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2024.04.18最終更新日2024.04.18

中小企業の人手不足の現状をデータでチェック!企業側が取るべき5つの解決策・成功事例も紹介

中小企業の人手不足の現状をデータでチェック!企業側が取るべき5つの解決策・成功事例も紹介

人手不足に悩む中小企業は増加しており、約7割の中小企業が人手不足を感じているというデータも存在します。
「人手不足の状況を何とかしたい」と考えている方もいるのではないでしょうか?
人手不足を解消しないと、従業員の離職率が高まったり、企業イメージが低下したりするリスクが高まるため早急な対処が必要です。

そこで本記事では、人手不足に悩む中小企業の担当者に向けて、以下の内容を解説します。

  • 中小企業の人手不足の現状
  • 人手不足になる原因
  • 人手不足による悪影響
  • 解決策

人手不足の現状を打破したいと考えている中小企業の経営者や人事・採用担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

中小企業の人手不足が深刻化している現状をデータで確認

人手不足に悩む中小企業は決して少なくありません。その理由について、詳しいデータとともに紹介します。

日本商工会議所のデータによると人手不足の割合は約70%

日本商工会議所の調査データ「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」(調査期間:2023年7月18日~8月10日)によると、中小企業6,013社のうち「人手不足である」と回答した企業は68.0%でした。業種によって割合には多少の違いはありますが、全業種で5割以上が人手不足となっています。

なお、人手不足と回答した企業は、2015年の調査以来最大となっています。
割合が多い業種を順に見ていくと以下の結果でした。

  1. 介護・看護業:86.0%
  2. 建設業:85.3%
  3. 宿泊・飲食業:79.4%
  4. 情報通信・情報サービス業:77.7%
  5. 運輸業:77.1%

また、上記の調査では人手不足の割合がもっとも低い製造業でも58.8%と、多くの中小企業が人手不足に陥っていることがわかります。

中小企業への新卒就職希望者が減少傾向

リクルートワークス研究所による「第40回 ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)」のデータによると、新卒の中小企業への就職希望者が減少しているということです。

2024年3月卒業予定の大学生・大学院生の大卒求人倍率は、前年より0.13ポイント上昇の1.71倍と、やや増加しています。そして、従業員300人未満の中小企業側も採用に積極的になっています。

その一方で、新卒の就職希望者数は伸びていません。以下は、調査結果を表にまとめたものです。

企業の規模 求人総数 就職希望学生の増加率
300人未満 +11.6% -4.3%
300~999人 +5.6% +3.5%
1,000~4,999人 +8.2% +5.7%
5,000人以上 +5.7% -4.5%

従業員300人未満規模と5,000人以上の企業においては、求人総数は増えているものの、新卒の就職希望者数が求人総数に対して少ないことがわかります。

中小企業が人手不足に陥っているのはなぜ?考えられる5つの原因

中小企業が人手不足に陥っている原因について、5つの内容に分けて解説します。

  1. 少子高齢化が起きている
  2. 企業と働き手のニーズのミスマッチがある
  3. 特定の業界へのマイナスイメージがある
  4. 労働条件が大企業に比べて劣る
  5. 採用活動が難しい

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

少子高齢化が起きている

日本の人口は減少傾向にあり、高齢者率は年々増加しています。2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%を占めるとされています。高齢化は進み続け、2040年には65歳以上が全人口の約35%となる見込みです。(参考:厚生労働省「我が国の人口について」)

一般的には65歳で定年退職とするケースが多いため、少子高齢化が進むにつれて働き手が減り、今後も人手不足が深刻化していくことが考えられるでしょう。

企業と働き手のニーズのミスマッチがある

中小企業側は、本音レベルでは以下のような人材を求めています。

  • 即戦力となる人材
  • 長時間労働を受け入れられる人材
  • 会社への忠誠心が高い人材
  • 低い給与でもきちんと働いてくれる人材

一方、求職者は以下のような職場を希望します。

  • ワークライフバランスのよい職場
  • キャリアアップが見込める職場
  • 高い給与が得られる企業
  • 多様な働き方が可能な職場

中小企業のニーズは前時代的なものが多く改善すべき点があるものの、現在の求職者ニーズとの間に大きなギャップがあるのは事実です。企業と働き手のニーズがマッチしないため、中小企業の人手不足がなかなか解消できていません。

特定の業界へのマイナスイメージがある

一部の業界に対し、マイナスイメージがついてしまい、なかなか人が集まらないというケースもあります。
特に、人手不足が顕著な運輸業や建設業、飲食業などは、職場環境があまり良くない・収入面に不安があるなどのイメージを持たれていることがあります。求職者にとって、労働条件の良さは、企業を選ぶ上で重要な項目であるケースがほとんどです。

マイナスイメージの強い業界に人が集まらないのは、世間の印象が定着しているのも理由のひとつと考えられます。

労働条件が大企業に比べて劣る

中小企業に比べて、大企業のほうが賃金は高い傾向にあります。令和5年賃金構造基本統計調査によると、令和5年6月分の平均賃金は、大企業約34.6万円、中企業約31.1万円、小企業 29.4万円という結果です。

また、大企業は福利厚生や休暇制度が充実している、倒産のリスクが低く安定性があるという点からも、求職者に人気です。中小企業は大企業に比べると労働条件が劣る傾向にあり、結果として人手不足につながっている可能性があります。

採用活動が難しい

中小企業は採用にかける予算が少なく、求職者に対して露出が弱いといった面があります。

中小企業は、誰しもが名前を知っている大手の企業には知名度が及ばないため、求人広告を出したり、合同説明会や学内セミナーに顔を出したりと、積極的に行動しなくてはなりません。ところが予算が少ないと、採用活動の範囲を広げられず、限られた求職者にしか認知されない可能性が生じます。

また採用ノウハウが乏しいため、企業の魅力やアピールポイントをうまく表現できない結果、求職者に「入社したい」と感じてもらえないことも、人手不足の要因のひとつです。

中小企業が人手不足になるとどうなる?

人手不足の中で仕事を続けていると、企業が将来的にどのような状態になるのか、こちらでは5つのケースを紹介します。

  1. 労働環境が悪化して従業員の意欲が低下する
  2. より良い労働環境を求めて従業員が離職してしまう
  3. 人材が適所に配置できず、さまざまな機会を逃して企業価値が低下する
  4. 商品やサービスの質が低下してブランドイメージが悪化する
  5. 売上の減少により倒産する可能性が高まる

それぞれ詳しく見てみましょう。

労働環境が悪化して従業員の意欲が低下する

人手が不足した状態で業務を続けていると、すでに働いている従業員への負担が大きくなってしまいます。業務量が増えて労働時間が長くなると、肉体面だけでなく、精神的な余裕もなくなってしまうでしょう。

従業員の意欲が低下することで、新たな知識を身につけたり、自らスキルの習得に取り組んだりする気力もなくなってしまい、労働の質の低下につながってしまいます。

より良い労働環境を求めて従業員が離職してしまう

人手不足で労働環境が悪くなると、もっと良い環境の職場を探し、転職してしまう可能性があります。

また、転職先が決まっていない状態でも、大きな負担により体や心の不調を理由に、退職を決意する従業員も増える可能性が高まります。その結果、さらなる人手不足につながってしまいかねません。

人材が適所に配置できず機会を逃して企業価値が低下する

適所に人材を配置できず、ビジネスチャンスを逃すリスクが高まります。たとえば、営業職がいなければ新たな顧客を確保できず、販路を広げることはできません。

また、顧客から問い合わせがあった際に、人員不足で対応できず、良い案件を受ける機会を逃してしまう可能性もあります。このように人手不足が続くと、多くの機会損失につながる可能性は高いです。

商品やサービスの質が低下してブランドイメージが悪化する

十分な人材が確保できていないと、ミスが増えて、製品開発やサービス提供の質が低下する恐れがあります。

商品やサービスの質が下がれば、これまで利用してくれた顧客からの評判が悪くなることも考えられるでしょう。悪評が広まり、ブランドイメージまで悪くなる可能性があります。

売上の減少により倒産する可能性が高まる

人手が不足すると、商品やサービスの供給量や質が低下します。結果として売上が減少してしまい、事業の拡大ができないだけでなく、資金繰りが苦しくなることもあります。人手不足が続けば、最終的には倒産するリスクも高まります。

中小企業の人手不足に対する5つの解決策

人手不足に悩む中小企業に向けて、5つの解決策を紹介します。

  • 採用活動を活発化させる
  • 人材育成に力を入れる
  • 業務の効率化を図る
  • 労働環境を見直す
  • 従業員の不満に耳を傾ける

それぞれ詳しく見てみましょう。

採用活動を活発化させる

人手不足を解消するには、新たな人材の確保が必須です。
採用活動に力を入れて、求める人材に対してアプローチをおこないましょう。

まずは、採用ターゲットを明確にすることをおすすめします。
例えば、

  • 求める経験やスキルを満たした人材
  • 企業理念に共感できる人材
  • 幅広い仕事に対応できるなど、中小企業での勤務に向いている人材、など

欲しい人材を明確に定義することにより、採用後のミスマッチを防ぎ、採用者がすぐに離職してしまうリスクを軽減できるでしょう。

また従来の求人広告だけでなく、自社採用サイトやSNSを活用して魅力的な企業情報の発信をおこなうことも有効です。
例えば、企業理念、ビジョン、仕事内容、キャリアパス、職場環境、福利厚生、社員インタビューなどを積極的に発信することで、企業に対する共感度の高い人材を確保できる可能性が高まるでしょう。
更に自社の普段の様子をSNSで発信すれば、会社の雰囲気が伝わりやすく、従来の求人広告ではリーチできなかった層にアプローチすることもできるでしょう。

【資料ダウンロード】採用課題別・採用ハンドブック

貴社の採用課題にあったサービスを選択していただくためにも、採用課題別にどのサービスが合っているか確認ができる資料です。

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人材育成に力を入れる

従業員のスキルアップに力を入れることも、人手不足の解決につながります。人材育成により、業務が効率化したり、労働生産性が向上したりする可能性が高いためです。

人材育成には、さまざまな方法があります。
例えば、

  • 資格取得のサポート制度を取り入れる
  • 定期的な教育研修を実施する
  • メンター制度を取り入れる

などが挙げられます。従業員に対してさまざまなサポート制度を取り入れることにより、定着率も向上するでしょう。

業務の効率化を図る

不要な業務を見直して効率化を図ることも、人手不足の解消につながります。
業務の流れを見直し、不要な手順を省いたり簡素化したり、IT化したりすることで、従業員への負担を大幅に軽減できます。

営業や電話受付といったフロントオフィス業務については、外部アウトソーシングを利用することも検討すると良いでしょう。また、経理や営業事務などのバックオフィス業務を外部委託するという選択肢もあります。

新たな人材を確保することも大切ですが、従業員の負担を軽減する取り組みも重要です。

労働環境を見直す

労働環境を見直すことで、離職率の低下や従業員のモチベーションアップにつながります。
具体的には以下の取り組みが挙げられます。

  • 福利厚生を充実させる
  • 昇給や賞与の条件を明確化する
  • フレックスタイムを導入する
  • 空調や照明を整えて職場環境を向上させる

ただし、すべてを見直すと多くの資金がかかるため、従業員のニーズをしっかり見極めて、必要な部分を見直すことをおすすめします。

従業員の不満に耳を傾ける

労働環境を整えるには、現場で働く従業員の意見を取り入れることが大切です。現場と経営者側では、労働環境の認識が異なることがあるためです。

定期的に従業員と経営者が交流する機会を設けて、意見を言いやすい雰囲気を作ることも必要でしょう。従業員の声をしっかり聞いてくれる職場は労働意欲を向上させ、離職率の低下にもつながっていきます。

中小企業の人手不足への対応事例を紹介

人手不足に対応し、成功につながっている中小企業の取り組みを紹介します。人手不足に悩んでいる企業は、ぜひ参考にしてみてください。

参考:中小企業・小規模事業者の人手不足への対応事例集を公表します

求める人材像を明確化し若手の獲得に成功

A社は、年配のベテランが多く従業員の年齢層が高い技術系の職場です。しかし、事業を継続させるには、若手に技術を継承させる必要がありました。

そこで、採用のやり方を見直し、求める人材像を包み隠さず示すことに。具体的には、職場見学や面接重視の採用などをおこない、若手の人手確保につながりました。あらかじめ求める人材像を明確にしているため、実際に勤務がスタートしてもミスマッチが起こらず、定着率が向上しています。

SNS運用に力を入れて社員のモチベーションがアップ

新規顧客獲得に、SNSを活用したいと考えていたB社。しかし、SNSのノウハウを持つ人材も、力を入れる余裕もありませんでした。

そこで、マッチングプロジェクトに参加して、SNS運用の実績を持つ兼業・副業の人材を確保。従業員とともにSNS運用のプロジェクトをスタートさせました。
SNS運用は閲覧者の反応がダイレクトに見られるため、良い結果を受けて従業員のモチベーションもアップ。プロジェクトは現在も進行中です。

ミスマッチを防ぐために社内見学を実施し、短期間で採用者の勤務がスタートできた

C社は、会社の知名度が高いことで業務イメージが偏ってしまい、求職者に本来の業務内容が伝わらないのが悩みでした。

そこで、人材確保のマッチングイベントへの参加や、採用前の職場見学を実施。
求職者のイメージと、実際の業務のギャップの差がなくなり、採用者の勤務スタートが短期間でスムーズにできるようになりました。

まとめ

中小企業の約70%が人手不足というデータがあります。中でも、介護・看護業や建設業、宿泊・飲食業などは8割近くの企業が人手不足という現状です。
人手が不足している中小企業は、採用活動に力を入れたり、従業員の離職率を低下させるための取り組みを実施することが求められます。

当社では、採用に関するさまざまな悩みを解決するサポートをおこなっています。「即戦力になる人材がほしい」「ミスマッチをなくしたい」といった悩みがある方はご相談ください。無料相談も受けているので、何から始めたらいいのか悩んでいる場合でも気軽にお問い合わせください。

中小企業の採用支援の実績多数!

内藤一水社では、中小企業の人手不足を解決するための採用支援に取り組んでいます。「即戦力人材がほしい」「ミスマッチをなくしたい」といった悩みがある方はお気軽にご相談ください。

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