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公開日2026.11.04更新日2026.11.04

【2026年9月度】採用市場動向レポート:有効求人倍率1.19倍、求人広告34.5%増に見る職種間の温度差

【2026年9月度】採用市場動向レポート:有効求人倍率1.19倍、求人広告34.5%増に見る職種間の温度差

2026年9月の採用市場は、公的統計では雇用環境の底堅さがうかがえる一方、民間の求人広告では職種によって動きが大きく分かれました。

厚生労働省が発表した有効求人倍率(季節調整値)は1.19倍、正社員有効求人倍率は1.01倍と、ともに前月から上昇しました。総務省の労働力調査では完全失業率が2.4%へ低下し、就業者数も6,896万人となっています。

一方、求人広告掲載件数は前年同月比+34.5%、正社員求人は+68.2%と大きく増加。ただし、伸びが目立つのはIT技術者や輸送・機械運転などの職種であり、事務や技術者・研究者は前年を下回っています。今回はマクロ・ミクロ両面から、数字の背景にある採用ニーズの違いを読み解きます。

求人倍率と平均時給から見る最新の採用マーケット動向

各都道府県・職種別の有効求人倍率レポート

目次

  • 【最新版】有効求人倍率について
  • 【最新版】職種別有効求人倍率につい
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2026年9月 採用市場の3つのキーポイント

2026年9月の採用市場において、戦略立案の鍵となる動向は以下の3点に集約されます。

  1. 有効求人倍率は1.19倍、正社員倍率は1.01倍へ上昇。
    有効求人倍率は前月比+0.01ポイント、正社員有効求人倍率も+0.01ポイント上昇。新規求人倍率は2.19倍(前月比+0.13ポイント)となり、足元の求人・求職のバランスには改善の動きが見られます。
  2. 完全失業者数は169万人に減少し、就業者数は6,896万人へ。
    完全失業者数は前年同月比▲15万人で2か月連続の減少。就業者数は前年同月比+33万人となり、正規・非正規ともに雇用者数が増えています。
  3. 正社員求人の増加は一部職種で顕著。
    「専門(IT技術者)」は前年同月比+348.7%(787,318件)、「輸送・機械運転」は+115.2%(286,492件)。一方、事務職は▲11.9%(146,441件)、専門(技術者・研究者)は▲15.0%(74,800件)となりました。

【マクロ分析】公的統計データから見る労働市場の全体像

本章では、厚生労働省および総務省が発表した公的統計に基づき、マクロ視点における労働需給の構造変化を詳しく分析します。

【全体】有効求人倍率・完全失業率の推移

2026年9月の主要マクロ指標は、雇用の安定と緩やかな需要の持ち直しを示しています。

指標(季節調整値) 2026年9月 前月比(差) 前年同月差(原数値)
有効求人倍率(全体)



1.19倍 1.18倍 +0.01 ▲0.01
正社員有効求人倍率 1.01倍 1.00倍 +0.01 ▲0.01
新規求人倍率 2.19倍 2.06倍 +0.13 +0.05
完全失業率 2.4% 2.5% ▲0.1 ▲0.2
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(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」、総務省「労働力調査」)

有効求人倍率は1.19倍と前月から0.01ポイント上昇しました。月間有効求人数(季節調整値)がほぼ横ばい(±0.0%)だった一方、有効求職者数は前月比▲1.4%となっています。倍率の上昇には、求職者数の減少が影響していると考えられます。

新規求人倍率は2.19倍で、前月比+0.13ポイント上昇しました。新たな求人を巡る需給にも改善が見られますが、求人倍率は求人と求職の双方の動きによって変わるため、倍率の上昇だけで企業の採用意欲が一斉に高まったとは判断できません。

完全失業率(季節調整値)は2.4%と前月から0.1ポイント低下。完全失業者数(原数値)は169万人で、前年同月比▲15万人、2か月連続の減少となりました。求職理由別でも「勤め先や事業の都合による離職」は20万人(前年比▲3万人)、「自発的な離職(自己都合)」は72万人(前年比▲9万人)と減少しており、雇用環境には一定の安定感がうかがえます。

【雇用形態別】正規雇用の安定成長と非正規雇用の底堅さ

就業者数(原数値)は6,896万人で、前年同月比+33万人、2か月連続の増加となりました。正規の職員・従業員は3,783万人(+23万人、35か月連続増)、非正規の職員・従業員は2,138万人(+47万人、6か月連続増)です。雇用者数も6,265万人(前年比+64万人)と55か月連続で増加しました。

非正規雇用の内訳は次の通りです。

非正規の雇用形態 2026年8月実数 前年同月比 特徴
パート 1,030万人 +7万人増 主力パート層の着実な確保
アルバイト 494万人 +17万人増 現場・店舗要員としての需要増
契約社員 280万人 +16万人増 有期の直接雇用が増加
嘱託 98万人 +1万人増 シニア等の有期契約の維持
労働者派遣 154万人 ▲1万人減 外部派遣リソースの微減

アルバイト(+17万人増)や契約社員(+16万人増)が増える一方、労働者派遣は▲1万人減でした。企業が必要な人材を確保する際、正社員だけでなく複数の雇用形態を活用している様子がうかがえます。ただし、人数の増減だけで採用方針の転換まで断定することはできません。

【産業別】新規求人(ハローワーク)の動向

ハローワークにおける産業別の新規求人(原数値)は、全体で前年同月比 ▲0.4%減(777,944人)となり、ほぼ前年並みの水準となりました。

産業分類(主要産業) 2026年9月新規求人数(人) 対前年同月増減率(%)
製造業 82,006 +8.2%
情報通信業 21,921 +5.9%
サービス業
(他に分類されないもの)
111,408 +4.9%
医療,福祉 208,502 +1.7%
建設業 72,515 +0.6%
運輸業,郵便業 42,730 ▲5.4%
卸売業,小売業 85,957 ▲6.3%
宿泊業,飲食サービス業 60,974 ▲6.3%
生活関連サービス業,娯楽業 22,289 ▲6.7%

生産活動が堅調な製造業(+8.2%)や、社会インフラ維持に直結する情報通信業(+5.9%)、医療,福祉(+1.7%)ではハローワーク求人も前年を超えて推移しています。一方、個人消費や物価高の影響を受けやすい卸売・小売業(▲6.3%)や宿泊・飲食サービス業(▲6.3%)では新規求人の出稿抑制が続いており、産業間での景況感の差がハローワークの数字にも色濃く映し出されています。

【ミクロ分析】求人広告掲載件数から見る企業の採用活動の実態

本章では、企業の採用意欲や予算投入の実態を直接反映する、民間求人媒体のデータ(全国求人情報協会集計)から採用現場の真実に迫ります。
2026年9月の求人広告掲載件数は2,900,314件で、前月比+5.4%、前年同月比+34.5%となりました。公的統計の新規求人数がほぼ前年並みとなる一方、民間求人広告では大きな増加が見られます。

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(出典:全国求人情報協会「求人広告掲載件数等集計結果」)

【雇用形態別】正社員求人が大幅増、アルバイト・パートは前年割れ

民間求人広告を雇用形態別(職種×雇用形態クロス集計)に見ると、公的統計との興味深い「乖離」が見られます。

雇用形態 2026年9月広告件数 前月比 前年同月比 占有率
全体計 2,900,314件 +5.4% +34.5% 100.0%
正社員 2,026,801件 +7.0% +68.2% 69.9%
アルバイト・パート 741,549件 +2.2% ▲8.4% 25.6%
契約社員他 127,653件 ▲0.3% ▲11.7% 4.4%

※全体数値は集計290.0万件ベースによる。

正社員求人は前年同月比+68.2%と増加した一方、アルバイト・パートは▲8.4%となりました。労働力調査ではアルバイトの就業者数が+17万人増えているものの、就業者数は実際に働く人の規模、求人広告掲載件数は募集の出稿量を示すため、両者は必ずしも同じ動きにはなりません。

自社採用サイトやSNS、紹介など広告以外の採用チャネルの利用が影響している可能性もありますが、このデータだけで媒体の移行が進んだと断定することはできません。

【職種別】IT技術者・輸送職種が伸長、事務・技術研究職は減少

正社員求人の主な職種別動向を見ると、増加している職種と減少している職種の差が鮮明です。

【正社員:前年同月比で件数が大幅に「増加」した職種】

職種 前年同⽉⽐
1. 専門(IT技術者) +348.7%(787,318件)※約4.5倍の爆発的急増
2. 輸送・機械運転 +115.2%(286,492件)※2.15倍の倍増
3. 建設・採掘 +37.8%(142,106件)
4. 販売(営業) +8.1%(148,672件)


【正社員:前年同月比で件数が大幅に「減少」した職種】

職種 前年同⽉⽐
1. 専門(保育士・教員等) ▲39.5% 減(※AP中心に大幅減)
2. 専門(技術者・研究者) ▲15.0% 減(74,800件)
3. 事務 ▲11.9% 減(146,441件)

特に「専門(IT技術者)」は787,318件(+348.7%)と大幅に増加し、正社員求人全体(202.6万件)の38.8%を占めています。「輸送・機械運転」も286,492件(+115.2%)と増加。デジタル分野や輸送・物流分野など、特定職種で求人広告の掲載が活発になっている状況がうかがえます。
一方、事務職は▲11.9%、専門(技術者・研究者)は▲15.0%でした。生成AIや業務の自動化、企業の投資方針などが影響している可能性はありますが、掲載件数の増減だけで原因を特定することはできません。正社員求人全体の増加率だけでは、各職種の採用環境を判断しにくいことが、9月の特徴と言えるでしょう。

【地域別】全地域で前年を上回り、中四国の伸びが目立つ

地域別の求人広告件数(全国計:2,722,945件ベース、前年同月比 +36.5%)を見ると、全地域ブロックで前年同月比二桁の大幅な伸びを記録しています。

地域ブロック 2026年9月件数 前月比 前年同月比 備考
北海道・東北 184,173件 +8.8% +51.0% 山形(+123.4%)、秋田(+115.2%)が倍増
関東・甲信越 1,203,455件 +4.6% +29.1% 東京(+21.7%)中心にIT求人が集中
中部・北陸 373,791件 +4.8% +29.6% 福井(+81.1%)、石川(+59.0%)が強い
近畿 510,313件 +5.4% +45.8% 大阪(+45.1%)、和歌山(+94.6%)が大幅増
中四国 204,263件 +7.2% +62.4% 鳥取(+143.7%)、高知(+135.1%)と爆発的
九州・沖縄 246,951件 +7.4% +39.7% 佐賀(+74.9%)、宮崎(+72.4%)が好調

中四国(+62.4%)や北海道・東北(+51.0%)など、地方を含む地域で高い伸びが見られます。秋採用に伴う募集の増加など季節的な要因も考えられますが、特定の産業や職種がどの程度影響したかは、この集計だけでは判断できません。

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