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2024.06.17最終更新日2024.06.17

65歳定年が義務化?2025年4月「高年齢者雇用安定法」改正|企業が取るべき対応とは?

65歳定年が義務化?2025年4月「高年齢者雇用安定法」改正|企業が取るべき対応とは?

昨今、シニアや高齢者の雇用と活躍が推進されています。
それに伴い、関連する法律や制度の改正も進められており、2025年4月から「65歳までの雇用確保」が完全に義務化されます。

今回は、最新情報を交えながら、予想される影響とその対応策をご紹介します。また、この義務化が「65歳定年制の義務化」や「定年延長の義務化」と誤解されることがあるので、その点についても解説します。

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「65歳までの雇用確保」完全義務化、2025年4月から施行

2025年4月、「65歳までの雇用確保」が完全義務化されます。これは、企業規模や従業員数等に関係なく、全ての企業が対象となるので、各社しっかりと理解しておく必要があります。
まずは基本情報として、下記の点について解説していきます。

  • 完全義務化の背景
  • 企業が取るべき対応
  • 「65歳定年制の義務化」「定年延長の義務化」ではありません
  • 70歳までの定年延長は努力義務

完全義務化の背景

「65歳までの雇用確保」完全義務化の背景には、以下の3つの重要な要因があります。

少子高齢化による労働人口の減少
日本では少子高齢化が進んでおり、労働人口が減少しています。若い世代の労働力だけでは、経済の活力を維持するのが難しくなってきました。そこで、豊富な経験と知識を持つ高齢者を労働市場に取り込むことが重要となってきました。
年金支給年齢の引き上げ
年金支給年齢が引き上げられているため、多くの高齢者が退職後の生活資金を確保するために、より長く働く必要があります。雇用の継続が保証されることで、経済的な安定を図ることができます。
高齢者の労働意欲の高まり
健康で活動的な高齢者が増えており、多くの人が退職後も社会に貢献したいと考えています。彼らの意欲を活かすことで、企業も労働力不足を補うことができ、社会全体の活力も向上します。

これらの背景から、日本では高齢者が能力を発揮し、活躍できる社会を作る必要が出てきました。
そのため、2013年に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」が施行されました。この法律では、従業員の希望に応じて定年後も雇用を継続する制度(継続雇用制度)の適用年齢を段階的に引き上げる経過措置が設けられてきました。
そして2025年3月末にその経過措置が終了し、2025年4月から「65歳までの雇用確保」が完全に義務化されます。

企業が取るべき対応

従来は60歳を定年とする企業がほとんどでしたが、「65歳までの雇用確保」の完全義務化により、各企業は下記3つのうちいずれかの対応が必須となります。

(A)65歳までの定年延長
(B)65歳までの継続雇用制度(雇用延長・再雇用制度)の導入
(C)定年制の廃止

「65歳定年制の義務化」「定年延長の義務化」ではありません

2025年4月以降、各企業上記(A)(B)(C)3つのうちいずれかの実施が義務になりますが、「65歳定年制」や「定年延長」が義務化するというわけではありません。あくまでも「65歳まで雇用の機会を与える」ことが義務化されるということです。

例えば、(B)の「継続雇用制度」は、60歳定年制とした上で、従業員本人の希望があった場合のみ65歳まで雇用を継続するものです。特に希望がない場合は、60歳定年で問題ありません。

70歳までの定年延長は努力義務

尚、こちらは完全義務ではありませんが、「70歳までの就業機会の確保」も努力義務とされ、各社、以下5つのうちいずれかの実施に努める必要があります。

  • 70歳までの定年延長
  • 定年廃止
  • 70歳までの継続雇用制度の導入
  • 70 歳まで継続的に業務委託契約を締結する
  • 70歳まで継続的に事業主が行う社会貢献事業に従事してもらう

「65歳までの雇用確保」が企業に与える3つの影響

「65歳までの雇用確保」の完全義務化により、企業が受ける大きな影響としては、良い面・悪い面含めて以下の3つが考えられます。

  • 労働力確保による人材不足の解消
  • 生産性の維持・向上と新たな企業価値の創出
  • 人件費・人材コストの増加

以下、解説していきますので参考にしてみてください。

労働力確保による人材不足の解消

先述したとおり、少子高齢化による労働人口の減少は、現在の日本において大きな社会問題となっています。65歳までの定年延長や雇用延長は、労働力確保の面でメリットとなることは間違いありません。人材不足に悩む企業にとっては、その解消への大きな助けとなるでしょう。

生産性の維持・向上と新たな企業価値の創出

優秀な人材に職場に残ってもらえることも、定年延長や雇用延長による大きなメリットと言えます。長年の経験で積み上げた知識・スキルを引き続き発揮してもらうことは、生産性の維持・向上に繋がります。また、若い世代と協業することでの技術継承はもちろん、そこでの新たな企業価値の創造・創出も期待できます。

人件費の増加

一方で、希望者全員の雇用継続は、企業側にとって人件費の増加に繋がるというデメリットもあります。給与や福利厚生費等のコストが大きな課題となる企業も少なくないでしょう。

助成金の活用が可能

厚生労働省は生涯現役社会実現のため、次のようなシニア層採用を対象とした助成金制度を設けています。

人件費の増加に対しては、助成金を活用することも可能です。

65歳超継続
雇用促進コース
下記のいずれかを実施した事業主に対して助成
●65歳以上への定年引上げ
●定年の定めの廃止
●希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入
●他社による継続雇用制度の導入
65歳超継続
雇用促進コース
高年齢者評価制度等雇用管理改善
高年齢者向けの雇用管理制度の整備等に係る措置を実施した事業主に対して助成
高年齢者無期雇用
転換コース
50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に
転換させた事業に対して助成

(※)厚生労働省「65歳超雇用推進助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html

2025年4月までに準備すべき4つの対応策

制度の概要を理解していても、何も準備をせずにいたのでは、いざという時に慌てたり混乱を招く原因にもなります。「65歳までの雇用確保」完全義務化までに、以下の4点について準備を進めておき、スムーズに2025年4月を迎えましょう。

  • 就業規則の見直し
  • 賃金・労働条件の見直し
  • シニア従業員の処遇改善・支援体制の見直し
  • 継続雇用の意思確認及び申出書の準備

それでは一つずつ、詳しく解説していきます。

就業規則の見直し

まず、退職に関する項目は就業規則への記載が義務づけられており、雇用継続制度・定年延長・定年制撤廃を導入する際は、それに即して、就業規則の変更・修正が必要になります。

「本人が希望する場合は、65歳まで継続雇用する」等、変更内容に応じ事実に基づいた就業規則を記載しましょう。それに伴い、労働基準監督署への届出も行ってください。また、雇用継続後の労働条件に変更がある場合は、新たな雇用契約書や労働条件通知書を作成する必要がありますので、その準備も進めましょう。

賃金・労働条件の見直し

雇用継続後や定年延長後も、引き続きこれまでの賃金制度・労働条件を適用するか否か、及びそれらをどう見直し・変更するかは、慎重に検討すべき項目と言えます。

例えば…

  • 給与額
  • 退職金の支払いタイミング
  • 雇用形態
  • 業務内容
  • 時短・フレックス勤務
  • 勤務日数

などをバランスを見ながら見直し、企業文化等も踏まえながら、継続雇用される本人だけでなく、一緒に働く他の従業員も納得できるものにすることが大切です。皆がモチベーション高く働けるよう、注意を払いながら考えていきましょう。

シニア従業員の処遇改善・支援体制の見直し

継続雇用や定年延長導入後は、60歳以上のシニア従業員がモチベーション高く、イキイキと働ける職場であるかどうかも重要になってきます。

人事制度や評価制度、適材適所の人材配置等に気を配り、労働環境を整備しましょう。身体機能の低下や健康維持、生活習慣等に関する安全衛生研修はリスク低減・事故防止に繋がります。雇用継続前と違う仕事に従事する場合は業務研修を行い、ストレスなく業務に入れるよう支援しましょう。

継続雇用の意思確認及び申出書の準備

継続雇用制度は「希望者全員」が対象となっています。
まずは、近く定年を迎える従業員に継続雇用制度の内容及び継続雇用後の処遇等を説明し、本人に継続雇用の希望・意思があるか確認しましょう。トラブルを避けるためにも、通知は個別に行うことをお勧めします。
また、口頭のみの意思確認だと行き違いが発生しやすいので、「再雇用希望申出書」等の書面も用意しておくとスムーズです。

まとめ

2025年4月に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」の経過措置が終了し、「65歳までの雇用確保」が完全に義務化されます。

経過措置の終了に向けて、企業は高齢者が働きやすい環境整備やスキル向上支援に取り組む必要があります。また、年齢に関係なく能力を最大限に発揮できる職場づくりが求められます。
シニアはもちろん、幅広い年代が能力を発揮できる環境の整備は、企業成長の可能性をぐっと高めます。これを機に、広い視野で自社の在り方に目を向けてみるのもいいかもしれません。

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