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2025.02.17最終更新日2025.02.17

【中小企業向け】初めての新卒採用マニュアル:成功に導くステップ完全ガイド

【中小企業向け】初めての新卒採用マニュアル:成功に導くステップ完全ガイド

少子高齢化による人手不足は年々深刻化し、打開策として新卒採用に力を入れたいとお考えの人事・採用担当者もきっと多いことでしょう。
ただ、初めて・久しぶりの新卒採用で、「どのように進めればよいのか分からない」「大手企業と競争できるのか不安」といった悩みを抱えている人もいるはず。

本記事では、新卒採用の基礎知識から中小企業向けの採用戦略、具体的な採用ステップ、その上で必要な戦略やポイントを分かりやすく解説します。「初めての新卒採用を成功させたい」「大手企業との差別化を図りたい」と考える中小企業の採用担当者に向けた内容になりますので、ぜひ採用活動の参考にしてください。

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中小企業が新卒採用を成功させるための基礎知識

まずは、新卒採用の基礎、採用成功の第一歩として、以下の3点について解説していきます。

  • 新卒採用のスケジュールと全体の流れ
  • 新卒採用手法の種類と特徴
  • 新卒採用にかかる費用と予算計画

新卒採用のスケジュールと全体の流れ

新卒採用を成功させるためには、年間スケジュールを理解し、計画的に進めることが重要です。経団連の就活ルールに沿って新卒採用を行う場合、一般的な年間スケジュールは以下のようになります。

(2027年4月入社の場合の例)

  • 2025年5月頃:前回の採用活動振り返りとインターンシップの準備
  • 同6月~9月:夏季インターンシップの開催、企業説明会の設定
  • 同10月~12月:秋冬インターンシップの開催、採用広報の準備
  • 2026年1月~2月:インターン参加者のフォロー、選考準備の最終調整
  • 同3月~5月:採用広報解禁、エントリー受付・説明会開催
  • 同6月~9月:最終選考と内定者フォロー
  • 同10月~2027年2月:内定式、内定者研修の実施
  • 2027年4月:入社式

 このスケジュールはあくまで一例であり、業界や企業ごとの方針によって異なる場合もあります。特に中小企業では、大手企業と同じスケジュールで進めると優秀な人材を確保しづらくなるため、早期から学生と接点を持ち、独自のスケジュールで採用活動を行うことも有効です。

新卒採用のスケジュールについて、さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

新卒採用手法の種類と特徴

新卒採用を成功させるためには、自社の規模や予算、ターゲットとする学生層に合った採用手法を選ぶことが重要です。

近年、新卒採用の手法は多様化しており、企業の方針や風土に合った方法を選び、組み合わせて活用することが重要です。ここでは、代表的な採用手法と近年注目されている手法について紹介します。

■就活サイト

多くの学生が利用する代表的な採用手法で、広範囲にアピールできるのが特徴です。

  • 求人情報・会社情報・PR等の掲載に加え、DMやスカウトも送信可能
  • 基本的に掲載課金型のものがほとんどなので必要な費用の予測が立てやすい

■新卒人材紹介サービス

専門のエージェントがマッチングを行い、企業の求める人材を紹介するサービスです。

  • 企業の知名度に関係なく、適した学生と出会える可能性がある
  • 初期投資が不要である一方で、成果報酬型で採用単価は高めな場合が多い

■合同説明会/新卒採用イベント

多くの企業が参加する説明会や採用イベントで、直接学生と接点を持つことができます。

  • 一度に多くの学生と出会えるため、効率的に母集団を形成できる
  • 大手含め多くの企業が同時に参加するので競争が激しく、ブースの設計やプレゼン内容の工夫が必要

■インターンシップ

学生に業務体験を提供し、企業理解を深めてもらう手法です。

  • 面接だけではわからない学生の適性やポテンシャルを把握できる
  • 2025年卒採用からは「採用直結型インターンシップ」が可能となり、より戦略的な活用が重要に
  • 企業側と学生双方にとってミスマッチを防ぐ手段として注目されている

■ダイレクトリクルーティング

学生の応募を待つのではなく、企業側が自社にマッチする学生に直接アプローチする手法です。

  • 就活サイトでは埋もれがちな企業でも、個別にアピールできる
  • 事前のターゲット設定やスカウトメールの文面・内容が成功の鍵を握る

■自社ホームページ/オウンドメディアリクルーティング

自社サイトや採用特化のコンテンツを活用する手法です。

  • 自由度が高いので載せたい情報・アピールしたい情報を好きなデザインで表現できる
  • 採用だけでなく、自社認知の向上に繋がるような情報も同時に掲載できる

■大学就職課/大学キャリアセンター

大学を通じた採用活動で、学内説明会や求人票の掲載などが可能。

  • ターゲットに合わせて大学や学部を絞って求人を行うことができる
  • コストはほとんどかからず、大学との関係性が重要なポイントとなる

自社に合った手法を適切に組み合わせることで、限られた予算とリソースの中でも効果的な新卒採用活動を行うことができます。特に中小企業では、大手企業と同じ手法だけでなく、インターンシップやダイレクトリクルーティングなどを積極的に活用することが成功の鍵となります。

新卒採用にかかる費用と予算計画

新卒採用にはさまざまな費用が発生します。あらかじめ必要な項目を把握し、適切な予算を確保することが重要です。

採用活動で発生する主な費用には、以下のようなものがあります。

  • 広告費・就活サイト掲載費(求人広告やスカウトメールの利用など)
  • 採用管理システムの使用料(エントリー管理や選考フロー管理のためのシステム費用)
  • 合同説明会等のベント参画費(ブース設営費や出展料など)
  • 採用ツール制作費(採用サイト、パンフレット、動画制作など)
  • 説明会・選考会等の会場使用料
  • 学生及び採用担当者の交通費
  • 選考や研修に関連する飲食費・宿泊費(地方学生の交通・宿泊サポートなど)
  • 資料・通知等の郵送にかかる送料
  • その他活動費(インターンシップ運営費、内定者フォロー施策など)

新卒採用の平均費用

新卒採用にかかる具体的な費用は以下の通りとなっています。

新卒採用費総額平均
約287万円
(上場企業:約917.6万円/非上場企業:約233.1万円)
新卒採用単価平均
約56.8万円
(上場企業:約49万円/非上場企業:約57.5万円)
※入社予定者1人あたりの採用費平均

出典:マイナビ2024年卒企業新卒内定状況調査

予算計画の立て方

採用予定人数、募集職種、採用活動期間などを考慮し、適切な予算を策定しましょう。
特に、インターンシップやダイレクトリクルーティングなどの新しい採用手法を取り入れる場合は、それに応じた費用計画を立てることが大切です。コストを抑えつつ効果的な採用活動を行うために、自社に合った手法を選び、予算の最適化を図りましょう。

初めてでも安心!新卒採用の基本6ステップ

新卒採用は、ただ闇雲に進めても良い結果は得難いと言えます。
「採用活動を始めたものの、本当にこのやり方で良いのか…」そんな不安を抱えている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

そんな方は、まずは下記のステップを参考に進めてみてはいかがでしょうか。

  • ステップ1:採用計画の策定
  • ステップ2:インターンシップの活用
  • ステップ3:母集団形成(採用手法の選定)
  • ステップ4:選考活動
  • ステップ5:内定者フォロー
  • ステップ6:入社後の育成

この6つのステップを一つずつ丁寧に実行することで、中小企業でも新卒採用を成功につなげることができるでしょう。

ステップ1:採用計画の策定

新卒採用を成功させるためには、事業方針や経営戦略を踏まえ、「いつ・どのように採用活動を進めるのか」を明確にする 採用計画 を策定することが重要です。
採用計画を事前にしっかりと立てておくことで、関係者間での認識のズレを防ぎ、スムーズな意思決定が可能になります。また、採用活動の各段階での方向性を統一しやすくなります。

採用スケジュール
いつから採用活動を開始し、いつまでに内定を出すのか、具体的なスケジュールを立てます。中小企業の場合、大手企業よりも早期に動き出すことで、優秀な学生にアピールできる可能性があります。
予算
採用活動にかけることができる予算を明確にします。広告費、採用管理システム利用料、イベント参加費、交通費など、費用の内訳を細かく洗い出し、優先順位をつけて予算配分を行いましょう。
求人要件
どのようなスキル、能力、経験、価値観を持った人材を求めているのかを明確にします。単に「優秀な人材」という抽象的な表現ではなく、具体的な人物像を描くことが重要です。
選考方法と評価基準
書類選考、面接、筆記試験、適性検査など、どのような選考方法を用いるかを決定します。各選考方法において、どのような点を評価するのかを具体的に設定しましょう。
内定後・入社後のフォロー
内定から入社までの期間、内定者の不安を解消し、入社意欲を高めるためのフォロー方法を検討します。また、入社後の育成計画についても、具体的に計画を立てておきましょう。
振り返り・分析のタイミング
採用活動の各段階で、進捗状況や成果を定期的に評価し、改善点を見つけるためのタイミングを設定します。KPI(重要業績評価指標)を設定し、客観的なデータに基づいて評価を行うことが重要です。具体的には、エントリー数、説明会参加率、内定承諾率などをKPIとして設定するといいでしょう。

事前にこれらのポイントを明確にしておくことで、採用活動の精度が高まり、より効果的な新卒採用が実現できます。

ステップ2:インターンシップの活用

インターンシップは、企業が学生を対象に実施する職業体験プログラムです。
特に知名度や規模に不安がある中小企業にとっては、学生に自社を知ってもらい、興味を持ってもらう貴重な機会となります。

インターンシップには、大きく分けて 「職業体験を伴うもの」 と 「職業体験を伴わないもの」 の2種類がありそれぞれ以下のような特徴があります。

【職業体験を伴うインターンシップ】

▼汎用的能力・専門活用型インターンシップ

  • 学生が職場での実務を体験し、社員による指導やフィードバックも行う。
  • 「汎用的能力」は5日以上、「専門活用型」は2週間以上の中長期で行う必要がある。

▼高度専門型インターンシップ

  • 理系・博士課程の大学院生が、専門分野の実務を体験するインターンシップ。
  • 2ヶ月以上の長期に渡って行われるので、厳格な内容・スケジュールの調整が必要。

【職業体験を伴わないインターンシップ】

▼オープンカンパニー

  • 企業がPRや情報提供を行う、説明会方式のインターンシップで職場体験は行わない。
  • 座学での企業説明や正社員との交流が主な目的。

▼キャリア教育

  • 学生が自身のキャリアについて考え、自己分析を深めるために行われる。
  • 正式な大学の授業として、企業と大学が連携して実施する場合も多い。

自社に合ったインターンシップの種類を選び、戦略的に活用することで、早期から優秀な学生と接点を持ち、採用成功につなげることができます。

各インターンシップについて、さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

ステップ3:母集団形成(採用手法の選定)

新卒採用において 「どのように学生と接点を持つか」 は、成功の鍵を握る重要なステップです。
自社に適した人材を確保するためには、単一の手法に依存するのではなく、費用や各手法のメリット・デメリットを考慮しながら、効果的な組み合わせで実施することが重要です。

インターンシップの開催および情報サイトへの掲載
・早期から学生と接点を持ち、興味・関心を引きつける。
・実際の業務体験を通じて、企業の理解度を高めることが可能。
就活サイトへの求人情報掲載
・最も一般的な手法 であり、多くの学生にアプローチ可能。
・企業の知名度や情報量によって、閲覧数や応募率が変動する。
合同説明会・就活イベントへの参加
・一度に 多くの学生と直接対話できる機会 を得られる。
・企業ブースへの集客や、他社との差別化を意識した準備が重要。
自社採用ホームページや採用専用SNSの活用
・企業の独自性や魅力を自由に発信できる。
・長期的な採用ブランディングにつながる。
ダイレクトリクルーティング(スカウトメールの送信)
・企業側から 求める人材に直接アプローチ できる。
・ターゲット設定やスカウト文面の質が、成果に大きく影響する。

母集団形成の段階では、単に多くの応募を集めることを目的とするのではなく、自社の採用ターゲットに合った学生との接点をいかに増やせるかがポイントです。そのために、複数の手法を組み合わせ、効率的かつ戦略的に採用活動を進めましょう。

ステップ4:選考活動

新卒採用における選考は、経験やスキルよりも将来性・成長性・可能性を評価することがメインとなります。
また、売り手市場の昨今では、面接は企業側が一方的に学生を評価・選ぶ場ではなく、お互いを知る場という側面が強くなっています。
そのため、企業側も学生に選ばれることを意識し、 選考プロセスそのものが「自社の魅力を伝える機会」である という認識を持つことが重要です。
それらを踏まえ、選考活動においては以下の点をしっかり決めておきましょう。

選考活動の主な項目

選考方法
・エントリーシートの内容(志望動機・自己PR・適性確認 など)
・適性検査の実施有無と内容(性格診断・能力試験 など)
・面接の形式(個別・集団・オンライン など)
選考フローの設計
・選考の流れとスケジュールを明確に決めておく(書類選考→一次面接→最終面接 など)
・各選考段階の目的を整理し、評価ポイントを統一する
評価基準の設定
・どの選考段階で「どのようなポイントを評価するのか」を明確にする
・面接官ごとに判断基準がブレないよう、評価シートの活用も検討
面接官の選定・トレーニング
・面接官によって学生に与える印象が大きく変わるため、適切な人選が重要
・企業の魅力を伝えつつ、学生の強みを引き出す 「双方向のコミュニケーション」ができるようトレーニングを実施
面接時の質問・確認事項
・評価したい要素に沿った質問を設計(志望動機・価値観・チームでの経験 など)
・一方的な質問にならないよう、学生の話を引き出す工夫をする

選考は「学生を見極める場」であると同時に、「学生に自社を選んでもらう場」でもあります。
スムーズな選考プロセスを設計し、学生の納得感を高めることが、最終的な内定承諾率の向上にもつながるでしょう。

ステップ5:内定者フォロー

新卒採用では内定から入社までの期間が非常に長いのが特徴です。
4月入社予定の学生の内定ピークは前年6月頃ですが、インターンシップを経た早期選考で、大学3年生のうちに内定が出るケースも増えています。
そのため、内定者期間が10ヶ月以上続くことも珍しくなく、その間に就職活動を継続する学生も少なくありません。
また、1社内定をもらったから必ずその企業に入社、というわけではなく、内定獲得後も就職活動を継続し、入社する・したい企業を比較・検討することがスタンダードとなっています。
これらを考慮し、内定期間に入社意欲を高めてもらうようなフォローを行いましょう。

効果的な内定者フォロー施策

内定式を印象的なものにする
・企業のビジョンや文化を深く伝える機会にする(代表や役員との対話 など)
・内定通知を 特別な形で演出する(動画メッセージ・オリジナルギフト など)
内定者同士の関係構築を促す
・内定者懇親会の開催(食事会・宿泊研修 など)
・オンライン交流会の実施(遠方の学生も参加しやすい形式で)
先輩社員との交流の場を設ける
・座談会やQ&Aセッション(若手社員とのカジュアルなトーク など)
・メンター制度の導入(年齢の近い社員が定期的にフォロー)
個別フォローで不安を解消する
・定期的な面談を実施(内定者一人ひとりの悩みや不安をヒアリング)
・キャリア相談や会社理解を深める場を提供
社内イベントへの招待
・内定者限定の社内イベントを企画(社内見学・プロジェクト体験 など)
・既存社員とのカジュアルな接点を増やす

「この会社で働きたい!」と思える体験を提供することが、入社意欲の向上につながります。
内定者フォローを充実させ、安心して入社を迎えられる環境を整えましょう。

ステップ6:入社後の育成

新卒社員は 入社がゴールではなく、スタート です。
企業の一員として 戦力化し、長く活躍してもらうためには、入社後の育成が不可欠 です。

特に近年は売り手市場の影響もあり、 入社3年以内の早期離職率が高まっています。
「思っていた仕事と違う」「成長できる環境がない」といった理由での離職を防ぐためにも、 入社後の育成とフォローを計画的に実施 しましょう。

新卒社員の成長・定着につながる育成施策

スムーズな立ち上がりを支援する
・オンボーディングプログラムの充実(会社・業務・文化への適応支援)
・メンター・バディ制度の導入(年齢の近い先輩社員がサポート)
成長をサポートする仕組みを整える
・定期的なフォロー面談(悩み・課題のヒアリングとアドバイス)
・キャリアビジョンの共有と支援(個々の目標設定と成長機会の提供)
働きやすい環境を整備する
・心理的安全性の高い職場づくり(相談しやすい文化・フィードバックの促進)
・適切な業務配分とサポート体制の確立(過度な負担を防ぎ、学びの時間を確保)

「この会社で成長できる」「ここで働き続けたい」と思える環境を作ることが、企業と社員の双方にとって大きなメリットとなります。
計画的な育成を通じて、新卒社員の定着・活躍をサポートしていきましょう。

新卒社員の育成・早期離職防止対策について、さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

中小企業が直面する新卒採用の課題

中小企業が新卒採用に取り組む際、大手企業とは異なる特有の課題に直面するのは避けられません。以下の課題を認識し、適切な対策を講じることが、採用成功への鍵となります。

  • 企業認知度が低い
  • 大手企業との競争力の違い
  • 採用リソースに制約が出てしまう

中小企業が直面する主な課題とその原因、そして解決に向けたヒントを解説します。

企業認知度が低い

「大手企業に比べて、どうしても企業認知度が低い…」。中小企業の人事担当者の皆様にとって、これは常に頭を悩ませる課題ではないでしょうか。就活サイトに求人情報を掲載しても、残念ながら多くの情報の中に埋もれてしまい、なかなか学生の目に留まらないのが現実です。

しかし、認知度の低さは、決して克服できない壁ではありません。大手企業と同じ土俵で戦うのではなく、中小企業ならではの強みを活かした戦略を立てることが重要です。

ターゲットを絞り込む
すべての学生にアピールするのではなく、自社の理念や文化に共感する可能性の高い学生層に焦点を当て、集中的にアプローチしましょう。
ニッチな分野でNo.1を目指す
特定の分野で強みを発揮し、専門性の高い学生にアピールすることで、大手企業との差別化を図りましょう。
インターンシップを積極的に開催
企業の雰囲気を直接体験してもらい、共感を呼ぶことで、認知度向上に繋げましょう。
地域密着型の採用活動
地元大学との連携を強化し、地域に貢献する企業としての認知度を高めましょう。

認知度の低さは簡単に克服できるものではありませんが、創意工夫と努力によって解決への道筋が見えてくるはずです。諦めずに自社の魅力を積極的に発信していきましょう。

大手企業との競争力の違い

中小企業が新卒採用活動を進める中で頭を悩ませるのが、大手企業との競争ではないでしょうか。
多くの企業が同じようなスケジュールで選考を進めるため、内定出しのタイミングが重なることは避けられません。そして、中小企業と大手企業から同時に内定が出た場合、残念ながら大手企業を選ぶ学生が少なくないのが現実です。

中小企業だからこそできること、中小企業だからこそ得られる価値を積極的にアピールすることで、大手企業との競争に打ち勝つ必要があります。

採用リソースに制約が出てしまう

中小企業が新卒採用に取り組む際、常に頭を悩ませるのが、採用リソースの制約です。
先ほども紹介したように、新卒採用費総額平均は上場企業約917.6万円に対して、非上場企業約233.1万円となります。この違いを見るだけでも、中小企業の多くが、新卒採用にかけられる費用・リソースに大きな制約があることがわかります。

また、中小企業では、担当者が新卒採用業務と他の業務を兼任するケースも多く見受けられます。そうなると、マルチタスクをこなさなければならず、人員的・時間的な部分での制約も発生することになります。

採用リソースの制約を簡単に解決する方法はありませんが、いくつかの対策を講じることで改善することが可能です。まず、採用業務の効率化が重要です。採用管理システムやオンライン面接ツールを活用することで、業務の負担を軽減し、よりスムーズな採用活動が可能となります。また、社員の巻き込みも効果的な解決策です。社員が積極的に採用活動に関わることで、より多くのリソースを確保することができます。

さらに、採用にかかる費用は短期的な負担に見えるかもしれませんが、将来への投資として捉えることが大切です。良い人材を採用し育成することで、企業の成長に大きな影響を与えるため、長期的な視点を持つことが重要です。

中小企業ならではの新卒採用戦略とは?

新卒採用において、中小企業ならではの課題は上述の通り少なくありません。
しかし、戦略的に採用活動を設計・実行することで、これらの課題を乗り越えることは十分に可能です。

特に重要なのは、以下の4つポイント。

  • 大手企業との差別化を図る:中小企業でも興味を持ってもらう
  • ターゲット学生の設定:求める人物像を明確にする
  • 採用コンセプトの設計:学生に響くメッセージをつくる
  • 効果的な情報発信:中小企業だからこその魅力を学生に伝える

中小企業が学生に選ばれるための採用戦略について解説していきます。

大手企業との差別化を図る:中小企業でも興味を持ってもらう

中小企業が新卒採用を成功させるためには、大手企業と同じ手法を踏襲するだけでは、学生の関心を引くのが難しいのが現実です。そこで、大手にはない魅力を前面に打ち出し、「中小企業でも魅力的なキャリアが築ける」と学生に感じてもらうことが重要です。

具体的には、以下のような方法が効果的です。

採用エリアを見直す
マイナビ2022年卒大学生就職意識調査によると、地方の学生は関東圏の学生に比べて「大企業志向」が低いというデータが出ています。
勤務地が首都圏・関東圏でも、地方の学生にも積極的にアプローチすることで、新たな母集団を形成できる可能性があります。
採用チャネルを多様化する
中小企業の場合、就活サイトに掲載しているだけでは、母集団を形成するのは難しいのが現実です。
先述した様々な手法をはじめ、中小企業向け合同説明会、SNS、リファラル採用、ダイレクトリクルーティングなど、就活サイト以外の手法も積極的に活用しましょう。
学生とのコミュニケーションの量を増やす
選考過程や内定後に、学生とのコミュニケーションの機会を増やすことは、入社意欲を高める面で効果的です。
仕事のことやキャリアのことなどを親身に聞き、アドバイスするなど、学生一人ひとりとしっかり向き合えば、担当者の人間的な部分も学生にとっての魅力になるはずです。
通年採用・秋採用を実施する
大手企業と異なるスケジュールで採用活動を行うことで、競争を避けつつ、多様な人材を確保しやすくなります。
競争回避および多様な人材確保のため、大企業とは異なるスケジュールで新卒採用活動を行う中小企業も増えてきています。代表的なものは、通年採用と秋採用。それぞれ、次のようなスケジュールで実施されます。

■通年採用:会社説明会・広報活動・書類選考・面接・内定通知全て随時実施
■秋採用:6月~8月に会社説明会・広報活動→8月~10月に書類選考・面接→10月以降に内定・入社

このように、大手企業とは異なる視点で採用戦略を考え、学生にアプローチすることが、中小企業の新卒採用成功の鍵となります。

ターゲット学生の設定:求める人物像を明確にする

採用活動において、非常に重要なものの一つとも言えるのが、ターゲットの設定です。
特に中小企業においては、幅広く学生・人材を募るよりも、一点集中的に明確な人物像を決めた上で新卒採用を行う方が、大手との差別化も図れます。

具体的には、以下のような要素を整理し、ターゲットを明確にしましょう。

学部・専攻
業務に必要な専門知識を持つ学生か、学部を問わず意欲を重視するか
人間性・志向
チャレンジ精神がある、協調性が高い、地域貢献意識が強い など
価値観・仕事観
「安定志向」か「成長志向」か、どんな働き方を求めているか
趣味・興味関心
会社の風土に合う特性を持っているか

ターゲットを明確にすることで、採用メッセージの一貫性が保たれ、より響く情報発信が可能になります。さらに、社内で共通認識を持つことで、選考基準がブレにくくなり、ミスマッチの防止にもつながります。

採用コンセプトの設定:学生に響くメッセージをつくる

採用ターゲットが定まったら、次は学生に響く「採用コンセプト」を設定します。

採用コンセプトとは、ターゲットとなる学生に「どんな企業だと思われたいか」「何をアピールするか」を明確にする軸です。単なる企業説明ではなく、学生の心に届くメッセージを作ることが重要です。

  • 自社の魅力を洗い出す:企業の強み、働く魅力、成長環境、社風などを整理
  • ターゲットに響く要素を絞り込む:どのポイントが学生に刺さるかを選定
  • ターゲット目線でメッセージ化する:「◯◯な人と働きたい」「◯◯な未来を一緒に創る」など、共感を生む表現に

このように、企業の強みとターゲットの価値観を結びつけたメッセージを作ることで、学生の興味を引き、応募意欲を高めることができます。

効果的な情報発信:中小企業だからこその魅力を学生に伝える

中小企業だからこそ・自社だからこその魅力や働く上でのメリットは必ず存在します。
それを効果的に発信することは、学生への大きなアピールとなります。

情報発信のポイント

社内の雰囲気や距離の近さを伝える
自社サイトやSNSで、社内イベントの様子や社員同士の交流を紹介
成長機会の多さをアピール
「若手のうちから幅広い業務に携われる」「裁量が大きい」など、成長につながる環境を強調
リアルな働く姿を見せる
普段の仕事風景や、中小企業ならではのチームワークを動画や記事で発信

就活サイトだけでなく、自社メディアやSNSを活用し、学生に親しみやすい形で発信することが重要です。

中小企業が新卒採用を成功させるためのポイント

新卒採用を成功させるためには、これまで紹介した戦略に加えて、採用活動の進め方も重要になります。
特に以下の2つのポイントを意識することで、より効果的な採用が可能になります。

  • 早期からの学生との接触
  • 社員全体での採用活動への協力

これらを実践することで、中小企業ならではの強みを活かし、優秀な学生との出会いを増やすことができるでしょう。

早期からの学生との接触

新卒採用では、本選考が始まる前の段階で、すでに多くの学生が企業と接点を持っている ことをご存じでしょうか?

マイナビ2024年卒内定者意識調査によると、学生が入社予定企業と最初に接点を持った時期は、本選考前のプレ期間が全体の約54%を占めています。

つまり、新卒採用における競争は、本選考開始の当年3月よりも前にスタートしており、母集団形成のためには早期からの学生との接触がカギであると言えます。

さらに、学生との早期接触には以下のようなメリットがあります。

  • 採用活動を早期に完了できる
  • 優秀な人材を確保しやすい
  • 多くの学生と交流できる
  • 採用活動の質が高まる
  • 人材の定着率向上が期待できる

本選考の開始を待つのではなく、インターンシップや業界研究イベント、OB・OG訪問の機会を積極的に活用し、学生との接触を早めることが成功のポイントです。

学生との早期接触のメリットについて、さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

社員全体での採用活動への協力

中小企業の新卒採用は、人事や採用担当者だけでなく全社一丸となって取り組むことが成功のカギとなります。
大手企業のように知名度が高くない中小企業では、「どんな人が働いているのか」「どんな雰囲気の職場なのか」 といった情報が、学生の企業選びの大きな判断材料になります。そのため、現場社員が積極的に採用活動に関わることで、学生の理解や興味を深めることができます。

配属予定部署の社員が業務内容を説明する
実際の仕事のリアルな話を聞けることで、業務への理解が深まる
経営陣が事業や今後の展望を語る
会社のビジョンを直接伝えることで、学生の将来像を描きやすくする
若手社員が座談会や懇談会に参加する
学生が気軽に質問できる場をつくり、企業文化や働く魅力を伝える

社員一人ひとりが採用活動に関わることで、学生の安心感が高まり、企業への興味を強めるきっかけになります。人事部門が中心となって舵を取りながら、全社で採用の意義やミッションを共有し、「会社全体で学生を迎える」姿勢をつくることが、成功のカギとなります。

まとめ|中小企業でも工夫次第で優秀な人材を確保!

本記事では、中小企業が新卒採用を成功させるためのノウハウを紹介しました。
中小企業でもターゲットを明確にし、採用コンセプトを工夫し、効果的な情報発信や社員全体での協力を進めることで、優秀な学生・求める人材を採用可能であることがご理解いただけたはずです。
「もっと具体的なアドバイスがほしい」「自社に合った採用戦略を相談したい」という場合は、ぜひ内藤一水社までご連絡ください。長年蓄積した知識・リソースを活用し、御社の採用成功を全力でお手伝いいたします。

中小企業向け新卒採用戦略、個別相談受付中!

「新卒採用、何から始めれば…」中小企業の人事担当者様、お一人で悩まずご相談ください。貴社の状況に合わせた最適な戦略、採用手法、フォロー方法を専門家が無料でアドバイスいたします。

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