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2023.08.15最終更新日2023.08.23

【2023年・令和5年度】最低賃金の引き上げに関する影響、対策について

【2023年・令和5年度】最低賃金の引き上げに関する影響、対策について

厚生労働省は8月18日、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した「2023年・令和5年度の地域別最低賃金の改定額」を取りまとめました。

答申によると全国加重平均額は43円(4.5%)引き上げられ1,004円となり(現在は961円)、初めて1,000円の大台を越えました。

なお、答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、10月1日から10月中旬までの間に順次発効される予定となります。

2023年の都道府県別の最低賃金速報

東京都と大阪府の2023年の最低賃金については以下の通り発表されています。

東京都

東京地方最低賃金審議会は、東京労働局長に対し、諮問を行った東京都最低賃金(地域別最低賃金)の改正について東京都最低賃金を1,113円に改正することが適当である旨の答申を行いました。

1,113円(41円引上げ)←1072円(2022年)

大阪府

大阪地方最低賃金審議会は、大阪労働局長に対し、「時間額を1,064円に引き上げること(41円の引上げ)が適当である」との答申を行いました。

1,064円(41円引上げ)←1,023円(2022年)

その他の地域については以下の通り、速報値が発表されています。

都道府県 改定予定額 引上げ額
北海道 改定予定額960円 引上げ額40円
青森 改定予定額898円 引上げ額45円
岩手 改定予定額893円 引上げ額39円
宮城 改定予定額923円 引上げ額40円
秋田 改定予定額897円 引上げ額44円
山形 改定予定額900円 引上げ額46円
福島 改定予定額900円 引上げ額42円
茨城 改定予定額953円 引上げ額42円
栃木 改定予定額954円 引上げ額41円
群馬 改定予定額935円 引上げ額40円
埼玉 改定予定額1,028円 引上げ額41円
千葉 改定予定額1,026円 引上げ額42円
東京 改定予定額1,113円 引上げ額41円
神奈川 改定予定額1,112円 引上げ額41円
新潟 改定予定額931円 引上げ額41円
富山 改定予定額948円 引上げ額40円
石川 改定予定額933円 引上げ額42円
福井 改定予定額931円 引上げ額43円
山梨 改定予定額938円 引上げ額40円
長野 改定予定額948円 引上げ額40円
岐阜 改定予定額950円 引上げ額40円
静岡 改定予定額984円 引上げ額40円
愛知 改定予定額1,027円 引上げ額41円
三重 改定予定額973円 引上げ額40円
都道府県 改定予定額 引上げ額
滋賀 改定予定額967円 引上げ額40円
京都 改定予定額1,008円 引上げ額40円
大阪 改定予定額1,064円 引上げ額41円
兵庫 改定予定額1,001円 引上げ額41円
奈良 改定予定額936円 引上げ額40円
和歌山 改定予定額929円 引上げ額40円
鳥取 改定予定額900円 引上げ額46円
島根 改定予定額904円 引上げ額47円
岡山 改定予定額932円 引上げ額40円
広島 改定予定額970円 引上げ額40円
山口 改定予定額928円 引上げ額40円
徳島 改定予定額896円 引上げ額41円
香川 改定予定額918円 引上げ額40円
愛媛 改定予定額897円 引上げ額44円
高知 改定予定額897円 引上げ額44円
福岡 改定予定額941円 引上げ額41円
佐賀 改定予定額900円 引上げ額47円
長崎 改定予定額898円 引上げ額45円
熊本 改定予定額898円 引上げ額45円
大分 改定予定額899円 引上げ額45円
宮崎 改定予定額897円 引上げ額44円
鹿児島 改定予定額897円 引上げ額44円
沖縄 改定予定額896円 引上げ額43円

※2023年8月21日現在

最低賃金引き上げによる影響

企業側は最低賃金の引き上げによる影響について考え、必要に応じて対策を講じていかなければなりません。

求人情報(募集要項)への賃金記載

例年、最低賃金は10月1日に改訂されますので、10月1日以降に掲出する求人情報については、最低賃金を下回った金額を記載していないかを改めて確認しましょう。例えば、9月中に掲載を開始し10月1日以降も掲載が継続される場合や過去の募集要項を流用して掲載するケースなどは、特に注意が必要です。

不注意であっても最低賃金を下回る金額を掲載した場合、最低賃金法第40条により50万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

新規採用者と現スタッフへの配慮

賃金が上がるタイミングで、よりよい条件を求めて仕事を探す人たちが増える可能性があります。
新規採用者が高い給与で入社し、勤続年数の長いスタッフの給与とあまり変わらない状況になれば、後者のモチベーションは低下し、最悪の場合、離職に繋がってしまいます。スタッフ間で不公平感を生み出さないよう、昇給、昇格など現スタッフへの配慮が必要となります。

新たな採用が難しくなる

先述の通り賃金が上がるタイミングで仕事を探す人たちが増える可能性がありますが、周囲の企業も基本的には賃金を上げて採用活動を実施しますので、給与での差別化を目指すのであれば、それ以上の条件を提示する必要が生じます。良い人材を獲得するためにさらにコストをかけなければいけなくなります。

改訂を見越し、前もって給与額を上げて募集

賃金改訂を見越して、8~9月の求人募集から給与を上げて募集することも、他社との差別化を図る一つの方法だと言えます。既に雇用されているスタッフとの給与バランスの調整などが必要になる場合もありますが、賃金改定が実施される10月を待たずに前倒しで給与を上げることで、応募者が増える可能性が高まります。

最後に

最低賃金の引き上げだけでなく、少子化による採用難が影響し、他社よりも少しでも高い給与で人材を確保しようという競争が働きアルバイト・パート時給は上昇を続けています。
中にはこの競争にはついていけない…とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ターゲットの変更や勤務時間・シフトの調整は可能か?

2024年には、50歳以上の人口が全人口の半分を超えると言われています。その中で、セカンドキャリアに積極的な50代・60代や、社会との繋がりを求めて就労を希望するシニア層が貴重な労働力であることは間違いありません。
若年層の獲得競争から少し目線を変え、スキル・経験・ネットワークを持つシニア層の活用や、業務範囲を見直し一定の作業をシニアの労働力に切り替えることも一つの方法だと言えます。

また、シニア世代は現役世代と比較して自由な時間が多く、勤務する時間帯に柔軟に対応できることが特徴のひとつです。勤務時間・勤務シフトの調整、見直しを実施し、早朝・夜勤などを中心にシニア採用を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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