シニア採用・活用

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シニア採用・活用

2024.03.25最終更新日2024.03.25

シニア・中高年の採用が改めて注目されている理由|成功事例も紹介

シニア・中高年の採用が改めて注目されている理由|成功事例も紹介

少子高齢化と労働人口減少は、日本社会が抱える喫緊の課題です。
2025年には団塊世代が後期高齢者となり超高齢化社会へ突入する一方で、労働力人口は更に減少していくと予測されています。
こうした状況下で、企業は人材確保のために新たな層への門戸を広げることが求められています。その有力な候補の一つが、「シニア・中高年の採用」です。近年、シニア・中高年の採用は単なる人手不足対策にとどまらず、企業の競争力強化に繋がる戦略として注目されています。

本記事では、シニア・中高年の採用が注目される理由や採用を成功させるポイント、採用成功等も交えて解説します。

シニア・中高年の採用が注目されている理由

シニア・中高年の採用が注目されている理由は、単なる人手不足の解消に留まりません。
シニア・中高年層は長年のキャリアを通じて培ってきた豊富な経験や知識を有し、実践的なスキルが企業にとって大きな財産になる点など、そのメリットの多さにあると言えるでしょう。

以下、様々な視点からシニア・中高年の採用が注目されている理由をまとめましたので、参考にしてください。

人手不足の解消

総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)」によると、労働力人口(2022年平均)は6,902万人、前年比5万人減という結果になっています。
労働力不足・人材不足に頭を悩ませる企業にとっては、深刻な数字と言えます。

労働力人口の推移

労働力不足・人材不足解消のために有効な選択肢は以下の3つと言われています。

  • 女性の活躍推進
  • 外国人労働者の受け入れ
  • 高齢者の雇用促進

尚、内閣府の「令和5年版高齢社会白書」では、2060年の65歳以上人口割合は約38%、日本人の約4割が高齢者になると推計されています。

この数字も踏まえると、上記の中でも特に、社会人経験豊富なシニア・中高年の人材を採用し、戦力にしていくというのは、有効な手段であり、自然な流れでもあるのではないでしょうか。

知識・経験の価値

シニア・中高年人材の多くは、長年のキャリアで培ってきた豊富な知識・経験・人脈等があります。それらが企業にとって大きな価値となることは間違いありません。若手への助言や見本となる行動で、ノウハウとして継承していくことは、組織全体のレベルアップにも繋がります。

多様性のある企業・職場の創出

豊富な経験を持つシニア・中高年は若手や既存社員とは異なる知識や視点を持ち合わせています。そういった人材を組織に投入することで、多様性のある職場が生まれ、企業としても、これまでにない発想で新たなイノベーションを創出することができます。また、企業文化の活性化にも繋がり、より強靭な組織をつくることができます。

企業イメージの向上

シニア・中高年を採用することは、多様性を尊重する職場であるというイメージに直結します。SDGsの「貧困をなくそう」「働きがいも経済成長も」等の達成に関わる動きでもあるため、社会に良い影響を与える企業として評価され、社会的信用及び自社ブランディングの強化に繋がるはずです。

コスト削減

シニア層を採用すると「65歳超雇用推進助成金」を受けられる場合があります。[注3]
厚生労働省は生涯現役社会実現のため、次のようなシニア層採用を対象とした助成金制度を設けています。

助成金を活用すれば、雇用にかかるコストの削減にもつながります。
それぞれ条件や金額が異なるので、シニア層を採用する場合は事前に確認して下さい。

助成金 助成金
65歳超継続
雇用促進コース
下記のいずれかを実施した事業主に対して助成
●65歳以上への定年引上げ
●定年の定めの廃止
●希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入
●他社による継続雇用制度の導入
65歳超継続
雇用促進コース
高年齢者評価制度等雇用管理改善
高年齢者向けの雇用管理制度の整備等に係る措置を実施した事業主に対して助成
高年齢者無期雇用
転換コース
50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に
転換させた事業に対して助成

[注3]厚生労働省「65歳超雇用推進助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html

シニア・中高年の労働意欲

先述のように、シニア・中高年を採用するメリットは多数あり、社会もそちらへ向けて舵を切っています。その一方で、「シニア・中高年になっても働きたい人が、どれだけいるのか?」。そこを疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。この項では、シニア・中高年の労働意欲について、データと共に解説していきます。

50代~70代の約60%がシニア期に「働きたい」「働く必要がある」

50歳~79歳の男女を対象とした調査において、「シニア期(60代・70代以降)に働きたいと思うか?」という質問に対し、「働きたい」または「働く必要がある」に該当する回答は全体の58.3%。「働きたい」のみに該当する回答も全体の24.0%となっています。

また同調査において、「シニア期に働くことを見据えて具体的な検討や行動をしたか」という質問に対して、全体の55.9%が「何らかの検討や行動をした」と回答しています。

(引用データ) Indeed Japan株式会社「シニア世代の就業に関する意識調査」(2022年10月7日) ・調査期間/ 2022年9月7日~8日 ・調査対象/50歳~79歳1,800名(各世代・男女300名ずつ)

現役世代の60%以上が「60歳以降も働きたい」

現役世代を対象とした調査において、「あなたは何歳まで働きたいですか?」という質問に対し、「60歳~69歳」という回答が49.4%。70歳以上という回答も14.2%に上りました。現役世代の実に63.6%が60歳以降も働きたいと考えているという結果となっています。

(引用データ) 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査」(2023年12月6日) ・調査期間/ 2023年7月14日~16日 ・調査対象/一般社員、主任・係長クラスの正社員(大卒もしくは大学院卒) 3,708名

シニア・中高年の採用を成功させる3つのポイント

データが示すとおり、シニアになっても労働意欲が高い層、シニアになっても働き続けたいと考えている層は、一定数存在します。
では、シニア・中高年の採用を成功させるためには、どうしたらいいのでしょうか。
3つのポイントに分けて解説していきます。

健康状態や体力に配慮する

健康面・体力面で、若い世代とは異なるシニア・中高年世代。長く活躍してもらうためには、働き方や勤務形態に対する配慮が必要です。以下のようなことをうまく組み合わせ、パフォーマンスを発揮してもらえる環境をつくりましょう。

  • 長時間労働や力仕事は避ける
  • フレックスタイム制度
  • 在宅勤務
  • 無理のない業務量を振り分ける
  • 健康管理体制を整える(健康診断・ストレスチェックの結果がすぐ確認できる環境、など)

スキルアップとモチベーションの維持・向上

シニア・中高年にとって、新しい環境や初めての業務は、想像以上にストレスを感じるものです。それが原因でモチベーションを下げてしまうことも珍しくありません。

そこで有効なのが、シニア・中高年人材に向けた研修プログラムです。
研修を通して、業務スキルの習得や向上だけでなく、自らの役割や意識の持ち方を理解してもらうことで、モチベーションの維持・向上を図ります。さらに、長期的な視点でのキャリアビジョンまで提示できると、より良いでしょう。

年齢に対する無意識のバイアスを取り払う

シニア・中高年層に対しては、若手だけでなく人事・採用担当であっても、「スキルが衰えているのではないか」「体力的に厳しいのではないか」など無意識のバイアスがかかりがちです。シニア・中高年と一括りにすることなく、他の社員と同じように公平に接することが大切です。

  • 個人の能力や就業意欲をしっかり見る
  • 対等なコミュニケーション
  • 本人に期待していることや役割を明確に伝える
  • 公正な評価制度の導入
  • 職場における多様性(ダイバーシティ)の推進・意識改革

シニア・中高年採用の成功事例

人材採用支援を行う弊社では、クライアントのシニア・中高年採用もお手伝いしています。その中から成功事例を2つピックアップしてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

特定エリアでの清掃スタッフの採用成功事例

【求人情報報を工夫し希望のターゲットを採用】
紙媒体(折込チラシ)から、情報量を多く記載できるWeb媒体にシフトし、訴求ポイントをしっかりと表記することで、ターゲットの主婦層・中高年層からの応募を獲得した事例です。

難易度が高まる学習塾講師の採用成功事例

【採用難易度に合わせてターゲットの見直しを実施】
学生・若手の採用だけでは人手不足を解消できないため、授業1コマから勤務できるシフトなど、シニア層に配慮した働き方を整備し、経験豊富な方、優秀な経歴の方の採用に成功した事例です。

シニア・中高年層の求職者からは、
「大手求人サイトでは、多数の様々な案件が混在していてシニア層が応募しづらい」
「シニア・中高年歓迎の求人に応募しても結局採用されなかった」
という声が多く聞かれます。

最終的なマッチングまで考慮すると、シニア・中高年層の採用には、シニア層に特化したターゲット型の求人サイトの利用が不可欠かもしれません。

シニア層に特化したターゲット型の求人サイト「シニア求人ナビ」

シニア求人ナビは、ミドル・シニア層の求人に特化したお仕事情報サイト。
シニアのユーザビリティーを考慮したサイト設計で、求めるお仕事へのスムーズな応募をサポートします。

シニア求人ナビのご案内

まとめ

シニア・中高年の採用は、企業にとって多くのメリットをもたらすとともに、労働人口減少という社会的課題への貢献・解決にも繋がります。
ただし、人材が定着し真の意味での「採用成功」を実現させるためには、制度設計や取り組みの設定・見直し等も必要になってきます。そのためにも、今回ご紹介した内容も参考にしながら準備を進めてみてはいかがでしょうか。

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