シニア採用・活用

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シニア採用・活用

2023.09.19最終更新日2024.04.30

シニア層の採用に成功するための戦略-課題や費用相場もご紹介

シニア層の採用に成功するための戦略-課題や費用相場もご紹介

人手不足が叫ばれる中で、シニア層の採用に注目が集まっています。
しかし、シニア層採用の経験がない場合は何から手を付けていいのか分からないでしょう。

実際日本の総人口は、令和2(2020)年10月1日現在、1億2,571万人です。65歳以上人口は3,619万人、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は28.8%。令和47(2065)年には、約2.6人に1人が65歳以上、になると予想されています。[注1]

この記事では、シニア層採用におけるメリットと課題、具体的な戦略を解説します。シニア層採用の経験がない企業でも、すぐに実践していただける内容です。ぜひ最後までご覧ください。

[注1]内閣府「令和3年版高齢社会白書(概要版)」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/html/gaiyou/index.html

シニア採用を検討してみたい

人手不足を解消するためにシニア・ミドル層の採用を検討しないといけないが、今までシニア層の採用を実施したことがないので、どうすればいいのか分からないという採用ご担当者様は、一度お気軽にご相談ください。

まずはこちらから無料相談

近年の労働人口の変化と背景

中小企業庁が発表した「2018年版中小企業白書」によれば、一般的な定年退職の年齢である65歳以上の労働力は年々、拡大傾向にあり、それは今後も加速することが予測されています。
この背景には、少子高齢化や年金受給年齢の引き上げ、企業の人手不足といった要因があります。

少子高齢化と企業の人手不足

日本では、いわゆる「団塊の世代」が高齢期に入った後、65~74歳の人口が2016年の1,768万人でピークを迎え、2028年までは一旦、減少するものの、2041年に再び増加し、2041年を境に再び減少していくことが予測されています。

波はあるものの、人口に占める高齢者の割合は高く、また、少子化による現役世代の人口減少もあり、シニア層がまったく仕事をしないとなると、日本全体での労働力不足が深刻化します。

これに対し、外国人労働者の活用や、デジタルテクノロジーによる生産性向上など、いくつかの対策は取られていますが、元気で働けるシニア世代の労働力の活用こそが、人手不足の緩和に繋がると期待されています。

年金受給年齢の引き上げ

国民年金法や関連法が改正され、これまでに何度か年金の給開始年齢が引き上げられてきました。
1985年の改正では、女性の老齢厚生年金の支給開始年齢を2000年までに段階的に55歳から60歳に引き上げられることが、更に2000年の改正では、老齢厚生年金の報酬比例部分を2025年までに段階的に60歳から65歳に引き上げられることが決定されました。

支給開始年齢引き上げの狙いは、少子化により減少傾向にある現役世代の保険料負担増を緩和するためです。
このため、シニアの現役期間は伸び、仕事を続ける必要が出てきました。

また、65歳で年金を受け取らずに66歳以後75歳までの間で繰り下げて増額した年金を受け取る方も増えています。その背景には、健康で動けるうちは働き、引退した後は、受給できる年金を増額してゆとりをもって暮らしたいという思いがあるようです。

こうした理由から、シニア層の労働力が市場に出回るようになると期待できます。

シニア層採用におけるメリット

ここで、シニア層採用におけるメリットを解説します。

  • 経験・知識の豊富さが強み
  • コミュニケーション能力が高い層が多い
  • フルタイムで働いてもらえる可能性がある
  • 助成金を受けられる場合がある

経験・知識の豊富さが強み

シニア層の強みは、若年層よりも豊富な経験・知識です。長期間働いてきたシニア層は、同業種であれば高度な知識・スキルをもっているので、即戦力としての活躍が期待できます。

異業種であったとしても、長い人生経験は充分に生かせるでしょう。モチベーションの高いシニア層を採用できれば、従業員に対してもよい影響が期待できます。

コミュニケーション能力が高い層が多い

子育てや社会人の経験があるシニア層は、幅広い世代とのコミュニケーション能力が高い傾向にあります。

特にサービス業界や接客業界では、シニア層のコミュニケーション能力の高さを活かせます。取引先企業との仕事に関しても、経験からくる現場での判断力と対応力は重要です。シニア層の落ち着いた態度は、取引先に安心感と信頼感を与えるでしょう。

フルタイムで働いてもらえる可能性がある

下記の表通り、60~69歳の半数近く、70~79歳でも概ね3人に1人が週5日以上働きたいと思っているようです。[注2]

60~69歳 70~79歳
週5日以上働きたい 56.9% 34.5%
週3~4日働きたい 31.5% 43.7%
週1~2日働きたい 5.1% 11.0%
特にこだわらない 6.5% 10.9%

[注2]ミドルシニア/シニア層の就労者実態調査(2021年)
https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2021/09/mid_senior_2021.pdf

助成金を受けられる場合がある

シニア層を採用すると「65歳超雇用推進助成金」を受けられる場合があります。[注3]
厚生労働省は生涯現役社会実現のため、次のようなシニア層採用を対象とした助成金制度を設けています。

助成金を活用すれば、雇用にかかるコストの削減にもつながります。
それぞれ条件や金額が異なるので、シニア層を採用する場合は事前に確認して下さい。

助成金 給付条件
65歳超継続
雇用促進コース
下記のいずれかを実施した事業主に対して助成
●65歳以上への定年引上げ
●定年の定めの廃止
●希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入
●他社による継続雇用制度の導入
65歳超継続
雇用促進コース
高年齢者評価制度等雇用管理改善
高年齢者向けの雇用管理制度の整備等に係る措置を実施した事業主に対して助成
高年齢者無期雇用
転換コース
50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に
転換させた事業に対して助成

[注3]厚生労働省「65歳超雇用推進助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html

上記以外にもシニア採用におけるメリットの一つとして、給与等の固定管理費や採用費用の抑制が挙げられます。シニアに絞って求人すると、絶対数の少ない若手を採用するよりも競合他社との競争が少なくコストは安く収められるでしょう。

シニア層採用における課題

シニア層の採用における課題には、以下の3つが挙げられます。

  • 偏見や先入観の克服
  • 技術や知識のアップデート
  • 任せられる業務範囲が狭くなる可能性も

上記の課題を把握していないと、シニア層の能力を活かしきれない可能性があるため注意しましょう。それぞれ詳しく解説します。

偏見や先入観の克服

シニア層に対して「スキルが衰えているのではないか」「体力的に厳しいのではないか」などと思っていませんか。このような先入観は、シニア雇用を進める上での障害となります。

シニア雇用をするにあたっては、シニアを一括りに捉えるのではなく、個人の能力や就業意欲をしっかりと見ることが重要です。それでも不安を拭えないというのであれば、入社前研修の実施や就業時間の調整、テレワークなど柔軟な働き方ができる環境を整えるのがいいでしょう。

技術や知識のアップデート

スマートフォンの普及によって、シニア層のITリテラシーは格段に向上しました。しかし、日進月歩するデジタルツールへの対応には抵抗のあるシニア層もいるでしょう。

専門的な技術や知識のアップデートも必要となってきます。これらの吸収には個人的な努力と資質が必須です。シニア層の働くモチベーションを保ち、能力を活かすためにも、シニア向けの研修の実施も重要です。

任せられる業務を絞ることが必要

シニア層は、新しい仕事への対応力や体力においては、若い世代と同じようにいかないケースもあります。そのため、仕事の内容を限定化や細分化を考えてみる必要があります。任せる業務範囲を狭くすることで仕事を覚えやすくなり、ミスの減少も期待できます。

シニア層の中には、取得していても活かせていない資格を持っている方や自分自身のキャリアの価値に気付いていない方が大勢います。特定の領域でその真価を発揮できるような割り振りができれば、パフォーマンスを最大化できるでしょう。

シニア層採用における戦略

シニア層採用時に考えられる戦略は、以下の通りです。

  • 信頼性の高い専門サイトを選ぶ
  • 折込やポスティングの検討
  • アグリゲーションサイトの利用

上記の戦略を実行すると、より能力の高いシニア層を採用できる可能性が高まるでしょう。それぞれ詳しく解説します。

信頼性の高い専門サイトを選ぶ

シニア層採用については、信頼性の高いシニア専門サイトを選びましょう。
シニア世代においても積極的にスマートフォンを取り入れる方が増えていますので、インターネットを使った採用でも全く問題はないでしょう。

マイナビ転職やリクナビNEXTのような大手求人サイトは、幅広い年齢層が登録会員として存在していますが、現役世代を対象とした求人情報が大半を占めるため、シニア世代の求人に向いているとは言えません。

折込やポスティングの検討

新聞折り込みやポスティングを活用すれば、特定の地域に限定して、ダイレクトに求人情報を届けることが可能です。特にシニア層は新聞購読率が高いため、一定の成果が期待できます。
これらの手法は比較的費用を抑えて運用することが可能なため、デジタル化が進んだ現在でも、中小企業にとっては有効な求人戦略となるでしょう。

アグリゲーションサイトの利用

アグリゲーションサイトとは、あるテーマについて複数のWEBサイトから共通する情報を抽出し、収集した情報をまとめて提供するWEBサイトのことです。

求職者にとってアグリゲーションサイトを利用する最大の利点は、広範囲な情報を一箇所で得られる点で、様々な職種や業界、地域の求人を一覧で見ることが可能となります。求人情報の場合、indeedや求人ボックスがアグリゲーションサイトに該当します。

シニア層採用における費用相場

実際のところ、シニア層採用にかかる明確な費用相場は決まっていません。
利用する求人サイトやサービスによって費用感が大きく異なります。以下では、採用手法ごとの費用感を解説します。

求人メディアへの掲載費

シニア向けの求人情報が比較的多く掲載されてるアルバイト・パート系の求人サイトを使う場合の費用相場は、3~30万円前後です。
しかし、アルバイト・パート系の求人サイトだと正社員や幹部領域で、今までの経験を活かせる求人は限られています。

シニア求人ナビもオススメ

内藤一水社では、シニア層の採用に特化した求人サイト「シニア求人ナビ」を運営しています。4週間掲載3万円のリーズナブルな掲載料金で利用でき、シニア層が利用しやすい簡単応募機能なども実装。検索機能もシンプルな項目に絞られており、シニア世代に最適なユーザビリティを実現しています。シニア層の活用・採用に興味のある事業者は、お気軽にお問い合わせください。

折込やポスティングの費用

折込とポスティングの費用は配布エリアや配布数、原稿サイズにより異なります。具体的な料金詳細は、当社のアドサクサイトでご確認ください。

まとめ

シニア層採用におけるメリットは、経験・知識の豊富さや コミュニケーション能力が高い人材が期待できる点です。助成金を受けられる場合があり、コスト削減も狙えるでしょう。

シニア層採用の課題は、偏見や先入観を克服したり、技術や知識のアップデートが必要な点があげられます。シニア層採用の戦略としては、 信頼性が高い専門サイトを使うのが効果的です。折込やポスティングの検討・アグリゲーションサイトの利用などもあります。

上記のメリットや課題を意識しつつ、記事を参考にシニア層の採用を目指しましょう。

シニア採用を検討してみたい

人手不足を解消するためにシニア・ミドル層の採用を検討しないといけないが、今までシニア層の採用を実施したことがないので、どうすればいいのか分からないという採用ご担当者様は、一度お気軽にご相談ください。

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