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2024.05.30最終更新日2024.05.30

建設業界の「2024年問題」とは?|課題と対策について解説

建設業界の「2024年問題」とは?|課題と対策について解説

2024年4月1日施行の「働き方改革関連法」により、建設業界でも時間外労働の上限規制が設けられました。これは業界における大きな変革と言っても過言ではなく、いわゆる「2024年問題」として、業務効率の低下や深刻な人材不足が懸念されています。また、「2024年問題」は、単なる労働時間規制というだけでなく、業界内で長年放置されてきた長時間労働や休日出勤の常態化、人材不足、構造的な問題等をあぶり出すものでもあります。

本記事では、「2024年問題」の詳細と、建設業界が直面する課題、そして生き残りのための対策について解説します。「2024年問題」は、建設業界にとってピンチであると同時に、変革・体質改善のチャンスでもあります。今こそ、労働環境の見直しと人材確保を徹底し、イノベーションを起こせる企業へと進化することが求められています。

2024年問題に関してご不明な点がありましたら…

「2024年問題」って何?、当社に何か影響はあるの?という疑問をお持ちの方、対策の必要性は感じているが具体的にどうすればいいのか分からない!という方、建設業界はもちろん、様々な業界の人材採用をお手伝いしている当社までお気軽にご相談ください。

建設業界の2024年問題とは?

建築業界の「2024年問題」とは、時間外労働の上限が原則月45時間・年間360時間に制限されることで起こり得る、様々な問題・課題・懸念のことを指します。
以下、詳しく解説していきます。

2024年4月1日施行の「働き方改革関連法」に起因

一億総活躍社会の実現に向けた労働観環境の再構築、いわゆる「働き方改革」が推進されている昨今。特に建築業においては、労働時間の適正管理が重要課題となっており、「働き方改革関連法」により2024年4月1日以降、時間外労働に対して罰則付きの上限規制が設定されました。そしてこれに起因して発生する、様々な問題・懸念を総称して「2024年問題」と呼んでいます。

建設業の時間外労働上限規制について

以前までは、実質的に上限なしだった建設業の時間外労働ですが、2024年4月1日以降、上限が原則月45時間・年間360時間(例外あり)に制限されました。詳細は下記表のようになります。

建築業の時間外労働時間の上限規制(罰則付き)

基本
・月45時間以内
・年360時間以内
特別条項が適用される場合
A.年720時間以内(月平均60時間以内)
B.年720時間の範囲内で以下を満たす場合
 ①2~6ヶ月の平均で80時間以内
 ②月100時間未満(休日労働を含む)
 ③月45時間を越えられるのは年6回(6ヶ月)まで
※災害からの復旧・復興に限り①②は適用されない

※違反した場合、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金

ここまで見ると、労働環境が改善され、一見良いことのようにも思われますが、手放しで喜べる状況でないのが現実です。では、実際にどのようなことが懸念されるのか、説明していきましょう。

建設業界が抱える課題と2024年問題

時間外労働の上限規制が行われる以前から、建設業界では人材不足や労働時間、ビジネス構造等に大きな課題を抱えていました。
それがここにきて、2024年問題としてのしかかってきたとも言えます。それらについて以下、詳しく見ていきましょう。

人材不足・若手不足

総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)」では、労働力人口(2022年平均)は6,902万人、前年比5万人減という結果になっています。

また、内閣府の「令和5年版高齢社会白書」では、2022年の65歳以上の人口割合は29%、日本人の約3割が高齢者となっており、2060年には約4割が65歳以上になると推計されています。

建設業界もこのデータの例に漏れず、就業者の高齢化が進むとともに、若手人材の入職は減少傾向にあります。さらに、帝国データバンクの調査では61.5%の企業が「後継者不足に悩まされている」とも回答。

その上、罰則付きの時間外労働の上限規制により、従業員の残業を削減せざるを得なくなるため、現状として実質的には労働力はダウンしていると言えます。

長時間労働や休日勤務の常態化

国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」によると、建設業はその他の産業と比較して年間実労働時間・年間出勤日数ともに高く、長時間労働・休日勤務が常態化しているのが実情です。

さらには、働き方改革が叫ばれている昨今においても、建設業では労働時間の減少幅が非常に小さいことも課題と言えます。時間外労働の上限規制が始まった現在、業界全体としてここをどう打開していくのかが求められています。

ビジネス構造の問題

前述の長時間労働・休日勤務にも関連してきますが、建設業界のビジネス構造にも課題が存在します。建設業は、現場が大きくなればなるほど多くの下請け・孫受け業者が関わる多重請負構造です。下流工程を担う企業ほど、受注額も低く、立場も弱くなり、工期に遅れが生じた場合もそれを取り戻さなくてはならないのが一般的です。3次・4次など下層の業者ほど、長時間労働・休日勤務を強いられる構造だと言えます。

今すぐ取り組むべき5つの対策

建設業界の2024年問題への対策として最も有効なのは人材確保でしょう。しかし、そのためには、労働環境の改善にも取り組む必要があります。国土交通省は「建設業における働き方改革について」で、建設業の抱える課題や取り組むべき事項を提示。「建設業働き方改革加速化プログラム」では、労働時間、給与・社会保険、人事評価制度、生産性の問題など、より具体的な課題とその解決方法を示しています。それらも踏まえて、有効な改善策・対策をご紹介します。

<建設業における働き方改革について>
https://www.mlit.go.jp/common/001220499.pdf
<建設業働き方改革加速化プログラム>
https://www.mlit.go.jp/common/001226489.pdf

勤務時間・勤務日数の改善と適正な工期設定

建設業の年間実労働時間・年間出勤日数は先述したとおりですが、加えて、「建設業における働き方改革」によると、4週4休以下で就業している建設工事は全体の約64%、4週8休(週休2日制)の導入に至っては、全体の10%以下となっています。
環境改善や人材確保の観点から見ても、長時間労働の是正や休日拡大など、勤務時間・勤務日数の見直しは、必要不可欠だと言えるでしょう。もちろん、工期へのしわ寄せも同時に防がなくてはなりません。明確で適正な工期の算出、それを踏まえた上での請負契約の依頼・締結が求められます。

社会保険加入等の待遇改善

健康保険や厚生年金保険、いわゆる「社会保険」への未加入率が高いことも建設業全体の課題と言われています。優秀な人材を確保し、就業者の高齢化・若手入職者の減少を食い止めるためには、従業員が技能・経験に見合った処遇で勤務できることを“当たり前”にしていかなくてはいけません。まずは、社会保険への加入をミニマム・スタンダードとし、その他待遇の改善も図っていくことが必要です。

IOT・ICTの活用

従業員の就業時間・残業時間の減少により低下する労働力への対策、及びさらなる生産性向上に有効なのが、IOT(モノのインターネット)やICT(情報通信機器)の戦略的活用。タブレット端末の導入や、カメラ付きヘルメットによる遠隔での状況把握・指示、ICT建機によるオペレーターの負担軽減などが、その例です。限られた人材・資機材を効率的かつ最大限に活用するためには、DX化の推進が必要不可欠と言えます。

建設キャリアアップシステムへの加入

「建設キャリアアップシステム」とは、建設業に関わる労働者・従業員の様々な情報を登録し、蓄積するシステム。登録者の能力の客観的な評価が可能で、技能に見合った給与や待遇の実現への助けとなり、若年層のステップアップを促すことができます。国土交通省も建設業従事者への「建設キャリアアップシステム」加入を推進しています。

<建設キャリアアップシステム>
https://www.ccus.jp/

多様な求人サイトを利用して人材確保(おススメサイト5選)

人手不足の根本的な解決策は、人材採用ということになりますが、ここまで紹介した労働環境の改善に着手した上で、募集をかけることをおススメします。また、慢性的な人手不足という状況下で人材を確保するためには、経験者はもちろん、今まで採用してこなかったターゲットや、建設業を選択できなかった人へも訴求できるように、様々なチャンネルを利用した募集・採用活動が必要になります。

以下に求めるターゲットに訴求できるおススメの採用手法をご紹介します。

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まとめ

「2024年問題」は、建設業界にとって大きな分岐点であり、各社素早い対応が必要な時期に来ていると言えます。ここで適切な対策を講じなければ、深刻な人材不足や業務効率の低下を招き、企業存続の危機に直面する可能性すらあります。一方、この問題と真摯に向き合い、労働環境の改善に取り組み、人材確保を成功させた企業は、飛躍的な成長を遂げられる可能性も秘めています。

内藤一水社では、人材採用を通じて企業の成長を実現する、様々なサービスを扱っております。この記事でも、建設業の人材採用のためのおススメ採用手法をご紹介しておりますので、興味のある方はお気軽にご相談ください。

2024年問題に関してご不明な点がありましたら…

「2024年問題」って何?、当社に何か影響はあるの?という疑問をお持ちの方、対策の必要性は感じているが具体的にどうすればいいのか分からない!という方、建設業界はもちろん、様々な業界の人材採用をお手伝いしている当社までお気軽にご相談ください。

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