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求人広告・メディア関連
求人広告や求人票の作成は、採用活動において重要な役割を担っていますが、同時に多くの時間と労力を要する業務でもあります。
こうした課題を解決するために、注目を集めているのが生成AIです。生成AIは、学習済みのデータに基づいて、新しいデータや情報、コンテンツを生み出す人工知能(AI)です。
求人広告や求人票の作成において、生成AIを活用することで、業務効率化と質の高い求人情報の作成を実現することができるか検証してみました。
目次
生成AI(ジェネレーティブAI)とは、学習済みのデータに基づいて、新しいデータや情報、コンテンツを生み出す人工知能(AI)の一種です。従来のAIが、画像認識や音声認識など、既存の情報から答えを探し出すのに対し、生成AIはゼロからイチを生み出す能力を持ち、創造性を発揮するAIと言えます。
生成AIに精通した方であれば、おそらく以下のような回答をするでしょう。
しかし、生成AIについての専門的な知識が少ない大多数の方々の場合、生成AIを上手に活用して求人広告や求人票を作成するのはまだまだ難しいのが現実ではないでしょうか。
もう少し技術が進歩し、専門的なサービスが開発されれば、生成AIは求人広告や求人票の作成を効率化し、質の高い情報発信を実現するツールとして更に活躍の場を広げる可能性を秘めています。
現時点で求人広告や求人票の作成に活用できる生成AIをいくつか挙げ、それぞれの特徴についてみていきましょう。
生成AIには基本無料で利用できるサービスがいくつか存在します。
無料で利用できるサービスの多くは「無料プラン」と「有料プラン」が用意されており、有料プランは多くのパラメータ(※)、高度な生成能力、豊富な機能を持ち、より幅広い用途で活用できます。
(※)パラメータとは、AIのモデルがデータから学習する際に、正確な結果を出せるようになるために調整可能な変数のこと。
ChatGPTは、OpenAIが開発した生成AIモデルです。高度なAI技術によって人間のように自然な会話ができるサービスとして2022年11月に公開されました。無料(有料プランあり)で利用できる革新的なサービスとして注目を集めています。
Geminiは、Googleが開発したマルチモーダル生成AIモデルです。
Geminiは主要な指標の多くでChatGPTを上回っており、一部ではChatGPTを凌ぐとも言われています。そのため、2023年12月に発表されて以降、大きな注目を集めています。
ChatGPTのAPI等を使うことで、ChatGPTの自然言語処理機能を活かして、求人情報の作成に特化したシステムやアプリケーションも登場しています。
必要最小限の情報入力で、求人情報のタイトルや仕事内容、おすすめポイントをAIが自動生成し、求人情報の内容を考える時間を大幅に軽減してくれるサービスです。
AIライティングサポートツール ANDASU(アンダス)
https://www.maru.jp/product/andasu/
「店舗や案件ごとの求人原稿を一括作成!100原稿を1分で!」の触れ込みで、店舗名や仕事内容、シフト例などを形式的に記載するだけで仕事内容のPR文を生成できるサービスです。
Graffer AI Studio
https://graffer-aistudio.jp/lp-hr
求人広告・求人票の作成に生成AIを使うメリットは以下の3点です。
それぞれについて詳しくみていきましょう。
従来は手作業で行っていた作業を自動化することで、大幅な時間と労力の削減が可能になります。
特に人材ビジネス業界(派遣、紹介、採用代行など)は、大量の求人広告や求人票の作成が必要です。作成する求人情報の数が多ければ多いほど、生成AIを利用することで時間とコスト削減のメリットを実感できるでしょう。
生成AIは、過去の求人広告や求人票、応募者データなどを学習し、企業のニーズや求める人物像に合致した最適な文章を自動生成できます。また、豊富な表現力と文章構成能力を活かし、求職者に対する訴求力を持ったメッセージが作成できるので応募数アップが期待できます。
上述の通り手作業で行っていた作業を自動化することで採用担当者の負担を軽減することができ、空いた時間を戦略的な採用活動の計画・実行にまわすことで採用活動自体の効率化が可能となります。
実際に生成AIに関する専門知識のない人でも生成AIを使って求人広告や求人票の作成が可能なのか、無料のChatGTPを使って検証しながら、導入手順について説明します。
生成AIによる自動生成とは言え、基本的な情報をAIに提供しなければ何も結果は返ってきません。
そこで、募集要項の作成に必要最低限な情報を以下の通り準備しました。
頑張って文章化しようとすると時間がかかりますので、必要な情報を箇条書きで書き出す程度で問題ないでしょう。
求人情報
応募資格については、生成AI任せだと正しい情報になる可能性は低いのであらかじめ用意しておきます。少し手間はかかりますが、「必要なスキル」「歓迎するスキル」「求める人物像」など、できるだけ詳細に書き分けておくほうがいいでしょう。
ターゲット・求める人物
ChatGTPのような生成AIを利用する際には、生成AIに指示を与えるためのプロンプトが必要になります。プロンプトとは、生成AIに何を生成させたいかを伝えるための呪文のようなものです。
例えば、
プロンプトの内容によって、生成される内容が大きく変わりますので、よいプロンプトを書くためのポイントをおさえておく必要があります。
今回、求人広告を作成するためのプロンプトは、生成AIを活用するために様々なプロンプトをテンプレート形式で提供しているサイトを参考にし、以下のように設定しました。
まず、{求人情報の下書き}を洞察し、
さらに、{情報項目}を完全に網羅するために、
下位の項目を含めて考えて積極的に補います。
続けて、各項目に詳細な情報を追加して、
その項目の中身を創造して豊かに補足します。
続けて、項目を詳細に整理して、
{出力条件}を確実に満たすように、
ブラッシュアップをします。
最後に、簡潔なタイトルと、詳細な求人原稿のみを
出力してください。
【情報項目】
・付加したほうが良い項目
・求人広告としてよく掲載される項目
・求人側がアピールしたい項目
・応募者の側から質問されそうな項目
・応募者が気にしていそうな項目
【出力条件】
・情報項目を網羅的に保ったままで、
・楽しさとやりがいを感じさせるような内容で、
・求人する側の魅力が伝わるような、
・思わず応募したくなるようなストーリーを想起させるように
・働いているイメージがポジティブに湧くように
・親しみを感じさせるような文体で、求人広告として効果的で、ボリュームがあり、求人広告としての情報を詳細に完備している
【求人情報の下書き】
“””
・上記の基本的な求人情報
・上記のターゲット・求める人物
“””
No repeat, no remarks, only results, in Japanese
(参考サイト)promptia:https://prompt.quel.jp/
【求人情報の下書き】の部分に、事前に準備しておいた当社の独自情報を記載し、ChatGTP3.5で生成した結果が以下の通りです。
仕事内容:
・顧客リストをもとにした新規開拓先への架電(BtoB)
・採用に関するお悩みのヒアリング
・商談の日時設定など
特徴:
求人業界での93年の歴史を持つ老舗企業
勤務地:
東京都千代田区麹町3-2 エヌワンビル
最寄り駅: 麹町駅より徒歩2分
勤務時間:
13:00~18:00、週2~4日勤務
待遇:
アルバイト、時給1700円
必要なスキル:
・テレフォンアポインターの実務経験
・基本的なPC操作スキル(Excel、Word)
歓迎するスキル:
・BtoBの業務経験
・求人広告業界での勤務経験
求める人物像:
商談のアポイント取りにとどまらず、将来的には受注を目指す意気込みで仕事に臨める方
その他:
意欲のある方は、メンバーの管理や教育を担うリーダーのポジションも目指せます
正社員登用も可能。性別・年齢は問いません。
応募方法:
ご興味をお持ちいただけましたら、以下の応募フォームよりご応募ください。何かご質問があれば、お気軽にお知らせください。楽しさとやりがいに満ちた仕事が待っています。
生成された内容を見た感想は、下書き部分で提供した独自の情報を単に求人情報の体裁にまとめただけでは?でした。
確かによくある求人広告の体裁にまとまっていますが、求職者にアピール力のある内容を自動生成してくれるものと期待していただけに少し残念な結果に終わってしまいました。
今回利用した生成AIが無料のChatGTP3.5であることや、ChatGTP側に事前に求人広告関連データの蓄積がない状態で検証したので、期待していたような結果とは言えませんでしたが、自由に調整して精度を上げられるカスタムChatGTP(CPTs)などの整備された環境で検証すれば別の結果になっていたかもしれません。
生成された内容をそのままコピー&ペーストして求人広告や求人票に転用することは避けるほうがいいでしょう。
現時点では生成された内容についてはあくまでも参考程度に捉え、改めて内容や日本語の表記としておかしな部分がないか、人の目でチェックする必要があります。
生成AI自体の技術の進歩やプロンプトの見直しなど、まだまだ改善の余地はあるものの、求人広告や求人票の作成に生成AIを活用できることについては、ある程度実証できたのではないでしょうか。しかし、上述の通り生成された文章をそのまま使用することはできないのが現状です。
生成AIによって作成された内容に限ったことではありませんが、求人広告に記載してはいけない内容・文言・表現については法的に規制されています。禁止表現やNGワードが使用されていないか、人の目でしっかり確認する必要があります。
生成AIは、まだ発展途上の技術ですが、今後ますます進化していくことが期待されています。より精巧で創造的なコンテンツ生成や、人間とのより自然なコミュニケーションが実現できれば、求人広告の作成にとどまらず、様々な分野で革新的な変化をもたらす可能性を秘めています。
技術革新が進めば、求人広告の作成は完全にAIに任せることができるようになる可能性が高いでしょう。
その根拠は以下の通りです。
しかし、同時に倫理的な問題や法的な問題など、克服すべき課題も存在します。
上記を踏まえて考えると完全AI化に至るにはまだ時間がかかりそうです。
しかし、生成AIを作成サポートとして活用するレベルであれば、現時点でも十分実用レベルにあるサービスも存在しますので、大量の求人広告や求人票の作成が必要な方は生成AIの導入を検討すべき時期に来ているのかもしれません。
求人広告や求人票の作成において、生成AIの活用が現実的に可能なのかどうかを検証し、更に今後の可能性について思いを馳せてみました。
当社はお客様の採用をサポートする会社として求人広告を多数作成しておりますが、現時点では広告作成に生成AIを積極的に活用するに至っておりません。
その理由として、表現に対する人間らしさの欠如や創造性の不足が挙げられます。お客様の状況や要望をしっかりヒアリングした上で、業務に精通した制作スタッフが丁寧に広告を作成しておりますので、いい広告表現が思い付かず、生成AIに頼ってみようと思われている方は、是非一度ご相談ください。
人材採用に関しての疑問・どこに相談すればいいか分からない方、
まずはこちらからお気軽にお問い合わせください。
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