学生誘導や就職サイトの管理、さらにダイレクトリクルーティングを活用した母集団形成まで、幅広く採用代行サービスを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。

新卒採用でお困りではないですか?

新卒採用の母集団形成の難しさ、採用活動のマンパワー不足、選考の効率化など、新卒採用のお悩みを当社が解決します。まずはお気軽にご相談ください。

まずはこちらから無料相談

当年3月~5月:採用広報解禁

3月からは、いよいよ採用広報が解禁されます。企業説明会や就活イベント、オファーなどが次々と実施されるため、採用担当者の腕の見せどころです。

現在の採用活動は、非常に早期化している点に注意してください。マイナビの調査によると、24卒や25卒への内々定出しは3月がピークであり、すでに就活を終了している学生も出てきます。

出典:マイナビ「2025年卒内定者意識調査

よって優秀な学生へのアプローチは、なるべく早く行うことが重要です。タイプ3やタイプ4で取得した学生の情報があれば、積極的に活用しましょう。

内定式が終わるころまでは、採用担当者は多忙な日々が続きます。会社全体でしっかりとフォローし合うことが重要となるでしょう。

当年6月~9月:最終選考と内定者フォロー

このころになると、選考に進んだ学生への面接や内定出しがメインです。マイナビの調査では6月時点で、25卒の学生の8割以上が少なくとも1社、内定を獲得しています。

大学4年生は最後の夏季休暇に入り、就活は本格化します。ただし理系学生などは卒論で忙しいため、アプローチが難しい点は留意しておきましょう。

第一希望の選考に漏れて、就活が2周目に入っている学生もいます。自社が欲しい能力を持った学生の動向を見逃さず、採用のチャンスをうかがうことが重要です。

当年10月~翌年2月:内定式と内定者研修

大部分の学生が就職活動を終了し、採用活動もようやく一区切りです。内定式と内定者研修を実施し、内定を獲得した学生との接点を深めましょう。

内定者をフォローし、入社までのモチベーションを維持させることが重要です。オンボーディングをしっかり行えば、内定辞退率だけでなく、早期離職率低下にもつながります。

もし内定辞退や選考の途中離脱が起こった場合、追加の採用を行う必要があるかもしれません。この時期に就活を行う学生は少数ですが、内定辞退をした、もしくはまだ内定をもらっていない学生が残っているため、粘り強く人材確保に務めましょう。

新卒採用の早期選考が注目される理由

近年の新卒採用市場では、学生と企業との接点が年々早期化しており、選考フェーズもそれに伴って前倒しになる傾向が顕著です。
マイナビの調査によると学生が入社予定企業と最初に接点を持つ時期は、本選考前のプレ期間が全体の約54%を占めています。

出典:マイナビ「2024年卒内定者意識調査

このデータが示す通り、新卒採用における競争は、もはや本選考開始の当年3月よりも前にスタートしていると言えるでしょう。多くの学生は本選考が解禁される3月以降、それまでの活動を終えて落ち着きを見せる傾向があります。そのため、採用活動の開始が遅れた企業は、母集団形成(採用候補者となる学生の人数を増やすこと)において、非常に厳しい状況に立たされることになります。

また、早期選考が注目される背景には、以下のような要因も考えられます。

学生の売り手市場化
少子化の影響もあり、学生の売り手市場が続いています。企業は優秀な学生を早期に確保する必要に迫られています。
インターンシップの普及
インターンシップに参加する学生が増え、企業は早期に学生の能力を見極める機会を得ています。
学生の意識変化
学生も早期に就職活動を始める傾向が強まっており、企業もそれに合わせて対応する必要が出てきました。

これらの要因が複合的に絡み合い、新卒採用市場はますます早期選考へとシフトしています。企業は従来の採用活動のスケジュールにとらわれず、早い段階から学生とのコミュニケーションを密にすることで、優秀な人材を獲得できる可能性を高めることができるでしょう。

新卒採用において早期選考を実施する5つのメリット

新卒採用において、早期選考をすべきメリットは以下の5つです。

  1. 早々に採用活動を完了できる
  2. 優秀な人材を確保しやすい
  3. 多くの学生と交流できる
  4. 採用活動の質が高まる
  5. 人材の定着率向上が期待できる

早々に採用活動を完了できる

早期選考を実施する大きなメリットの一つとして、「採用活動を早期に完了できる」点が挙げられます。
早期から選考を開始することで、採用目標の達成時期を大幅に前倒しできます。これにより、採用活動が長期化した場合に起こりがちな、採用担当者の業務過多やリソースの浪費といった問題を回避できます。

また、採用活動が早期に完了すれば、担当者は内定者フォローに十分な時間を割くことができるようになります。内定者との密なコミュニケーションを図ることで、入社意欲を高め、内定辞退を防ぐ効果が期待できます。また、来季の採用活動に向けた内容の見直しや改善にも余裕を持って取り組むことができます。

優秀な人材を確保しやすい

早期選考に応募する学生は、一般的に自身のキャリア形成に高い関心を持ち、将来を見据えて就職活動に取り組んでいる傾向があります。彼らは、就職活動や仕事に対する熱意が高く、情報収集能力にも長けているため、企業研究や業界動向を深く理解した上で選考に臨んでいます。つまり、早期選考には、ポテンシャルが高く、即戦力として活躍できる可能性を秘めた人材が集まりやすいと言えます。

ただし、早期選考で内定を出した場合、入社までの期間が長くなるため、内定辞退のリスクがあることも事実です。内定を出した学生の企業への熱が下がらないように、内定後のフォローは丁寧に行いましょう。

多くの学生と交流できる

採用活動を早く開始すれば、それだけ多くの学生との接点が得られます。説明会やインターンシップ、選考イベントなど、様々な場面で学生とコミュニケーションを図ることができます。これらの機会を通じて、学生の個性や能力、価値観などをより深いレベルで理解することが可能になります。

学生との交流が増えることで、企業は自社が求める人物像に合致する学生を見抜きやすくなります。また、企業側も学生に対して、自社の魅力や社風をより深く理解してもらうことができます。このような相互理解は、採用後のミスマッチを減らし、内定辞退率の低下や入社後の定着率向上に繋がると考えられます。

採用活動の質が高まる

早期選考では、選考プロセスに時間的な余裕を持つことができます。これにより、採用活動全体を俯瞰し、見直しや改善を行うための時間を確保できます。例えば、選考フローの各段階における課題点を洗い出し、より効果的な選考方法を検討したり、採用基準を見直したりすることが可能です。

また、早期選考は、競合他社の動向や学生のニーズを把握する機会にもなります。他社の採用スケジュールや選考内容を分析することで、自社の採用戦略を柔軟に調整できます。例えば、競合他社の選考に漏れてしまった学生を対象とした選考日程を設けるなど、状況に応じた柔軟な対応が可能になります。

さらに、時間的余裕があることで、採用活動の振り返りやブラッシュアップに時間を費やすことができます。選考結果や学生からのフィードバックを分析し、改善点を洗い出し、次の選考活動に反映させることで、採用活動の質を継続的に向上させることができます。いわゆるPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回しやすくなるため、より効果的な採用活動を展開することが可能になります。

人材の定着率向上が期待できる

早期選考に応募してくる学生は、一般的に自身のキャリア形成に高い関心を持ち、明確な目標を持って就職活動に取り組んでいる傾向があります。彼らは、仕事に対する熱意が高く、自ら積極的に情報収集を行い、企業理解を深めようと努めます。そのため、早期選考の過程で、企業が学生に対して自社の理念やビジョン、事業内容を丁寧に説明し、相互理解を深めることで、入社後のミスマッチを減らす効果が期待できます。

2019年のパーソル研究所の調査によると、インターン参加者とそうでない学生では、入社後の3年離職率に大きく差がありました。詳しくは以下のグラフをご覧ください。

出典:パーソル総合研究所「企業インターンシップの効果検証調査

上記の結果では、インターンシップ参加者の3年離職率が16.5%であったのに対し、非参加者の離職率は34.1%と、17.6%もの差がありました。この結果からも、早期に企業理解を深め、相互理解を促進することが、人材の定着率向上に大きく貢献することがわかります。

ただし、早期選考は、あくまで人材の定着率向上を促進する一つの手段に過ぎません。入社後の丁寧なフォローや育成制度の整備、働きがいのある環境づくりなど、様々な要素が組み合わさって、はじめて人材の定着が実現します。早期選考を通して入社した人材に対しても、継続的なサポートを行うことが重要であることを忘れないようにしましょう。

新卒採用で企業側が押さえるべきポイント5選

前回の採用活動を見直す

新卒採用を成功させるためには、計画的な準備が不可欠です。その中でも特に重要なのが、「前年度の採用活動を見直す」という点です。これは、過去の経験を活かし、より効果的な採用活動を展開するための基礎となるからです。

採用活動を始める前に、必ず前年度の採用活動を振り返り、良かった点と改善点を明確に把握することから始めましょう。例えば、以下のような点を分析することが重要です。

  • 採用目標の達成状況: 採用人数、応募者数、内定者数などの目標達成度を評価します。
  • 採用手法の有効性: 説明会、インターンシップ、選考プロセスなど、各採用手法の効果を検証します。
  • 採用活動のスケジュール: スケジュールが適切であったか、改善点はないかを検討します。
  • 学生からのフィードバック: アンケートや面談などを通して、学生からの率直な意見を収集します。
  • 採用担当者の反省点: 採用担当者自身が、改善点や課題点を洗い出します。

これらの分析を通じて、前年度の採用活動における成功要因と課題を明確にすることで、より効果的な採用計画を迅速に立てることができます。

近年の採用活動は早期化が進んでおり、インターンシップなどの早期選考が一般化しています。そのため、採用計画の策定が遅れると、広報活動が解禁された時点で、競合他社に大きな差をつけられてしまう可能性があります。

市場での優位性を保ち、優秀な人材を獲得するためにも、過去の採用活動を徹底的に見直し、その結果を次年度の採用計画に反映させることが不可欠です。

理想とする人材像を明確にする

理想的な人物を採用するためにも、自社にどのような人材が必要かは明確にしておく必要があります。

自社が求める人材像が曖昧なまま採用活動を進めてしまうと、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 採用戦略の迷走: どのような学生にアプローチすべきか、どのような選考基準を設けるべきかなど、具体的な採用戦略が立てられなくなります。
  • ミスマッチの発生: 企業の求める人物像と異なる学生を採用してしまい、入社後のパフォーマンス低下や早期離職につながる可能性があります。
  • 採用活動の非効率化: 採用基準が定まらないため、多くの学生と面接を繰り返すことになり、採用担当者の負担が増大します。

これらの問題を回避するためにも、以下のような点を考慮して、具体的な人物像を定義することが重要です。

  • 企業の理念・ビジョンとの適合性: 自社の理念やビジョンに共感し、共に成長していける人材であるか。
  • 求めるスキル・知識: 業務遂行に必要な専門知識やスキルだけでなく、ポータブルスキル(コミュニケーション能力、問題解決能力など)も考慮します。
  • 性格・価値観: 自社の社風や文化に合う、協調性や主体性を持った人材であるか。
  • キャリアパス: 入社後のキャリアプランを明確に示せるか。

これらの要素を踏まえ、具体的な人物像を設定することで、採用活動全体の方針が定まり、効果的なアプローチが可能になります。

理想とする人材像を明確にすることで、採用担当者は「どのような学生にアプローチすべきか」「どのような選考基準を設けるべきか」といった具体的な戦略を立てることができます。新卒採用の成功は、この「理想とする人材像を明確にする」という最初のステップにかかっていると言えるでしょう。

理想の人材像を決めるには、ペルソナを作るのが非常に有効です。下の記事で採用ペルソナの作り方を詳細に解説しているので、ぜひ参考にしてください。

競合他社と学生の動向を確認する

新卒採用活動を成功させるためには、自社の戦略だけでなく、外部環境を把握することも不可欠です。特に競合他社と学生の動向を確認することは、効果的な採用活動を展開するために重要な要素となります。
まず、競合他社の採用状況や選考日程を常にチェックすることは、自社の採用活動を優位に進める上で非常に重要です。

競合他社の採用スケジュール
競合他社の採用スケジュールを把握することで、自社の選考日程を調整し、学生が複数の企業の選考を受けやすくしたり、競合他社の選考に落ちた学生をターゲットにしたりする戦略を立てることができます。
競合他社の採用手法
競合他社がどのような採用手法を用いているのかを分析することで、自社に合った採用手法を取り入れることができます。成功している企業の戦略を参考にすることは、自社の採用活動を大きく改善するヒントになります。

また、学生は学部や分野により、動向がまったく異なります。以下のような特徴を押さえておくことで、それぞれの学生に合った最適なアプローチが可能です。

理系学生
研究室での活動や卒業論文の作成で忙しく、就職活動に充てられる時間が限られている場合があります。インターンシップや早期選考などを活用し、早めに接点を持つことが有効です。
文系学生
一般的な就職活動スケジュールに合わせて動くことが多いですが、企業研究や自己分析に時間をかける傾向があります。説明会やキャリア相談などを通して、企業理解を深めてもらうことが重要です。
体育会系学生
部活動のシーズン中は、就職活動に時間を割くことが難しい場合があります。競技シーズン終了後に、説明会や選考会を開催するなど、スケジュールを考慮する必要があります。

学生に寄り添ったアプローチを行い、学生の共感や興味を引ければ、応募数や採用数の増加が期待できます。

内定者へのフォローアップを徹底する

新卒採用において、内定を出した後の「内定者へのフォローアップを徹底する」ことは、採用活動の成功を左右する非常に重要な要素です。
特に、早期選考で内定を出した場合、学生は入社までの期間が長くなるため、その間に他社からも内定を得る可能性があります。その結果、志望度が低い場合やより魅力的な企業から内定を得た場合、内定辞退に繋がるリスクがあります。

売り手市場で転職も一般的になってきている現代では、企業は「選ばれる側」という意識を持つ必要があります。学生が内定先を選ぶ際に、企業の対応や姿勢は重要な判断材料となります。企業が内定者を大切にする姿勢を示すことは、内定辞退を抑制するだけでなく、企業に対する信頼感や入社意欲を高める上で非常に重要です。

採用活動の振り返りと改善をかならず行う

新卒採用活動は、一度実施して終わりではありません。より良い採用活動を継続するためには、本年度の活動を振り返り、改善点を洗い出すことが不可欠です。たとえ成功したと感じる年でも、必ず「採用活動の振り返りと改善」を行い、次年度の採用活動に繋げましょう。

採用活動の振り返りでは、以下の項目を軸に、具体的なデータに基づいた検証を行うことが重要です。

  • 選考基準 : 設定した選考基準が適切であったか、見直すべき点はなかったか。
  • 採用コスト : 採用活動全体にかかった費用を算出し、費用対効果を検証します。
  • 採用に使った媒体や業者の評価 : 利用した採用媒体や人材紹介会社の評価を行い、次年度の選定に役立てます。
  • 応募者数と内定率 : 応募者数や内定率を分析し、採用活動の有効性を評価します。
  • 応募辞退率や面接辞退率 : 辞退率が高い場合は、選考プロセスや企業魅力の発信方法に問題がある可能性を検討します。
  • インターン生からのフィードバック

たとえ今回の採用活動がうまくいかなかったとしても、反省点を洗い出し、次回の採用活動に備えることが非常に重要です。採用活動の振り返りを怠ると、同じ過ちを繰り返すことになり、採用担当者の負担が増大するだけでなく、企業の成長を妨げる可能性もあります。

採用活動の振り返りと改善は、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回し、継続的に採用活動の質を高めていく上で不可欠です。また、採用活動におけるKPI(重要業績評価指標)を設定することで、より効果的な振り返りや改善が可能になります。

当メディアでは、採用活動におけるKPI(重要達成度指標)の設定と重要性に関する解説も行っています。ぜひ以下の記事を参考に、採用活動の効率化を図りましょう。

【まとめ】新卒採用成功への道筋、徹底したスケジュール管理と継続的な改善

近年の新卒採用市場は、加速度的な早期化が進んでおり、企業はより早い段階から学生との接点を持つことが求められています。特に、優秀な人材を確保するためには、綿密な計画と迅速な行動が不可欠です。

この記事では、新卒採用における年間スケジュール、早期選考が注目される背景、早期選考のメリット、そして企業が押さえるべきポイントについて解説してきました。特に早期選考は、優秀な人材を確保するだけでなく、採用活動の質を高め、人材の定着率向上にも繋がる可能性を秘めていると言えるでしょう。

採用活動は、内定者を出すことがゴールではありません。内定者への丁寧なフォローアップ、そして採用活動全体の振り返りと改善を継続的に行うことが、内定辞退や早期離職を防ぎ、長期的な人材育成に繋がります。
しかし、新卒採用活動はそのプロセスが長期にわたり、かつ複雑であるため、人事担当者の負担は非常に大きくなります。特に、人手不足に悩む企業にとっては、採用活動におけるノンコア業務にまで手が回らないという課題を抱えているのではないでしょうか。

もし、貴社が新卒採用活動でお困りの際は、ぜひ当社にご相談ください。当社は90年にわたり、企業の採用活動を支援してきた豊富な経験とノウハウを活かし、貴社の採用活動を最大限にサポートさせていただきます。採用計画の策定から、選考プロセスの効率化、内定者フォローまで、幅広くご支援いたします。

まずは無料相談からでも構いません。ぜひお気軽にご連絡ください。貴社の人材戦略を成功へと導くお手伝いをさせていただければ幸いです。

新卒採用のお悩み、ご相談ください

当社では、就職サイトへの掲載・管理、就職イベントやダイレクトリクルーティングを活用した母集団形成、エントリー者への連絡や書類審査などの一次スクリーニングまで、貴社の新卒採用活動を幅広くサポートします。

まずはこちらから無料相談

関連記事

お電話はこちら

月~金曜日(土・日・祝日除く)
9:00~18:00

東京本社 03-3265-9113
名古屋支社 052-581-9591
大阪支社06-6456-4561
九州支社092-431-6611